船旅、という日常。

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今日から島外へ出張。この冬の時期はどうしても出張が多くなるけれども、離島の仕事における出張に船旅はつきもの。フェリーだと片道3時間。その後の目的地までの移動次第では、移動日を往復で確保しなければいけなくなる。逆も然りで打ち合わせやプロジェクトでご来島頂く方は、常にこの船旅の日程を確保しておいていただく必要がある。これだけ便利になって、忙しい方も多い中で、心苦しく感じることも多いのだけれども。

この島に住み始めて13年にもなるけれども、意外とこの時間がそんなに嫌じゃない。むしろ時々自分に必要な気さえしている。通勤時間、通学時間といった概念がこの島だとほとんどない中で、何かをしていない時間、というものを創ることが難しかったりする。島時間、というとなんとなくスローな印象もあるかもしれないけれども、暮らしにおいてはそうでもなかったりしていて、職業だけじゃなくて地区の行事や仕事も少なくない。

非日常を求めて来られるお客様にスローな島時間を味わって頂きたい気持ちと、ないものはない、という精神のもとであらゆるものを創り出す、この島の創造力を味わって頂きたい気持ちが両方捨てきれない。

今、この文章を書いているのも海の上の船内だけれども、この時間は僕にとっては前者の時間で、余白そのものである時間。この時間にがっつり堂々と昼寝をしたっていいし、読書もできるし、音楽も聴けるし、やろうと思えば今の時代仕事もがっつりできてしまう。自分で決められる時間、というこの状態そのものがこの船旅が嫌でない1つの理由なんだな。


そういえば後鳥羽上皇もその昔、この島に御配流されるときに船の上で詠まれた和歌が最も有名な歌だ。

写真:太田章彦

青木くんが旅の余韻、という表現で文章を書いてくれました。

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