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【特養、有料】私だったらこういう介護施設を作る【壮大なる妄想】

こんにちわ、アルゴです。
😅また長い記事を書いてしまいました…。

皆さんも介護の仕事をしていて、
「こういう事業所だったら良いな」
・・・と思う事は多々あるかと思います。

今日は20年介護業界で働いてきた私が、今までの現場介護職や管理職の体験をもとに、自分が思いえがく理想の介護施設というものを語ってみたいと思います。

しかしこれは単なる理想にとどまらず、将来的には介護施設を経営したいという気持ちもありますので、具体的に書いていきますね。

本当はこれ、いずれ出す予定の書籍(今も執筆中)に含めようかとも思ったのですが、いつになるか分かりませんので、とりえあずnoteで思うまま書いてみようと思いました。


① 施設形態は?特養?有料?


私が一番長く働いたのは、『特養』と『デイサービス』で、あわせて15年以上所属しています。

逆に有料とかサ高住は所属する法人が運営している事はありましたが、あまり詳しくありません。訪問系は小規模多機能、看護小規模多機能を経験しており、その中でゆるい訪問が発生するくらいです。

なので基本、熟知している『特養』を建てるのではないかと思います。


② 介護保険収入1本に頼らない


とはいっても、介護保険だけの収入ではこの先やっていけない事が目に見えています。これは以前の記事でも話していますね。↓↓↓

介護保険はいずれ崩壊する・・・・というよりも、もう崩壊しています。

世間は物価上昇し、一般企業の給料はそれに追いつかないまでも何とか上昇しています。

でも、介護保険報酬は世間の状況に関係がないのです。物価が上がっているから報酬を上げるとかそういう事ではなく、むしろ国の予算が切迫しているから今後も上がることは期待できないでしょう。

だからといって私たちは、全部を国のせいにしているのはどうかと思います。やはり、経営がうまくいっている施設もたくさんありますし、それは経営者の手腕だと思います。


なので、介護保険1本に頼らず、多角的にサービスを行えれば、法律改正や世の中の情勢に影響を受けない強みを作ることができます。

私が今経営している事業も、物価にあわせて料金を上げたりしていますしね。


たとえば通院の付き添いなどについて。

特養によって、入居者の通院付き添いは看護師が相談員がやっていたりしますが、基本的には身寄りのない方を除いて、家族に対応してもらうというのが望ましく、それを基本としている施設がほとんどではないでしょうか。

家族に対応している場合は介護タクシーなどを利用してもらうと思いますが、この部分を法人・施設サービスとして付帯的に運営すればよいのです。

介護タクシーだとすると、第二種免許や登録も必要となってきて、それに対する人員を必要としますが、付き添いまで含めた送迎では第二種免許は必要ありません。

これ、白タクだとかいう人がいますが、現状、看護師とか相談員が送迎しているんですよ。笑

<参照記事>

まぁ、送迎だけでお金とったらたしかにアウトであることは間違いないですが、『特養の入居者』という特性を考えるとほとんどの場合、付き添いまでセットでやってもらいたいという気持ちがあると思います。

看護師や相談員がそんな事を無料でやるべきことではないのです。通院付き添いで料金をとることは介護保険では例外を除いてできないので、これを介護保険外のサービスでやっていきます。

施設の場合、ほとんどは往診だと思いますし、それ専属の職員も必要ないのではないかと思います。


通院だけでなく、遠くまで外出したいという個別の要望があれば、それを保険外サービスにしていく事も考えられます。

法人・施設が行う保険外サービスは他にもいろいろ考えれば思いつきます。
美容師免許をもったスタッフなどがいたら、理髪をその方に頼んでも良いかもしれません。
専属スタッフにするか否かとかでも柔軟に対応を考えられます。幾分かをそのスタッフの報酬にするとか…。


このように、
介護保険ではやってはいけない事 
      = 
法人・施設がやってはいけない事

  ・・・というわけではないのです!!

私たちはボランティアではないので、必要な方に必要なサービスを提供してお金をもらうということは、何も悪いことではありません。


現在の法律では、原則特養を建てるのは社会福祉法人に限定されています。これが株式会社とかだったらもっと資金調達や運用など、運営の仕方に自由が効くのに・・・と思いますね。

だからといって、有料やサ高住を運営したいかと考えると、そうもなりません。
医療と介護のバランス、収益の安定性を考えると、やはり特養を選びます。


③ スタッフが心地よく働ける環境を作る


まず、ここだと思います!

ただ、これ、経営者なら誰でもそう考えていることではないでしょうか?

でも、できない…。
それは経営に困っていて、福利厚生にお金を割けないからです。

なので余計に、前項でお話したような介護保険以外の収入で、付加価値を得ていくかが大切かと思います。


③−1 スタッフの休憩室を作る


一番私が重視したいのは、きちんとしたスタッフの休憩室を作ることです。

私は今まで研修や法人内異動・部署異動も含めると20施設くらいで働きましたが、まともな休憩室が確保されていた施設はまれです。

ほとんどの場合、せまーい更衣室が休憩室代わりになっていたり、職員食堂で休んでいたりもします。

なんなら職員食堂もなく、ご利用者がいるフロアに衝立(ついたて)を設け、その後ろでコール対応をしながら昼食をとっている施設もあります。

また、トイレや洗面所もスタッフ専用のものがなく、共用で使っている場合もざらです。


そんな状態で、スタッフが気持ちよく働けるわけがありません。

スタッフの休憩室を設けていない施設は、建物の設計の段階からスタッフへの配慮を考えていなかったということです。

逆に休憩室がしっかりあった施設の例をあげると、

夜勤専用の仮眠室や男女に分かれた休憩室、スタッフ専用の食堂などが完備されていました。仮眠室や休憩室内にはマッサージチェアやシンク、コンロなどの他、誰でも無料で飲めるお茶やインスタントコーヒーとポットが用意されていました⭐

また、設計の段階で考えられていたのか、休憩室は男女それぞれの更衣室の近くにあり、ご利用者の生活の場から離れた場所にありました。

やはり休憩をしっかりとれる施設は、仕事も気持ちよくできます😃


③−2 スタッフにあわせた柔軟な勤務体制を作る


入居施設のシフトで切っても切り離せないのが、『夜勤』です。

夜勤をやりたい人、やりたくない人・・・それぞれかと思いますが、
8時間夜勤(ショート)か16時間夜勤(ロング)かでも、どちらが良いかで分かれます。

私はもうどちらもやりたくないですが、身体がラクなのはショートでしたね。40代過ぎてロングなんてもう耐えられませんよ😅。

ただ、ここは『変形労働制』を採用すれば、もうちょっと柔軟にすることもできると思うんです。

たとえば、月4回夜勤をすると決まっているとします。

その1回の夜勤の時間を、『10時間』とするとします。10時間の場合では、16時間のように2日ぶんにすることはできません。ただ、これはこれでメリットもあります。

労働基準法では、8時間✕5日で週40時間となっていますが、1回の夜勤で10時間働いたスタッフが月4回夜勤をすると、2時間✕4回で計8時間ぶんが月に浮くことになります。

変形労働制だと、それによって、月に公休を1日増やすこともできます。

労働者にとっては、
「16時間はイヤだけど、月の公休が1日増えるなら10時間で良いな😃」
と思っている人もけっこういると思うんですよね。

逆に日勤でも10時間労働の人などを組み合わせれば、柔軟な勤務でスタッフにあわせた働きやすい職場ができると思います。

私が務めた施設では8か16しか選択できませんでしたし、そもそも選択する権利すらない場合もありました。
しかしこれからの時代、ますます人手が確保できなくなる中で、スタッフの希望に応じた柔軟な勤務体制を作ることは必要不可欠です。


③−3 学生アルバイトを積極的に採用


人手不足の中、わざわざ外国人を受け入れるような体制をつくるのに、なぜもっと身近で将来有望な人的資源を活用しないんでしょうか?

それは高校生や大学生のアルバイトです。

基本的に扱いは、アルバイト=パートなので、パートタイマーのおばちゃんと変わりません。

でも、実際働いている学生さん、ほとんど見ませんよね。

介護の専門学校で施設実習に来た子が、実習を終えた後も短期間働く場合はありましたが、普通の高校生や大学生も働いてい良いと思うんですよ。

マックやセブンイレブンで働くよりも、よっぽど技術も身につきますしね。


ただ、彼らは介護の資格を持っていないでしょうし、身内の介護をした事のないかいぎり未経験ではあると思います。

ただ、最初は誰でも未経験ですし、私自身も資格なんて働いてからとりました。ちゃんとした先輩がいたり、施設のマニュアル化や教育制度が整っていればよいのです。

2024年から労働者の認知症介護基礎研修が義務化されていますが、数時間で終わりますし、eラーニングなら150分で済むそうです。
なんなら施設側が費用を負担してあげても、将来の投資と思えば大したことないんじゃないですか?

高校生や大学生が介護の仕事に興味をもち、そこから介護士が増えたり、その施設で将来働いてくれれば施設にとって良いことばかりです。


④ ユニットケアは採用しないが、個室は作る


新しく建設される特養は、もうほとんどがユニット型特養です。
ですが、従来型が建設されないかというとそんな事もありません。併用されているところもあります。

ユニット型は基本個室なので、料金が高いです。これは介護保険で決められている単位なので、施設にとっては収入が増えて良いですが、ご利用者にとってはユニット型が高すぎて入居できないという事もあります。
あと、生活保護の場合、ユニットに入所しづらいという点もありますね。

かといって、ユニット型特養は作りたいとは思いません。
それは、私自身がユニットケアにあまり肯定的でないからです。

<参照記事>

詳しくは↑の記事で書いていますので省きますが、作るなら従来型かなと思います。

従来型の場合はほとんどが多床室であり、料金は安いです。

しかし令和の世の中、ほとんどのご利用者がプライバシーに配慮した個室を求めます。今のお年寄りはスマホとか普通に使いますし、赤の他人とワイワイ同じ部屋で寝るということを好む人は少ないでしょう。


また、従来型の感染拡大リスクはすざましいものがあります。

私も従来型で働いていた時、施設内でノロウイルスやインフルエンザが何度も蔓延しました。

ユニット型だから・・・個室だから感染が広がらないといえばそんな事はもちろんありませんが、封鎖、隔離などの面で、従来型の多床室は困難が多すぎるのです。

古い介護施設は部屋だけでなく、トイレもデパートなどのような仕切りやカーテンだけのような共同トイレになっています。特養だけでなく病院などもありますね。

数十年前、多床室や共同トイレなどのようなものをたくさん作られたのは時代が時代ということもありますが、感染予防という考えも無かったのでしょう。


ユニット型を採用するのは割けますが、感染拡大やプライバシー確保の観点から多床室や共同トイレというものはゼッタイに作りません。

御夫婦での入所などもある可能性に備え、せいぜい2人部屋くらいでしょうか。

個室=ユニットケア というわけではないのです。


⑤ ショートステイは作らない


事業所側からみたショートステイのメリットはいろいろあります。

第一に、回転率を上げることで、本入所よりも収入が増すことです。
よく、「ショートで稼ぐ」なんて言いませんか??

たとえば、1号室のAさんが午前退所して、同じ1号室にBさんが午後入所する感じで、同じ日にダブルで収入が得られるのです。これを何部屋もして、
「(●`ε´●)めざせ稼働率120%!!」
・・・なんてホーム長からよく言われてました。

メリットの第二に、ショートステイで泊まっていて様子がわかって介護のしやすいご利用者を本入所につなげるなどもできます。
知らない人が本入所してくるよりもはるかに良いですからね。


ただ、ショートステイはデメリットのほうが多い気がします。

ショートステイってお客様にとっては使いたい時だけ泊まりの利用ができる便利なサービスなんですけど、管理する側としてはめちゃくちゃ手間なんですよね。

入退所のたびに送迎、荷物チェック、シーツ交換と清掃、健康チェックなど様々で、本入所の方の頻度に比べたらはるかに大変です。

さらに空きベッドが出たりすると、本入所よりも収入が減るんですよ。埋めること、稼働率を上げることが前提になっているので、相談員の腕にも影響します。

夜勤も大変です。基本的に1人で見るので、介護が大変な人が何人もくると、それだけでげんなりします。大変な人は本入所にいてももちろん大変ですが、対応が慣れてくることと、服薬や日中の活動など医療的な管理がしやすく、いろいろケアの試行錯誤がしやすいのです。


新しく新設される特養などでは、ショートステイがない事業所も多くなってきました。

ショートステイのニーズは、ショート専門のような事業所にまかせれば良いのでは…?と思います。


もっと書きたいことはあるけれど


今回のような妄想を一つの記事に書き出すと、キリがなくなってしまい、冒頭に話したように書籍にするしかないんですよね。

IT化、教育制度、マニュアル化、役職とか。
書いても書ききれません。

日本の介護の問題について論じた本を今年頭から執筆中なのですが、来年〜再来年中にはKindleで発売したいと考えてます。

それまで、時間があれば、また妄想を書きたいと思います。

それではまた。



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アルゴ@介護福祉士(フリー)
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