海士町の取組が、観光庁長官表彰を受賞しました。

海士町の取組について、観光庁長官表彰を頂くことができました。

遠くこの小さな島の取組を見つけてくださり、そして多数の方が長きにわたって、種に水を与え続けるように様々な形で関わってくださり、このプロセスまでをも評価してくださったのではないかと思うと、本当に感極まるものがありました。関わってくださったすべての皆さまへ、関係者の1人として心から御礼と感謝申し上げます。ありがとうございました。

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今回の受賞に際してポイントとしてあげてくださったのは主に4点。
①ジオパークの拠点施設と宿泊施設の複合施設であるEntô ( https://ento-oki.jp ) の開業
②離島ワーホリ制度の仕組み化・運用( https://oki-ama.org/wh/ )
③海士町複業協同組合の創立( https://ama.how/
④ふるさと納税を原資にした「海士町未来共創基金」の設立( https://ama-future.org/


いずれも5年以上、人材の仕組みや新しい地域内における再投資の仕組みについては10年以上もの年月をかけて島内で先輩たちが議論し続け、トライ&エラー&エラー&エラー&トライを繰り返し続けてきたものでした。15年前に移住したときから、徹底的な行財政改革・一点突破型の産業施策・未来を見据えた教育の魅力化と、先輩や仲間たちが素晴らしい実績と挑戦を続けている中で、観光面においては正直苦しい時期が続いていました。ましてや近年のコロナ禍が離島の観光業に与えた影響は計り知れません。その過程において、山内前町長、直属の上司であった青山前交流促進課長は全くぶれることなく、「離島振興における観光業の役割は、”いわゆる観光名所づくり”ではなく、未来への投資だ。そして最大の投資は仕組みと人づくりだ」と一貫していました。この頃に数えきれないエラーと共に生んできた人材の募集・マルチでの活躍の在り方・育成といったことが、現大江町長の下、上記4事業へと形作られ、柏谷現交流促進課長の下、あらゆるチームで集中的にこの短期間で形作られ今に至りました。

この4事業に限らず、人と仕組みへの投資。そしてその投資を循環させる仕組みを海士町として取り組み続けてきましたが、そのすべてと言っても過言ではなく、例外なく海士町の中だけで企画から実現・運用に至った企画はありません。島外に住む関係人口、以前島に住んでいた出郷者の方とチームを組んで叱咤激励を頂きながら前のめりに取り組んできた事業が、今回こうして評価を頂けたこと、これには本当に勇気をもらいました。足元を見れば課題は無数にありますが、それもひっくるめて挑戦事例としての在り方に大きな背中を押して頂けたように思います。

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さて、Entô開業から早いもので3か月がたちました。今思えば、想定以上に目標としていたゲストの皆さまにお越しいただいた7月。2度にわたる大雨被害と、全国的なコロナ拡大を直に受けた8月、おかげ様で多数の取材と新たなご縁を数えきれないほど頂いた9月。そして、再び想定を超えるゲストに恵まれた10月を迎えています。

この間に自分の中で確認できたことは、改めて「人は本能的に、根源的に移動を必要としている」ということでした。古くは人類の移動から、これだけ便利になった今でも、そしてバーチャルやオンラインが発達した今だからこそ、より移動の価値が高まっていること。「遠島」という、古代には罪名だった移動の形がこの時代において、価値を高めていること。その過程において純粋な息抜きや現実逃避の要素もあるかもしれないけれども、本質的には異なる環境に身をおくことで、何かしらのものをそぎ落としているとも言えるし、何かしらを取り込んでいるとも言えるのかもしれません。

Entôというブランド名には「遠島」のほかにもいくつかの読み方を含ませて決定をしておりました。僕の大好きなもう1つの読み方は「遠灯」遠い灯火(ともしび)とも読めるこのあり方を僕らはこの小さな島で創りたい。暗い海原で遠くに見える灯火のように、ゲスト1人1人にとって何かしらの灯火となれるような場所に、そして還ってくるふるさとのような場所に、そしてこの取り組みや挑戦、この島の営みそのものが、これからの社会にとっての1つの灯火となれるような場所を目指していきたい。そんな思いを新たにさせて頂きました。

改めて10年以上の長い年月にわたって、この取組を先導してくださった関係者の皆さま、新たに仲間に加わってくださり、かなりの激しい航海に一緒に船に乗ってくれている現場のスタッフに心からの感謝を申し上げます。


離島、海士町、観光業、ホテルで働いてみたい、という方募集中です。Entôでは、サービススタッフ、クリンネススタッフを募集しています。お気軽にコメントでもメッセージでもご連絡ください。

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