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ANA cargo 外山社長「経済の血流である”物流”を守る」

ANAグループの貨物事業を担う「ANA Cargo」。コロナ禍にあっても売上が増えるなど好調な状態が続いています。総務課の木之上みのりが外山俊明社長に今後の戦略などについて聞きました。

外山社長は1990年に全日空に入社。貨物本部マーケティング部部長や貨物事業室副事業室長などを経て2016年からANA Cargoの社長を務めています。

木之上 「新型コロナウイルス感染拡大による貨物事業の状況、ANA Cargoとしての対応策をお聞かせいただけますでしょうか」

外山 「実はこのコロナ禍というのは、貨物事業におきましては大きな商機になっております。残念ながら旅客機はどんどん運休したわけですけれども、その一方で貨物の需要は逆に増えております。コロナ禍が始まった直後にはいわゆるPPEと言われるマスクですとか防護服、酸素吸入機の輸送が多く動きました。そして落ち着いてくるとステイホーム・巣ごもり需要で、家で仕事をするためのPC、プリンターそしてゲーム機器などが動きました。
平時ではだいたい売上の比率がグループ全体の10%ぐらいだったのが、その何倍にもなっているというようなことで、今はとにかくそのグループの収入を支えていく、そのような状況になってるので頑張っているところです」

木之上 「ANAはコロナ禍で感染対策の要となったワクチンの輸送を担いました。温度管理やセキュリティなど厳しい管理が求められましたが、どのように対応されたのですか?」

外山 「ワクチンあるいは医薬品が動くだろうというようなことで私共医薬品の専門のマーケティングチームがいるんですがマーケットリサーチを積極的に行っていただきました。冷下70度で輸送しなきゃいけないってことでいろんな工夫をしてまいりました。
あるいは不測の事態に備えていろんなバックアップを講じてまいりましたが幸いにもここまで全く事故なく輸送ができております。コロナの収束を祈りながら緊張して命を守る輸送、こういうものにしっかりと最後までやり遂げたいなというふうに思っています」

木之上 「減便の中でも物流を守ため旅客機の座席を貨物に使用するなどして対応してきました」

外山 「物流というこの仕事の意味ですね、経済の血流というんでしょうか。これが物流だとすればしっかりとそれを守っていかなきゃいけない。社会が回らなくなると思っています。これを運ばなければその先にいらっしゃる患者の方々あるいは健康を守れない、そういう思いで仕事をしております」

木之上 「アフターコロナを見据えた今後の戦略をお聞かせください」

外山 「このコロナ禍は必ず収束いたしますので、その時にはまたこの貨物の業界にもですね、必ず競争状態が戻ってくるというふうに覚悟しております。したがいましてその時に向けてしっかりと技を磨き、そしてもちろんコストも落とし、コロナ禍が終わっても荷主の皆様あるいは物流事業者の皆様の指名を受けられるようにしっかりと努力をしていきたいというふうに思っております」