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「西軽井沢町」と提案しちゃいがちな人

Good Morning Alps!
おはよう伊那谷。
雨上がりの朝、光も田んぼも緑もきれい。

2024年5月30日 火曜日(だが今日ではない)

半月ほど前、長野県御代田町の町長による「『御代田町の知名度が低いから西軽井沢町に改称したらどうか』という意見を受けた」というツイートを見かけた。

投稿直後、このツイートには御代田町民をはじめとした多くの人から「御代田がいい!」というコメントが続いた。町長も後に、町名改称提案の意見を受けて「寂しい思いをした」と打ち明けた。

ですよね。

よかった、町長さんやみんなの声の通りだと思う。
私は頷きながらも、心をキュッとつかまれた思いがした。

ふだん「誰か(企業・教育機関・自治体など)の魅力や強みに着目し、Webサイトやコピーで表現する」「そして集客数や認知の向上を狙い、長期的な商業的成功を目指す」というスタンスで広告やクライアントワークに携わっている私は、きっと数年前だったら、

「御代田町は御代田町で素敵なネーミングだけど、移住や観光のメインターゲットである東京などの都市部の人にはまだ知名度が低い。軽井沢は立地含めて認知されているし、人気も高いし、町のイメージも定着している。興味喚起のための第一歩として『西軽井沢』を打ち出しましょう。そして西軽井沢で着地した層に対して、軽井沢とは異なる御代田町の魅力をじっくりと訴求していく二段階アプローチが効果的かと思います。」

あるいは

「御代田町という名前は大切に、絶対になくしてはいけないと思うんです。ただ、まだまだ知名度は低いのが現状です。今は『西軽井沢』を前面にしたプロモーションを行い、興味喚起された人に対して、御代田町の魅力を具体的に知ってもらい、『西軽井沢』ではなく御代田町を好きになってもらう、という流れで進めていくのはいかがでしょう。」

なんてだめなことを言っちゃいそうだった。
私は数々の失敗から、心に留めていることがある。

自分ではない誰かのもの、ことのほか歴史や伝統、人々の思いで育ってきた物事の名前には、よそものには感じることができない言霊が宿っている。一般的なマーケットで効果的とされている理屈をあててもきっといいことはない。

改めて身を引き締めた。
そして御代田町も軽井沢もまだ訪れたことはないので、近々行きたいなと思う(長野県はとても広い)。

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