国の政策に与えた影響 行政側からのお声

この厚労省の懇談会での動きから、昨年末、JICAを経由して、PMAC2019(アジア最大の公衆衛生に関する国際会議)で「国の政策に与えた影響」として発表してほしいとの依頼が届きました。

当初は自分の目で見てきた、考えてきた、会の活動から国の政策になっていく経緯について、原稿を考えていたのですが

バンコクに向かう夜、めちゃくちゃ早く着いた羽田空港で(珍しい、本当に。いつもは時間ギリギリで飛び乗るのに)、ふと、行政側の方々から見て、当会の取り組みってどう見えてたのか、それを盛り込むのがいいのでは、と思い立ったのでした。

そこから、省庁の担当者の方々へ、猛送信。(ご迷惑おかけしました)発表2日前。
いただいたメールです。

これまで保健医療政策の合意形成過程では、技術的な難しさがあるからということで、ほとんどが「医療関係者である提供側」と「学会」で議論をしてきたところがあります。その次には、薬害やがんなどの患者会、福祉の領域では障害者団体がステークフォルダーとして参画してきました。あまさんたちの活動より前は医療提供者側は「どうせ患者はあれしてほしいこれしてほしいというだけ」ととらえていたし、患者団体側は「わたしたちにいい医療を提供さえすればよい。あと、理解できないとしたらそれは医療者側の説明責任を果たしていない」という対立構造だったと思います。
最も政策に与えた影響と言えば、合意形成過程において、医療提供側と受ける側が「地域や制度を違う立場であっても同じベクトルを向いて議論ができる」ということを示すさきがけになってくださったのではないでしょうか。だから、本当に驚くほど多くの会議で重用されていますよね。

また、たとえば小児医療について、医療提供者と住人や利用者・患者側のベクトルを「一定の質を保った持続可能性」ということで地域の中で揃えてくださるモデルを示してくださっています。

さらには、保健医療の縦割りに横串を刺すような役割をしてくださっていますよね。私は医師でもあるので、本当は地域の医師会や保健所にそのあたりの横串を刺してほしい気持ちもあるのですが、彼らにも限界があるし、なにより医療従事者でない立場のあまさんらが積極的に活動してくださることで、上から目線ではない求心力が生まれているのだと思っています。 
障害者団体やがん患者団体は粘り強い活動をします。一方で、小児医療(さらに小学校施策とか母子保健とか学校保健施策)への不満は、自分のことだけ考えたらのど元過ぎたら忘れてしまうのでそこに着目してくださることは、とても大きいと思っています。実は小児医療で医療と社会がいい関係になることによって、人生全体の中での保健医療との付き合い方を考えるきっかけにもなるし、さらに大きな社会保障への信頼にも繋がると思っています。このようなところにも知ろう小児医療守ろう子ども達の会の皆さんの活動のユニークさは、あると思っています。
間違いなく政策に影響を与えています。
そして、阿真さんのようなリーダーシップをとった活動が国レベルでも都道府県レベルでも地域レベルでも活発になることがこの国が本当に成熟した民主主義国になるときだと思うし、これから人口減社会を乗りきるのに必須なことだとも思っています。

当事者の勇気溢れる言葉は確実に行政を動かしていますよー頑張って!アジア版ミニ ダボスですからね。

医療法にも一条入りましたしね。

第六条の二 国及び地方公共団体は、医療を受ける者が病院、診療所又は助産所の選択に関して必要な情報を容易に得られるように、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 医療提供施設の開設者及び管理者は、医療を受ける者が保健医療サービスの選択を適切に行うことができるように、当該医療提供施設の提供する医療について、正確かつ適切な情報を提供するとともに、患者又はその家族からの相談に適切に応ずるよう努めなければならない。
3 国民は、良質かつ適切な医療の効率的な提供に資するよう、医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携の重要性についての理解を深め、医療提供施設の機能に応じ、医療に関する選択を適切に行い、医療を適切に受けるよう努めなければならない。
 阿真さまの会はまさに、最近ですと「上手な医療~」懇談会もそうですが、多くの検討会等にご協力いただき、国民目線のご意見をいただいていますので、「影響」どころではないですね!最近ですと、無痛分娩も(これは検討会ではなく、研究班でしたが。)
いかに地域で学び会う環境が作られるのか、むしろ、遠からず私の方から阿真さまにご相談することと。引き続き宜しくお願いいたします。

たくさんのお声をありがとうございました。

タイでハッピータイム(写真で振り返っても、食いしん坊写真の数々💦)を過ごしすぎて、こんなに大切なメッセージをいただいていたこと、日本では、どこにも出していませんでした。(反省)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?