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⇄のある社会を目指して

これまで現代の社会を取り巻く課題(宿命感etc)やそこに対しての理論的な解決策(自己と社会の対話)を書いていきました。では、具体的に何を澤海渡はこの社会に産み出そうとし、その先にどんな社会があるのかについて今回は書いてみようと思います。

1-⓪社会課題:生きづらさを抱えている人の孤立化

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僕が取り組む社会課題は「生きづらさを抱えている人の孤立化」です。

この社会課題が生まれるその背景には当事者の側に3つの課題が、社会の側に2つの課題があると考えています。

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1-➀当事者の抱える課題:生きづらさを表現するコトバがない

自分自身もそうだったのですが、生きづらさのピークにあった不登校生の時、自分の抱えている生きづらさをどうコトバにすればいいかわかりませんでした。確かに抱えているこの生きづらさ、でもそれをうまく伝えられないことによって非常にもどかしくなってしまう、そうした経験は誰しもにあるのではないでしょうか?

自分自身が発達障害である、鬱であるなどと社会から名付けをされれば幾分マシになります。しかし「発達障害である」「鬱である」というコトバだけでは言い表されない生きづらさが逆に見えなくなってしまうなんてこともあると私は思います。

1-➁当事者の抱える課題:何が生きづらさを引き起こしているのかがわからない

僕は生きづらさというのは「社会と個人のズレ」によって引き起こされるものだと考えています。例えば、僕は文字があまり書けないのですが、別に社会が文字を書くということが当たり前でなければ生きづらさは生まれないわけです。

という感じで自分の外側の影響を多分に受けて「生きづらい」という状態ができるわけですが、そもそも外側の影響に気づけず「自分が異常だから・・・」と自分を責めてしまったり、何が影響しているのかわからないことも多いと思います。

1-➂当事者の抱える課題:他者や社会への働きかけ方がわからない

結果的に「生きづらい」ということそのものを話した相手に理解してもらえたとして「で?どうしてほしいの?」という相手の質問に答えられなかったりします。何をしてほしいのか、何を変えてほしいのか自分自身でもわからなくなってしまうわけです。

1-④社会の抱える課題:共感格差

クラウドファンディングやNPOなどの社会的活動が盛んになってきたことで、かつて市場では解決できなかった問題も解決できるようになってきました。こうした、クラウドファンディングやNPOなどが何を力にしているかというと「共感」というエネルギー源を使っているわけです。
「確かにその状況はかわいそうだ」「この社会の現状はおかしい」と感じてくれる人がいればいるほど、その課題は解決されていきます。
つまり、その課題を抱える人以外が「それは問題だ」と感じてくれること、そもそもその問題があるということを知ってもらえない限り助けを求めることは非常に難しい現状があるわけです。そして、当事者の人たちは基本的に上記で述べた通り語るコトバもどうしてほしいのかも正確に表現するのは難しい現状があります。「共感市場」だけでは解決しきれない問題は多分にあるわけです。

1-⑤社会の抱える課題:自己責任社会

そのため、まだ社会に共感されていない課題は足りないコトバで語っていき少しずつ浸透させていく必要があるわけですが、そうやって語ると、

「え?それお前だけの問題でしょ?」

「私も頑張っているのに、なんであなただけしんどいとか言ってるの?」

と言われることも多く、中々生きづらさをコトバにするのが難しい現状があります。

2非当事者の抱える課題

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一方で非当事者側の方からしてみると、自分自身がその立場には立てない以上、相手が何に困っていて、どうすればいいのか正確に理解するのは難しい現状があります。

3両者の間にある課題:⇄がない

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つまり、当事者の側だけが悪いのでもなく、非当事者の側だけが悪いのではなく両者の間での双方向のコミュニケーション、「⇄」がないことが問題なのではないかと僕は思っています。

4解決策:⇄をつくる

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だからこそ、当事者だけを変える、社会の側だけを変えるのではなく両者がいかに歩み寄って共に現実をつくることができるのか、そのための仕組みをいかに作ることができるかが本当に必要な解決策になるのではと僕は考えています。

5具体的な事業その1:IKIDULABO(イキヅラボ)

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では、具体的にどうそうした状況を解決していくのか説明していきます。

1つ目はIKIDULABOというサービスです。
当事者研究という障害者が自らの障害を研究する営みがあるのですが、主にその方法を用いて、自分の抱える生きづらさを探求しコトバを生み出す学びを展開していきます。

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自分の中で抱えてしまっているコトバにならない生きづらさを、同じラボメンバー同士で語りながら生きづらさを表現するコトバを生み出していきます。
個人的な生きづらさを表すコトバが生まれた時、社会につながる契機が生まれるはずです。自分の表現したこの生きづらさは社会学、政治学、心理学等々様々な学問ではどう説明されているのか。世の中に類似する事例はないか。様々な角度から探っていく中できっと自分の抱える生きづらさは個人的な問題ではなく社会との相互作用の中で生み出されてきたものなのだと気づくはずです。
そう気づきた時、問題を抱えてしまっているどうしようもない私ではなくまだ社会に認知はされていない、けれど確実にそこに存在する社会の課題に向き合う私に変わっていくでしょう。その時、生きづらさはきっと生きる原動力に変わっていくと私は思います。

6具体的な事業その2:TOUJI社(トウジシャ)

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多様性の時代になった現代、マイノリティの人を会社に受け入れる風潮も強まってきました。そうした動きを受けてダイバーシティ研修等でマイノリティの人への理解を深めていくわけですが、本当に研修を受けるだけで”わかる”ようになるのでしょうか?
当事者の課題は当事者が最も知っている。それならば、当事者の声を聞くのが一番てっとりばやいと思うんです。そこで、IKIDULABOで研究を深めた人を中心に当事者コンサルタントになっていただき企業の抱えるお悩みにお答えしていくサービスを考えました。

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障害者の感じている実際の違和感、なかなか直接本人に聞いたとしてもお互いが共通了解を取れる理解にまで落とし込むのは難しい。けれど、研究をしたことによって生み出されるコトバ、説明を通してならきっとより深い相互理解につながるはずです。

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7具体的な事業その3:違和cafe

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とはいえ、いきなり「研究しよう」と言っても「なんのこっちゃ?」となると思います笑
ただ、自分の生きづらさ、違和感のあること、もやもやしていることは吐き出した人は多いのではないでしょうか?
そこで、気軽に違和感を吐き出したり、同じような違和感を持っている人同士できがるに繋がって語り合うことができるカフェを行います。

8具体的な事業その4:IKIDU LIVE VOICE

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自分の抱えている違和感に対する手がかりって、webに乗っている一般的な記事やノウハウ系の本を読んでも正直な話「よくわからぬ・・・」となると思うんですよ。むしろ実際に似た境遇にある人の経験談を聞いたり、直接質問してみたりしたほうが自分が実際に参考にできる「生きた知賢」になると僕は思います。そこで、IKIDULABOで生み出される知賢を中心に自分の生きづらさの手がかりを見つけることができるwebメディアをつくります。

9サービス同士の関連性は?

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それぞれのサービス同士でエコシステムが作り出せると僕は考えています。ただ、サービスを受ける、何かを身につけるというサービスの受け手、与え手という関係性ではなく、

時には一緒にサービスの提供者側に回ってみたり、一緒に社会に働きかける「悪だくみ」を一緒に考えられる、そんな関係性がつくりだすことができたらなと思っています。そうやって混ざってわちゃわちゃやっている毎日は、生きづらいって苦しんでしまう毎日ではなく、生きづらさを楽しみながら過ごすことができる日々にかわるんじゃないかなって思います。

10実現される社会:⇄のある社会

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こうしたサービスが世の中に出て広がった先にある社会は、僕は「⇄のある社会」だと思っています。最初の時には当事者と非当事者の間の「⇄」の話をしましたが、それだけではないと思っています。
自分の中での何かを願っている自分とこうあるべきだと縛ってしまう自分の間の「⇄」。身近な人間関係の中でなくなってしまっている「⇄」。いろんな関係性の間が「→」でもなく「←」でもなく「⇄」になるのならば、きっと全部が全部自分の納得のいかない社会だったとしても希望を持ち続けることってできるんじゃないかなって思うんです。今回は相手の願いを優先したけど、次また「⇄」すればいいって。
そうやって、社会の当たり前を問い直せる余地、余白がある社会になればいいなって僕は願っています。

11アンケートご協力のお願い

最後にこうした事業、社会に向けて今実際にプロトタイプを作ったりしています!!それにあたってアンケートを取っているのですが、もしよかったらアンケートの方にお答えいただければめちゃめちゃありがたいです!!
ご協力のほどどうかお願いいたします!!!!!


いただいたサポートは「katharsis」の活動資金として活用することで、誰もが「感性を解き放てる瞬間」を創り出すことに貢献していきます。ご支援のほどどうかよろしくお願いいたします。