『夢現』

この病室で、何度同じ季節を過ごしただろう。

未来に、期待を抱きながら、

「退院」したら、これをしようと言う僕に、

「いつか、ね」と君は言うようになった。

小さな、小さな距離感。

見過ごすことも出来るけど、君はどうしたい?

眠るとき、彼女はいつも言う。

「夢の中は楽しいの。何でも出来るから」

なんだそれ、夢に期待するな。

君が楽しむのは僕といる現実だよ。


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