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組織におけるスクラムマスター育成の取り組み

こんにちは。天野です。

スクラムマスター職能のマネージャーとして、1年間スクラムマスターの育成に向き合ってきました。今日は、スクラムマスターを育成するために組織で取り組んだことをまとめて振り返ります。


責任を明示する

組織としてスクラムマスターを育成するためには、スクラムマスターとは何をする人なのかを明確にする必要があります。一般的な定義というよりも、その組織においてスクラムマスターにはどんな責任があるのかを明確にすることが重要だと思います。

これは職能化のタイミングで「チームを健全に保つことに責任を持つ」と定義しました。かなり抽象度の高い表現ですが、自社環境では入口としては機能しているように感じています。

スクラムマスターの居場所を作る

スクラムマスターとして成長するためには、スクラムマスターとして活動できるチーム環境を作成・維持することが極めて重要です。自分が立ち上げに関わっていたチームでは個別に「プロダクトオーナーとスクラムマスターを置きましょう」と提案していましたが、より進めてスクラムマスターがチームにいる状態をデフォルトにしたいと思いました。

そのために、開発チーム作成ガイドという形でチームの基本型を明示することにしました。あくまでガイドなので強制力はありませんが、これによってスクラムマスターに挑戦するハードルはかなり下がったのではないかと思います。

学習・実践・コーチング

組織として、スクラムマスターを育成するために決まった学習リソースや研修は特に用意していません(よくお勧めする本や研修はあります)。1on1によるコーチングをベースに、次にやることや学習することを一緒に検討しています。

学習の重要性は常に強調しており、外部の研修も積極的に受けてもらっています。本人の学びたいという意思を最大限に尊重したいと考えているので、あれを読めこれを受けろと指定することはしない代わりに、希望するものへの投資は惜しまないという姿勢です。

アジャイルコーチとして現場支援に入ることもありますが、自分がマネージャーとしてスクラムマスター育成のために直接している活動は、ほとんど1on1のみになります。

チーム環境を手入れする

チームのスクラムマスターが健やかに活動できるかどうかは、それ自体がマネージャーにとってのチームの健全性の指標になり得ます。健全なチーム環境を作るためには、メンバーの変更や分割など、チーム自体に手を入れた方が良い時もあります。そのような時は、マネジメントの積極的な介入によって手入れをします。

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