第二十一回 Gt ヒロト|ヒロトの秘密基地 「ワウペダル(後編)」

前回は、僕のキャリアにおいてずっと変わらずに相棒で居続けているワウペダルの基本的なこと、概要をお話ししてきました。
今回はワウペダルのテキストとしてぴったりな『FANTASY』を題材にして、この曲のこと、ギターのことを種明かししていきましょう。

また、今回はみなさまからいただいた質問へのお返事や秘密基地のアイドル、モグのおまけ動画とボリューム満点でお届けします!

おまけ
<Sample>
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先ず、自分の相棒のようなワウペダルを、僕はどんな時に使うのかということから解説していきます。

ワウペダルは、感情をブーストさせたい時に使うことが多いんですね。
例えばライブだと、ライブの最中に突然
「ここは叫びたい!」と感情が昂ぶる時があるんです。

そんなときに、ヴォーカリストだったら
「オラッ!」とかシャウトしてオーディエンスを言葉で煽っていけばいいと思うんですけど、自分はヴォーカリストでも言葉を操る人でもない。

自分はギターなんで、そんな時こそこのワウペダルを使ってギターで叫んでいます。
僕のことをライブでよく観てくれてる人なら、きっと
「ああー、あの時ね」って分かるんじゃないかな。

例えば、最近のツアー<革命開花 ep1.-絶対“黑”領域->では、あのなかで『開戦前夜』を演ったんですけど。
その直前に“ドコドッ、バーン”って楽器隊が煽るんですね。そこの“バーン”の後にワウペダルを踏んでますね。
それでは、そこを再現してみましょう。

これは僕の叫びであると同時に、ここではバンドとして音でうねりをあげる役目も担ってます。
自分はそういう時にワウをよく使いますね。

あとはその他にライブの最後、フィニッシュする曲締めのところで、例えばアッパーな曲で終わったとすると、
 “ダカダン、ジャーン”のあとにヴォーカルが「みんなありがとう」とか言ってるなかで、こんな感じのものを入れたりしてます。

これは僕的には
「ありがとう」とヴォーカルと一緒になって叫んでる感じなんですね。

そして、レコーディングでは曲中にワウを使ったものをフレーズとして使って表現しているパートがあります。
その分かりやすい代表例として、ここでは『FANTASY』のソロを弾いてみますね。

これ、実は音源ではワウを使っていないんです。
音源では別の方法を使って自分の叫びを音にしたんですよ。
でも、それが録音芸術の世界で、ライブだとどうやってもその音にならなかった んです。

似たような音は出ても、レコーディングとライブではマイクも違えば場所も違うので、どんなに頑張っても同じ音が出ないというのは良くあることなんですね。
それで『FANTASY』の場合は似たような音が出ても、自分の感情がバーストするまでには至らなかったので、じゃあその熱量と質量に代わるものということで、ライブではワウを踏むことにしたんです。

だから、ライブテイクを聴いてもらうと『FANTASY』のソロは昔から僕はワウを踏んでるんです。
たとえ音源とライブで音が違っていても、そこに内包されている熱量や感情がちゃんと変換できてればそれでいいんです。

そういう意味で、音源とライブテイクで『FANTASY』のソロはその表現が違っていても、自分的にはそこに込めた熱量とか感情は同じベクトルのことをやってます。

そして、ライブではワウペダルを使うことで、その時感じた感覚をより音に表現できるので、ワウを使っているんですけど。
先ずはここで『FANTASY』のソロの最後を、何もエフェクターを使わないで弾いてみますね。

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