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通信波長での量子もつれの実証 次世代量子インターネットへの第一歩


2024年8月、マイクロソフトとPhotonic社が共同で行った量子ネットワーキングと量子コンピューティングに関する最新の研究が注目を集めています。両社は、通信波長での量子もつれを実証し、物理的に分離された量子ビット間での量子情報転送を成功させました。この成果は、将来の量子インターネットと分散型量子コンピューティングの基盤となる長距離量子通信の可能性を大きく前進させるものです。

量子コンピューティングにおける量子ビット(キュービット)間の量子もつれは、スケーラブルな量子システムを構築するために不可欠な要素です。今回の実証実験では、既存の通信インフラを活用し、フォトン(光子)を用いて、長距離にわたる量子ビット間のもつれ状態を実現しました。これにより、今後の量子ネットワーキングの発展がますます期待されています。



Photonic社の創設者兼量子主任責任者であるステファニー・シモンズ博士は、この成果について「このマイルストーンは、量子コンピューティングの可能性を従来の孤立したシステムの枠を超えて拡大するものです。大規模な量子アルゴリズムの実行には、広範な分散型もつれが必要です。今回の実証は、我々の独自のアーキテクチャが、この課題に対応できることを示しています」と述べています。

この技術は、量子情報の安全かつ高速な伝送を可能にするだけでなく、将来的には量子インターネットの基盤技術となり得るものです。既存の通信ネットワークと統合することで、広範囲にわたる地理的範囲での量子ネットワークの実現が視野に入ってきており、これにより次世代の量子技術が社会に与える影響はさらに大きくなるでしょう。

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