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リレーションがつくる持続可能性

2021年の僕のテーマは「見えるものづくり」(トレーサビリティ)と「つながりをつくる」(リレーション)。
見えるものづくり、についてはこちら。

つながりをつくる (森と暮らしをリレーションする)

元々、森や自然と暮らしはつながっていたし、つくり手と暮らし手もつながっていた。本当は今もつながっている。だけど、その「つながりや関係性」は、どんどん見えづらくなっている。

ものづくりが細分化され、グローバリゼーションが進んだことで、僕らの身の回りの「もの」のほとんどが、どこから来たかわからない。そして、それは使い終わった後、どこにいくのか、についても僕たちはあまりわかっていない。

だけど本当は、ものづくりの向こう側には、たくさんの人がいて、たくさんの自然がある。「もの」の向こう側の物語を見えるようにして、伝えていくのが、「見えるものづくり」(トレーサビリティ)をするということ。
暮らし手が「見えるものづくり」を選ぶようになると、ものづくりの物語がどんどんオープンになってくる。それは、直接的に「責任ある生産」につながっていくことだと思う。

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「途上国から世界に通用するブランドをつくる」というミッションを掲げバッグやアパレルを作っているマザーハウスは、委託生産モデルではなく、現地での直接雇用を生み出す形で、途上国の技術向上と、持続可能な発展を目指している。
マザーハウスは、現地で働く人たちがどんなふうに働いているか情報発信をし続けている。そうやって写真や映像や文章というメディアを通じて、僕らは現地の生活を想像することができる。

プロダクトを通して、世界とつながることで、想像力が生まれる。だからこそ、関係性づくり(リレーション)が大切。
関係していることを体感し、体験していくことが持続可能な社会につながっていく。

自然との関わり方も多様性へ

僕らは、森づくりからものづくりまで、一貫して実践している。だからこそできることがある。
森の今を伝え、木を伐るところを一緒に体感してもらうこともできる。作り手と使い手がもっと近くなっていくようなことをしていきたい。

大きな木を伐倒すると、ドーン!!と大きな音と共に、地面が揺れる。
その時の地響きは、体の内側までやってくる。それは、まるで素晴らしい太鼓の響きを聞いた時の感覚に似ている。
その響きを聞くと、森の生命を感じるし、その体験がとても大切だと思う。

それは、例えば花を詰んだ時に、「お花さんも生きているんだよ。ちぎったらダメだよ」と言われた時に感じた感覚。
それは、例えば初めて、鶏を屠殺する瞬間に手の震える感覚。

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命を感じる瞬間だ。

木が生きていたことを、感じてもらいたいな、と思う。
途上国の人たちの暮らしを想像するように、森の今を想像してもらえるようなものづくりをしていきたい。

持続可能な社会というのは、ある部分が持続可能であるということではなく、全体が持続可能でなければ、それは持続不可能だ。
どこかが被害を受け続ける、どこかが収奪され続ける、というのはいつか破綻する。そして、どちらかというと、今はそっちに向かってる。

自然と暮らしをどうやってつなぎ直していくか。
それは、自然と私たちがどうやって共存していくか、という問いと同じだと思う。

知って、考えて、自分ごとにして、選択を少しずつ変えていく。

ということで2021年は、「見えるものづくり」と「つながりをつくる」を考えていこうと思います。

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