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『ミュージック・マガジン 2024年9月号』【特集:2010年代J-POPベスト・ソング】参加 + 2010~2019 Best Japanese Tracks 50


『ミュージック・マガジン2024年9月号』特集【2010年代J-POPベスト・ソングス100】企画の選定委員に参加しました。①オリコンシングルチャート50位以内、②Billboard Japan Hot 100チャート50位以内、③YouTube公式チャンネル300万view以上などで設定された基準に基づきいて、25つの曲目録を提出、合算された総合リストからは6位、43位、82位の作品レビューを作成しました。


2010年代の日本大衆音楽を振り返りながら大事に思ったキーワードは「(ポスト-)ボーカロイド」及び「サブカルEDM」です。「(ポスト-)ボカロ」に関しては該当技術の普及がDIY-DAW/DTM文化を広めた同時に、ポスト-インターネット時代の大衆音楽において重要に作用する映像プラットフォームとの結合にも大きな役割を果たし、それこそ独自な「J-Pop」文化としてグローバルに展開されます。また、ずとまよ、YOASOBI、ヨルシカなど(いわゆる「夜行性」)の登場とブレイクは「ボカロらしき」音楽がある程度形態化したことを反証し、(のちのAdoとともに)ネットサブカルがメインストリーム・ポップに浸透した瞬間として記録せねばいけません。

一方、「サブカルEDM」の場合は、具体的にジャパニーズ・ハードコア/フューチャーベースを想定しています。これまたグローバル化した大衆音楽において日本ベースのアーティストがジャパニメーションの記号を音楽を通して再生産し、再びインターネット経由でグローバルに広めるという循環がまた大衆音楽における日本独自の影響力を示す現象だと思います。それもすなわち「J-Pop」という修辞の独自性を意外な面から裏付けているのではないでしょうか。

他にもトラップ及びクラウド・ラップにおけるカリスマの台頭、J-Rockの成熟化、集団的憂鬱の蔓延などについて取り上げてみたかったです。


2010~2019 Best Japanese Track 50

今回の企画の前後に考慮した2010年代の日本大衆音楽トラックを共有します。雑誌で設定された基準とは異なり、実際に提出・合算されたリストとは無関係です。

  • wowaka, 「ローリンガール」 (2010.02.14)

  • 神聖かまってちゃん, 「ロックンロールは鳴り止まないっ」 (2010.03.10)

  • DECO*27, 「モザイクロール」 (2010.07.15)

  • AKB48, 「ヘビーローテーション」 (2010.08.18)

  • ハチ, 「マトリョシカ」 (2010.08.19)

  • DJ Okawari, 「Flower Dance」 (2010.09.29)

  • Perfume, 「ねぇ」 (2010.11.10)

  • μ’s, 「Snow Halation」 (2010.12.22)

  • toe, 「Ordinary Days」 (2011.03.18)

  • 164, 「天ノ弱」 (2011.05.28)

  • きゃりーぱみゅぱみゅ, 「PONPONPON」 (2011.07.20)

  • 黒うさP, 「千本桜」 (2011.09.17)

  • じん, 「カゲロウデイズ」 (2011.09.30)

  • DJ Krush, 「黒い雨」 (2012.02.29)

  • livetune, 「Tell Your World」 (2012.03.12)

  • tofubeats, 「水星」 (2012.06.30)

  • れるりり, 「脳漿炸裂ガール」 (2012.10.19)

  • Neru, 「ロストワンの号哭」 (2013.03.04)

  • KANA-BOON, 「ないものねだり」 (2013.04.24)

  • Linked Horizon, 「紅蓮の弓矢」 (2013.07.10)

  • 椎名もた, 「少女A」 (2013.10.17)

  • 青葉市子, 「いきのこり●ぼくら」 (2013.10.23)

  • KOHH, 「Fuck Swag」 (2014.07.20)

  • Frederic, 「オドループ」 (2014.09.24)

  • ゲスの極み乙女。, 「私以外私じゃないの」 (2015.04.22)

  • UNISON SQUARE GARDEN, 「シュガーソングとビターステップ」 (2015.05.20)

  • sakanaction, 「新宝島」 (2015.09.30)

  • Suchmos, 「STAY TUNE」 (2016.01.13)

  • RADWIMPS, 「前前前世」 (2016.07.25)

  • 星野源, 「恋」 (2016.10.05)

  • MONDO GROSSO, 「ラビリンス」 (2017.04.22)

  • あいみょん, 「愛を伝えたいだとか」 (2017.05.03)

  • JP THE WAVY, 「Cho Wavy De Gomenne Remix」 (2017.06.12)

  • wowaka, 「アンノウン・マザーグース」 (2017.08.22)

  • ハチ, 「砂の惑星」 (2017.08.31)

  • 長谷川白紙, 「砂漠で」 (2017.10.16)

  • DAOKO / 岡村靖幸, 「ステップアップLOVE」 (2017.10.18)

  • Yunomi, 「インドア系ならトラックメイカー」 (2017.10.18)

  • Snail’s House, 「Pixel Galaxy」 (2017.10.23)

  • 米津玄師, 「Lemon」 (2018.02.12)

  • ずっと真夜中でいいのに。, 「秒針を噛む」 (2018.08.30)

  • Reol, 「サイサキ」 (2018.05.16)

  • Tohji, 「Rodeo」 (2018.08.07)

  • 折坂悠太, 「平成」 (2018.10.03)

  • 中村佳穂, 「そのいのち」 (2018.11.07)

  • King Gnu, 「白日」 (2019.02.22)

  • Official髭男dism, 「Pretender」 (2019.05.15)

  • Camellia, 「Nacreous Snowmelt」 (2019.11.01)

  • YOASOBI, 「夜に駆ける」 (2019.11.16)

  • 藤井風, 「何なんw」 (2019.11.18)

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