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【連載小説:ロマンス・ファンタジー小説(オマージュ)】あなただけ見つめている……。 第二部 次代の姫 第十七話 未来の行く末

前話

「はぁ~。日本だ~。吉野家だ~」
 姫夏を当騎にあずけ、幼児の重さからも解放されて步夢はソファにダイブする。
「あーもふもふ」
 触り心地いいソファをなでなでして步夢はいう。今頃、エリスは王家のロマンスに当てられながらウェディングドレスを作っていることだろう。国王の結婚を認める旨の書類を書いた後、立ち会えとでもいわれそうなのでそっこーで帰ってきた。
「ぴぎぴぎ!」
 大分大きくなった千輝が一緒にソファにのる。
「あら。ちきちゃん。大きくなったのね。偉いわねー」
 撫でていると当騎からずり落ちて降りてきた姫夏が歩いてくる。
「ままー。だっっこー」
「パパやばぁば達じゃないの?」
「あい。ままがいいいい」
 姫夏もなにやら突然会話力が増してきた。海外に行っただけで増えるものだろうか?
「当騎ー。抱っこひも貸してー」
「もってこいだろうが。ほれ、さっき取ってきた」
「ありがとー。ひめちゃん。ちょっと待ってね」
 ごそごそと抱っこひもをつけて姫夏を抱っこする。そのまま立って、子守歌を歌う。海外から帰ってきて姫夏も疲れているはずだ。寝た方がいい。
「ひーちゃん。ねんねしない。ちーのさんぽ」
「ああ。それで抱っこなのね。ママがちきちゃんのハーネスを持つから。じゃ、パパ、散歩行きましょ。荷ほどきは後でいいわ」
 しっかり尻に敷いている。将来が怖い。
「そういえば、おじいちゃんは?」
 步夢の後見人となったのにいない。
「吉野神社よってくるって」
「そうなの? 暖」
 意外と暖が今世は一の長老と仲がいい。ほったらかしだったからその間何があったかわからない。とにかく。嫁探しで大変だったのだ。
「陛下ー」
「ししょー。仕事は?」
「そんなもの、リモートでできます。大事なのは陛下の御身です」
「え?」
 当騎と步夢は顔を見合わせる。
「何かあるの?」
「此の地におられる間はお供すると誓っただけです。結婚式には戻りますから」
「って。ししょーからいってもらわないとあの書類」
「とっくにしてきました。他の高僧達が会えなくて悔しがってました。もう一度行きませんか?」
 ししょーが魅惑の笑みで誘うが、步夢は冗談めかすことなく真剣に無理、という。
「おじいちゃんから大事なお話を受けると思うわ」
「彼の地か?」
 当騎が聞く。
「そうじゃないと思う。姫夏についてだと思うわ」
「ひめに?」
「そう。さ。そろそろ地面の温度も下がってるわ。ちきちゃんー。行くわよー」
 千輝がハーネスをくわえて持ってくる。
「偉いわねー。ちゃんとわかってるのね。当騎。う○ち袋持って行って」
「あいよ」
 いつもの步夢に戻って当騎もそれように対応する。ししょーは步夢の中に覚悟を見いだしていた。今、陛下には懸案事項があるのですね。待ちましょう。すべての終わりを。
 そう思って、吉野家の女王の樹を見に行く。千輝の散歩もいいが、家族の時間を邪魔するわけにはいかない。そう思ってると姫夏がししょーと叫んでいる。あわてて、戻ると姫夏が步夢に怒っていた。
「へ、陛下? これは」
「ししょーを蹴散らかしたのがひめちゃんが気に入らないんですって。散歩に付き合ってくれる?」
「もちろん! 姫夏さま。ししょーも行きますからママの事大事にしてください」
「だいじってなに?」
「ママの腕の中でわがまま言ったりじたばたしないことだよ」
 当騎がいう。
「わがまましてない!」
「ししょーは見たいものがあって場所を離れたんだ。それを姫夏はじゃましたんだぞ」
 当騎が叱る。
「まま。いじわるした」
「意地悪ではないんですよ。姫夏様と步夢様の時間を大切にしたかったのです。はい。ししょーが姫夏様を抱っこしましょう」
「ししょー」
 抱っこひもと姫夏を受け取ってししょーは泣いている姫夏をあやす。そこで、歌った子守歌に歌詞が付いていた。
「それ! パルヴァールの子守歌だったの?」
「え?」
「姫夏はその子守歌が大好きなの。でも私は歌詞を覚えていなくて。やはり。彼の地と近い空間ね」
「そうでしたか。それでも姫夏様は元気いっぱいみたいですね。散歩に行きましょう」
「そうね。ちきちゃーん。行くわよ」
「ぴぎ!」
「おっと」
 引っ張られて躓きそうになった步夢を当騎が助ける。
「当騎!」
「あとでちゃんと姫夏の育て方を話ししよう」
「ありがとう。当騎! 大好きよ」
「俺も」
「ぴぎ!」
 千輝がハーネスを引っ張る。
「はいはい。じゃ、行ってきまーす」
 疲れてても我が子の面倒を見る步夢に成長ぶりを沙夜は見ていた。一行がでると緋影にぽつ、という。
「步夢はいつ見てもすごいですね」
「そうだな。優しすぎる」
 緋影が答える。
「鬼の部分はばぁばが引き受けますから。あの子に課せられた運命が軽くなるのを祈ります」
「母様」
 優衣が涙ぐんでいる。みな、なにかあるというのを確信していた。それは永遠の別れか、一時の事なのか。まだまだ未来は見えてこなかった。


あとがき
ダウン寸前です。昼の薬を忘れた日があってよけいおねむの状態です。金魚に気を取られすぎて金魚はえあ食い。画像をあげようにも映像加工のソフトがない。あとで探しに行きます。近くに私がいることが問題らしい。餌をくれる人がいると餌くれダンスの果てにエア食いが生じるらしい。コリはコリでひげ藻喰いの子がコリの小さい子を追いかけ回す。はー。頭痛い。混泳は難しい。と魚の話でしたが、やっとましになりました。イラスト弄っててやっと念願のイラストが。最初のやつはかなり変になり新しく作り直しました。ひめがどうしても二歳の赤ちゃんにならない。とりあえず、これだけアップします。あとは、復活次第。寝れないのであと一時間は。(魚の餌を怠ったせい)

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