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日本人の心の焼肉~焼肉奉行の偏見とぼやき~

「焼肉はハーベキューとは違う!」

春の陽気を感じるようになると食べたくなるのは、なんといっても焼肉です。

花より団子なんていうのは昔の話。

花を愛でて肉を食らう。

日本人ならではの娯楽であり、文化であると声を大きくして言いたいのであります。

それを今年はコロナウイルスが日本の文化までも蝕んでいるのです。

コロナウイルスに体ではなく心も蝕まれてはいけません。

外へ出かけて焼肉をしましょう。

そして焼肉はこうあるべきです。

★★熱々の網の上に一片の肉を乗せます。
乗せると同時に一筋の煙が立ち上がり、
一瞬で鼻の奥まで食欲を100%刺激する香りが支配します。
そして肉の表面には肉汁が溢れだします。
ほどよく片面に火が通れば、ひっくり返して、もう一度同じ景色を堪能します。
そして、火が通ったかなという頃合いに素早く取り上げます。
このタイミングが大事なのです。
ステーキでいうなら、レアかミディアム、ウェルダンではダメなのです。
ましてや焦がすなんていうのは、もっての他です。
そしてその肉をサッとタレにつけ熱さを逃がしながらも口の中へ。
これが至福のときです。
そして口の中で肉を味わいながら、おもむろに次の肉を乗せるのです。★★

この一連の流れの連続が焼肉の魅力であり、
美味しく味わう秘訣なのです。

これが素材重視の日本食ゆえの焼肉の食べ方なのです。

しかし、この日本の焼肉を南蛮渡来のバーベキューなどと抜かす不届き者がいます。

断じて肉を食するなら焼肉であって、バーベキューではないのです。

焼きながら食べてほしいという肉の表情を見ながら最高のコンディションで食べるのが焼肉、焼き終えてからただただ肉を食べるのがバーベキューなのです。

あえてバーベキューを肯定するのであれば楽しくワイワイ食べるのが美味しいわけで、それは焼肉との共通点であり、それはそれで良しとしたいのですが、花鳥風月の趣を大事にする日本人であれば焼肉の領域にバーベキューを持ち込む奴がいるのも許せないのです。

それは、焼肉なのにどんどん、どんどん肉を乗せていく奴で、更に食べるベストコンディションを逃してしまった肉をわざわざ配りはじめる奴です。

「それはバーベキューではないか!?」と声を大にして言いたいのであります。

焼きすぎて固くなったり、焦げた肉が次から次からやってくるので、タレの皿の中は冷めた肉がてんこ盛りになってしまい結局それをビールなどで流し込むことになってしまい、肉には大変申し訳なく許しがたい所業なのです。

まさに網の上の、黒船来航、せっかくの日本の焼肉が台無しなのです。

「命をいただく牛、豚、鶏に感謝せよ!」

焼肉はとても美味しいです!その主役は紛れもなく動物たちの肉、そして、それは人間が生きていく上で必要な栄養を摂取する上でも必要な食材です。

人類に恩恵を与えてくれている動物たちに対して
私たち人間は命をいただいているということを忘れてはいけないのです。

だからこそ、美味しく食べてあげるのも日本人ならではの武士の情けなのです。

一昔前までは健康のためのに肉食を控える、あるいは粗食が良いなどという風潮もありましたが、昨今では特に高齢者は肉食が必要と考えられています。

肉食を控え粗食になると、栄養が不足しがちにり、かえって老化を早めてしまうことになると言われているのです。

栄養状態が良し悪しは、その人の血液中のアルブミンという肝臓でつくられるたんぱく質の濃度を測ればわかります。

アルブミンは老化と共に自然と減りますが、近年は偏食やダイエットが原因で、年齢とは関係なくアルブミン不足の人が増えているそうです。

アルブミンの値が低いと免疫力や筋力低下が起こったり、抗生剤などの薬が効きにくくなったり様々な症状が現れます。

アルブミンは健康を保つだけでなく若々しさや長寿にもつながる大切な成分で、このアルブミンの測定は、栄養状態を判断するだけではなく、老化の進行状況をチェックできるのです。

アルブミンの値が高い人ほど長生きしているという結果が出ています。

ということから老化をできるだけ遅らせるためにも、良質な肉を適量摂取する事が大切なのです。

そして、牛、豚、鶏にはそれぞれに人間に必要な栄養素がたくさん含まれているのです。

【牛】
牛肉には鉄分とビタミンB12が豊富に含まれています。

鉄分は血液のヘモグロビン量を増やして全身に酸素を供給する役割を果たします。

ビタミンB12は不足すると赤血球の成熟に
支障をきたし、悪性貧血を招きます。

この二つはどちらも、全身の細胞に栄養分や酸素を運搬し、二酸化炭素や老廃物を運び出す役割を担う血液を健全に維持するのに役立つものです。

また、炭水化物・タンパク質・脂質の三大栄養素の代謝を促進するビタミンB2のほか、味覚や生殖機能を改善する亜鉛なども多く含まれています。

【豚】
豚肉には、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が豊富に含まれています。

ビタミンB1が足りないと、炭水化物を食べた時に、ブドウ糖がエネルギーに変わらず、疲労物質である乳酸として吸収されてしまいます。

ビタミンB1の摂取によって脂質や糖質などのエネルギー源をきちんと代謝してくれるので疲労回復につながるのです。

さらにビタミンB1には神経の働きをよくする作用もあり、イライラ解消にも良いと
いわれています。

【鶏】
鶏肉には皮膚や目の健康を守るビタミンA、炭水化物・タンパク質・脂質の代謝を促進するビタミンB2が多く含まれています。

また皮膚や粘膜の炎症を抑えるナイアシンも豊富で、ビタミンAの働きとともに、皮膚を丈夫にする役割を担っています。

鶏肉は総じて美容によい肉と考えられています。


このように食肉は栄養面においても人間にとって切っても切れない関係にあるのです。

ヒステリックな動物愛護には賛同しかねますが、実際に多くの命が毎日奪われていることは間違いのない真実です。

日本語の「いただきます」「ごちそうさまでした」は世界中の数多の言語の中でも特別な言葉だそうです。

食事のマナーである以前に動物たちに対する感謝の言葉ということを日本人だからこそ忘れてはいけないのです。

いろいろ講釈が長いのは焼肉奉行の悪い癖、早く美味しい焼肉を食べましょう!



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