その一言で、受診が変わる
昨日の群馬県小児科医会のセミナー報告に、「病気のときに使ってね」の一言で変わったある区の実例と、書きました。
そこを詳しく、とリクエストいただいたので、書きますね。
とある区の保健センターと当会で、子どもの医療のかかり方についての冊子を作ったことがあります。
その際に、出産バッグ(母子手帳とともにもらういろんなパンフレットが入った紙のバッグ)の中に入れないで、とお願いしました。
そして、「熱が出たら、使ってね。病気のときに、使ってね」と添えてほしいことも伝えました。
この区では、3〜4ヶ月健診の際に、保健センターを訪れます。健診後に、一人ひとりに、手渡しで、保健師さんが「病気のときに使ってね、お熱が出たらこれを見てね」と言葉を添えて渡してくださいました。
その後、この区で、救急外来の受診が減った、というデータが出ました!と保健師さんが嬉しそうに報告してくれました。
啓発とは、お金のかかることを一度やっておしまい、ではない。
でも、手間はかかります。
問題は、役所には異動があって、そのたったひと言が今も継承されているかというととても難しいです。
一緒に冊子を作った方は、すでにその場所にはいません。
クリニックならば、可能かもしれません。けれど、保健センターのようにたくさんの、まだ病気をする前の方が多く集う場所で、たったひと言、伝えることができたら、大きな変化になることは明らかです。
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