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人魚飼いのアイキ

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#男子高生

人魚飼いのアイキ(5)

人魚飼いのアイキ(5)



 とりあえず、”2人だけの秘密”というということで、しばらくの間、マーリン…、あっ、マーちゃんも、隠れるのが上手で、僕以外の人が来てる時は、全く、姿を見せなかったんだ。

 だけど、僕が、1人だけになると、よく、プールから現れて、僕に会いにきてくれる…。

「うふふ、アイキ、今日は、わたしのペンダント、見せてあげる。」

「へぇ…、この六角形の星型のが、”それ”なのか…。 キレイだなぁ。」 マ

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人魚飼いのアイキ(4)

人魚飼いのアイキ(4)



 そして、体育館の方を裏に回り、そこにプールがあるので、一旦、人魚を助けるために、プールに放すことにした。

 …すると、人魚は、みるみる意識を取り戻して、僕に声をかけてきたのだった。

「…ありがとう、助けてくれて。」 僕は、少し、人魚と話をすることに決めた。

 スマホを取り出して、”テキトーな言い訳”を考えて、一時間目だけ、授業をサボり、僕は、人魚を見つめながら、僕の名前(本名は、”村部

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人魚飼いのアイキ(3)

人魚飼いのアイキ(3)



 …勿論、周りからは、「何だ、こいつは…?」という目つきで見られてしまった…。

 しかし、普通の人間だろうが、そうでなかろうが、助けなきゃ…、という気持ちは、やはりある訳で…。

 とにかく、周りからの白い目を気にしている場合ではなかった、今の僕は。

 「この人魚を助けたい」という一心で、高校へと入っていき、人魚にとって、安心して過ごせる所だったら、”水がある場所”…。

 「そうだ、”あ

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