『淡始』

今日は、朝から一度も目が合っていない。

誰も気づいてないと思うが、俺達には分かる。

書類を渡し、電話を取次ぎ、チャットでは

普通に会話をしても、その表情は分からない。

昨夜、隣にいる同僚と夜を共にしてしまった。

勢いと言えばそれまでだが、嫌じゃなく、

むしろお互いこうなって良かったと思えた。

いや、俺の勘違いか?どうしたらいんだよ。

「今日、二人でランチ行かない?」

照れながら笑う彼女と、初めて目が合った。


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