黙示録6

人類滅亡は宿題のついでに

人類を滅ぼすなんて、そう難しいことじゃない。やらないのは、ただやる気がないだけ。

私は違った。

銃乱射も連続殺人も、それで終わり。ヒトの衝動なんて数人殺せば冷めるものだし、種を脅かす大量死なんて彼らの思考の外側。

私は違った。

「例えば、疫病。例えば、ナノボット。隠し玉多数。北半球の1/4を殺せれば、あとはドミノ倒しで覇権種としての人類は5年以内に滅ぶわ」

「で、それを俺に聞かせて、どーしよーって?」
明君が呆れた目で私を見ている。

「協力してほしいの。当然、私の計画はまだ穴だらけ。多分失敗するわ。
でもね、私の”失敗”は多分『数千~数万人を死なせ』『かつ私は捕まらない』という所に落ち着くと思うの。だから貴方は私を止めて、大規模無差別殺人を止める。私は貴方に止めてもらって、欠点を洗って完璧な計画を練る、お互い様でしょう?」

「今すぐ俺が警察に突き出さない理由があるか?」
「簡単よ、貴方は私が好きだもの」

(続く)

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