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2019年をふりかえる

こんにちは。天野(@ama_ch)です。サイボウズでスクラムマスターをしています。今年の仕事も無事に終わり、2019年も色々あったなぁと思いを巡らせています。せっかくなので、今年やったこと・学んだことを思い出しながら書いてみます。

サイボウズ(本業)で週3勤務を選択した

2017年までは週5勤務、2018年は週4勤務を選択していましたが、2019年はさらに一歩進んで週3勤務を選択しました。昨年は週4勤務(+週1複業)をやってみて、もう少し自由な時間があった方が個人的な探究や思索を深められて人生の満足度が高まりそうだと思い、週3勤務という実験をすることにしました。
コミットメントを減らす分お給料も減りますが、週3でも最低限生活する分は確保できそうだったので、基本的には好きなことをする時間を確保しつつ複業のお仕事があれば収入も補填できるぞという感じで始めました。
結果的には複業もそれなりにご依頼をいただき、お仕事が入る時期がずれたおかげで週3〜5勤務をすべて経験する形になりました。個人的には週4勤務(週休3日)が一番ワークライフバランスが良いと感じました。

複業の稼働率が上がった

複業は個人事業主としてフリーランスのスクラムマスター/アジャイルコーチをしています。2019年全体では平均で週1.5日くらいは複業で稼働していました。最大でも週2日しか稼働できない上に仕事がなくてもOKと考えている意識の低いフリーランスなので、営業活動は一切していません。
基本的なスタンスとしてできることなら何でもやりますが、メインは実際の現場に行ってオンサイトで支援する活動です。自分の中ではあくまでスクラムマスターとして振る舞うことで問題にアプローチしていますが、支援先がすべてスクラムを導入しているわけではないので、スクラムそのものや自分の役割の名前にはあまりこだわらなくなりました。支援先がスクラムを使っていればスクラムマスターだし、そうでなければアジャイルコーチになることもあるし、ただの問題解決おじさんになることもあります。
複業で複数の現場に行けているおかげで、コンテキストの違う複数の環境やプロダクトの知見が急速に得られている実感があります。得られた知見をまた次の現場で活かすのが楽しみです。

本業でやったこと

本業のサイボウズではGaroonの開発チーム支援に1年かけて取り組んでいました。今年はもうほぼGaroon一本でした。開発17年目のプロダクト、プロセスもコードも色々とレガシー、日本とベトナムで計7チームで開発している大型チーム、といった状況だったので、かなり長期戦になる覚悟は元々ありました。
やったことは雑にまとめると、どこで何が決まっているか分からない会議体をスクラムに沿って変更して、複数チームの同期が必要なところはLeSSっぽい仕組みを入れて、あとは適宜ファシリテーションをしたり情報追加をしながら粛々と意思決定プロセスに介入し続けていました。
その過程でとても多くの問題が顕在化しましたが、問題を認識して議論するという健全なプロセスをたどり、今ではかなり良い感じになってきたと思います。

そのうち現場のメンバーがもっと詳しい話を発信してくれるはずです、と書きながら最近PHP Conferenceでエースエンジニアの杉山くんがとても良いトークをしてくれたのを思い出しました。レガシーに立ち向かうって素晴らしい。

学んだこと① 時間を味方につけて少しずつ変化させる

自分は昔から「正しいことを言えば人は動く」と考えていて、よくそれが原因で失敗していました。論理的な正しさを証明することにこだわり、相手がそれをどう受け止めるかには注意が及んでいませんでした。
コーチとして個人・チームと接すると、自分が同じことを言っても相手によって反応の仕方が違うことに気付きます。 正しいことを言うことも大事ですが、相手に伝わらないと意味がありません。

例えば以前は開発じゃないチームから相談を受けると「とりあえずカンバン・朝会・ふりかえりを導入しましょう」と提案していましたが、これは自分が良いと考えているやり方を押し付けているだけだと気づいてやめました。かわりに何に困っているのか聞いて、問題を認識して、何ができるか一緒に考えます。手始めにふりかえりを単体で導入することが多かったですが、やりたいのはプラクティスを導入することではなく、チームで問題を共有・議論して仕事のやり方を変える取り組みを継続的なものにすることです。そこから考えると上記のような対話中心の一見周りくどいアプローチになりました。

スクラムマスターとしてチームにプロセス改善を提案する時、提案はできてもチームにそれを強制する権限はないので、十分に共感が得られない場合は行動の変化に繋がりません。できることは提案に対して説明責任を果たし続けること、(必要に応じて)一緒に手を動かすことだけです。

今年は下記の2点に改めて気付きました。

1. 考え方の変化には時間がかかること。そのために重要な話は繰り返し伝える必要がある。
2. 行動の変化のきっかけになるモヤモヤを作ることが大事。

2はうまく言語化できていないので少し補足すると、単純な拒否反応ではなくて、「うーん、もっといいやり方があるのか?🤔」といった現状への疑問を持ち帰ってもらうようなイメージです。頭の片隅で今のやり方はベストじゃないのでは?という疑問のスイッチが入ると、その後同じことを言っても違う反応が出てきたり、ちょっとだけ新しいことを試す機会が増えたりするので、時間がかかってもこのスイッチを入れることが大事だと考えるようになりました。

学んだこと② PO支援も重要、仮説検証は楽しい

長くなったのでここで終わりにします。次回作にご期待ください!

2019/12/30 追記: こちらに書きました。


ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。