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ザ・マウンテン・バッドガイ

ユーリとロドリゴの兄弟はツキがなかった。
彼らがサン・エルトシティを訪れるのは、今日が初めてだった。
初めて訪れた街で犯罪をするのは、いつものことだった。

「ババア!死にたくなきゃその鞄置いてけ!」
「どこを撃てば一番苦しんで死ぬか、知りたいか?」
こうした街で、周りの人間がどれほど無関心に振る舞うか、熟知していた。

辺りが突然暗くなる。何かが陽光を遮っている。
ユーリは振り返り、
初めはそれを小さな建物だと思った。
次に、トラックか何かだと思った。
最後に、それが人だと気づいた。
そして、壁のしみになった。

ロドリゴは躊躇うことなく撃った。
男に命中し、そして男はしっかりと”痛がった”。だが、そこまでだった。

「こんなチンピラが流れ込むなんて、この街も終わりだねえ。頼れるのはアンタだけだよ、”山”よ」
ロドリゴを淡々と解体する大男に、老婆が話しかける。
「礼はいい。ファックさせろ」
「やっぱりあんたはロクデナシだよ」


(続く)

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