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なんやかやLEICA M9を買って1年経った話

2020年の初めの方に、いつの間にかLEICA9が家に届いていた記事を書きました。その後、なんやかやと記事を書いたのですが、結局この記事が一年で一番読んでいただけた記事になりました。終売しているカメラなのになぜなのか。

そこから半年経ち、その後にM9をモノクロ専用機として使ってみたという記事も書きました。

モノクロ使いすると面白いんですよね。
それで、そこからまた半年経ち、年も改まり、そろそろ使い始めて一年経つので、一年のまとめ的な記事を書こうと思いました。

それがこれです。

沢山持ち歩いた

2020年は、メインで使っているSONY α7M3で撮影したのが約24000枚、M9で撮影したのが約4300枚でした。だいたい6:1位の割合でM9を使っていたようです。
持ってしまうと、本体もレンズも軽くて小さいので、鞄にすっと入れて持ち歩けます。仕事に行くときに鞄にカメラを入れておくという事が苦ではなくなりました。フォトウォークやポートレートや、撮ろうと思って撮りに行く時はα7M3がメインなのですが、ふとした日常で撮るのは圧倒的にM9が多かった印象です。
持ち運びやすさゆえの事だったと思います。

ただ、この観点からは、もっと小さくて軽いカメラであるGRなどを手に入れた場合には、M9の立場はそんなになくなってしまうかもしれません。
そんな予感がしています。
現状、僕の持っている持ち運びできるカメラとレンズでは最小最軽量ではあるのですが。

自粛期間中など、近所の散歩のお供に方にこれを肩にかけて出かけても、ぜんぜんかさばりませんでした。そのうえ、小さめのカメラをナナメに提げて歩く姿はお洒落だなと思われる確率も数パーセント位はあるのではないかとさえ思いました。ギリお洒落カメラ枠に入っているカメラだと思います。

データが違う

この一年で撮影したデータをざざーっと見ていて、ソニーのαとM9で大きく違う事が、データでした。カメラやセンサーが違うので当たり前なのですが、その違いが大きくて驚いたといいますか。

この写真は、12月に湘南の丘の上から海を撮った写真です。
(LEICA M9, SUMMICRON35mm / F9.5, SS1/750, ISO160)
海の青と空の青とが濃く綺麗に出ていて、鮮やかに撮れたなあと思っています。ただこのデータは、現像をしたものではなく、DNG(RAW)の状態のものを何もいじらずにそのまま書き出したものなのです。
同時にカメラで生成してくれたjpegでもありません。RAWをLigntroomが一定の方法で見えるようにしてくれただけのデータでこの状態なのです。
なんかいろいろ濃度が濃くないでしょうか。

こちらは同じ画像の、カメラ内同時現像で、彩度とコントラストを低めに設定していたため書き出された画像です。LEICAってコントラストの薄い画像というイメージがあってそういう設定にしていました……
なんか、RAWの色を見てからだと物足りなくなってしまいます。
ただLEICAっぽいかどうかは別として、こちらの方が見た目は余程RAWっぽいなと思います。
以前の記事にも書きましたが、M9は暗いところの階調が粘って粘ってなかなか潰れない印象があります。そのためRAWの時点で多少コントラストや彩度が高くても、不思議と不自然な感じにならないのではないだろうかと思いました。なんとなくです。関西で言うところの「しらんけど」です。

少し撮影場所は違いますが、こちらはソニーα7M3で撮影したRAWをそのまま書き出したデータです。
(α7M3 SUMMICRON-R 50mm / F11, SS1/650, ISO100)

M9とはRAWの時点のデータの色が全然違いました。
面白いなあと思います。
↓これもM9のDNGそのままをjpegに書き出したもの

(lightroomに青を濃く解釈させる何かがあるの?)

モノクロが面白い

RAWの色の濃さがどう影響しているのか、モノクロにした時のこういう写真の暗いところの感じがとても素敵です。

僕は相変わらずカメラやセンサーの構造や差がわかる人間ではないので、技術的にどうしてこうなのかわかりません。デジタルカメラなので明るい部分より暗い部分が得意なのはよく言われている通りなのですが、M9はそれに加えて特に、暗いところの描写(階調の丁寧さ)が既にひとつの表現になっている気がしています。

ではM9のモノクロ専用機「Mモノクローム」でよいのではないか、と思われるかもしれません。僕はMモノクロームで撮影したデータを持っていないのでなんともいえないのですが、僕は現像をするときはカラー情報を元にマスクを作ります。なので、現状のままでは僕はカラーのデータの方が都合がいいなあと思う場面があるのです。
Mモノクロームの方がもっと階調が綺麗になるのだろうと想像しますが。

↑カラーで撮影していれば、もとのデータをモノクロにして↓

グリーンとイエローの色のみを選んで明るくする……という様な事が出来ます。↓

これはモノクロフィルムやモノクロ専用センサーであっても、イエローグリーンのフィルターをかけて、その分の明るさを調整してから撮影すれば同じ様な事になるのではないかとは思います。
でもフィルターを逐一交換するのも咄嗟には出来ませんし、現像時の選択肢がある方がいいなと思うため、やはり僕はカラーの情報も残っている状態で撮影していたいと思うのです。
まだ、僕にはモノクロだけでそんなに完璧な撮影が出来るほど技術がないとい理由もあります。

オレンジフィルターを付けて撮影していたら、帰ってモノクロにするだけでよかったりするのですが。

あとオレンジフィルターのままで撮ると、地球最後の日みたいな写真が撮れたりします。

どんな撮影が向いているのか

M9ではどんな撮影が向いているのか、自分なりにわかってきました。
もちろん道具は好きなように自分の楽しいように使うのが一番です。なのでこれは自分ならこう活かそうかなあと思っているという程度の話です。

この一年撮ったデータを見返してみて、やはり、モノクロであればシャドウを活かしたものが向いていそうだなと思います。
それと、気軽に持ち運びさっと取り出して撮れる気軽さです。カメラを持っていないとどんなに日常で突然心が動いた場面に出くわしても撮影することはできません。

今度はカラーならば、どろっと出る色を活かすとそれだけで画面が綺麗になると思いました。僕はモノクロばっかりいじっていてあんまりカラー写真の事をよくわかっていないのですが、このカメラのセンサーはその辺のことを何も考えなくても、なにか色を使ってよい感じに撮ってくれる気がします。
色に関してだけ言えばですが。

もちろん様々な事が出来ないカメラでもあるのですが。
でも好きだなあ。

展望

この記事を書きながら、このカメラの強みの部分を再確認できました。
もちろん弱い部分も沢山あります。ファインダーを覗いた時と撮れる画像の構図がずれるとか、電池がもたないとか(予備電池を持ち歩いています)、レンズが高いとか、背面液晶がアレとか、テザー撮影出来ないとか、色々とあります(ストロボはなんとか使えました)。
これらは人や場面によってはクリティカルな事もある事項だとは思います。

ただ良いところの強みはα7では簡単に再現できなさそうな部分でもあるので、せっかく持っているのでM9の強みを活かしつつ撮影をしていきたいです。
そこを前提としつつ、今年はスナップ的な視点での使い方をもう少し研究していきたいなと考えています。

ただ色々考えましたが、カメラの性能がある程度"何かっぽい"感じにしてくれるので、もう少しラフに構えて撮っても良いのかなという気がしてきました。
気軽な感じから生まれるものにはとても興味があります。

(おわり)

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