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「さよならのつづき」に全くハマれなかった3つの理由

Netflixオリジナルドラマ

この単語だけで期待値は自然と高まってしまう。

テレビドラマの規制の枠を超えて、おそらく予算も潤沢なNetflixのドラマに僕は何度も感動してきた。

最初に衝撃を受けたのは『First Love 初恋』。
ストーリーはもちろんのこと、サウンド、映像、セリフのどこを切り取っても素晴らしくて、この作品を超えるものは今後出ないんじゃないかと本気で思った。

そしてその後も、『サンクチュアリ 聖域』や『地面師たち』ではストーリーの面白さに引き込まれた。

そうして迎えた本作『さよならのつづき』だったからこそ、期待値が高まるのは仕方がない。

それに加えて主演が坂口健太郎と有村架純だ。
おまけに主題歌が米津玄師ときている。

Netflixの本気度が伝わってくるし、『First Love 初恋』と同じような雰囲気を味わえるのではないかと予告編から期待もした。

ところがどっこい、これが全然ハマれなかったのである。

Netflixオリジナルドラマといえば、映像が映画並みに綺麗な点が特徴の1つだと思う。

本作についても、舞台となる北海道やハワイの美しさがそのまま伝わってくるように感じた。

でも、それだけだった。

ここから先は具体的になぜハマれなかったのか、僕なりの考えを書いていきたい。

ハマれなかった理由

①なんでもかんでも心臓のせいにしすぎ

これが全てと言っても過言ではない。

心臓の移植がなければ本作は始まらないから仕方がないのかもしれないが、ちょっとなんでもかんでも心臓のせいにしすぎではないだろうか。

本作では成瀬(坂口健太郎)の妻・ミキ(中村ゆり)が、移植後の成瀬の変化に序盤から気づく。

そして成瀬とさえ子(有村架純)が惹かれあっていることにも気づいているのだが、どちらも悪びれる様子がないのだ。

さえ子は「そこに雄介(生田斗真)の心臓があるから」の一点張りだし、成瀬も「雄介が会いたがっている」のような言葉で自分たちの行動を正当化する。

一番かわいそうなのは間違いなくミキだろう。

せっかく夫が元気になってこれから!というときに、夫はほかの女性が気になっている。

そして相手の女性も、「私会うことをやめませんから!」と堂々とミキに言ってしまう始末だ。

これがただの不倫だったら、夫と不倫女性が100%悪いになる。

でも不倫女性の愛した男の心臓が移植されているという状態だとしたら、どうだろう?

これって誰が悪いの?とミキも思うだろうし、視聴者も同じように煮え切らない感じになってしまうのだ。

いや、本作のテーマが「誰が悪いのこれ」なのかもしれないが、視聴者を納得させるほどのものを見せてもらえなかったのが正直なところだ。

賛否を作っても良いから、

・成瀬がミキと生きる道をはっきり選ぶ
・成瀬がミキと別れてさえ子と生きる道を選ぶ

のどちらかの答えを出して欲しかった。

②さえ子の性格が好きになれない

まず雄介が亡くなってしまってから日が浅いのに、成瀬が気になるのは早すぎやしないだろうか。

雄介の心臓があるから、雄介の性格に(移植もあって)似ているから、という理由もわかるが納得はできない。

僕がさえ子の立場だったら、「雄介は雄介、成瀬は成瀬。移植をしても二人は別」と無理やりにでも思い込んで、一線は超えないようにすると思う。

さえ子にしても、そういう葛藤があっても良いはずなのだ。

でもそういう葛藤を見せるわけでもなく、すんなりと成瀬のことが気になってしまっているように見える。

それに加えて、ミキに対して悪びれる様子がないところも好きになれない。

どんな理由であれ、外野から見れば成瀬とさえ子は不倫の関係だ。

それでも「私が惹かれるのはしょうがない!」と思うような素振りを出してしまうのは、どうかと思ってしまう。

名作な恋愛ドラマほど、「この二人が結ばれてよかった。というかこの二人しか考えられない」と視聴者に思わせるのがうまい。

でも本作においては、成瀬とミキがおとなしく愛し合っていて欲しいという気持ちのほうが勝ってしまった。

③周りとの人間関係が生きていない

本作では脇役として、雄介の親友の健吾やハワイでコーヒーを栽培しているヒロが出てくる。

そのほかにもさえ子の職場の同僚、ミキの両親なども所々で出てくるが、主人公と化学反応が起きないなぁと思った。

化学反応とはすなわち、関わることで主人公たちの気持ちに変化が起きないということだ。

これもさえ子の自分の気持ちに正直に生きる部分ゆえかもしれないが、健吾やヒロが「雄介は雄介であって、成瀬は違う!」というのをもっと見せてもよかったと思う。

その結果、さえ子も悩んで、でも惹かれてしまって……。
なら良いのだが、何度も伝えているように僕にはそういう葛藤は見えなかった。

成瀬側も、ミキの両親との関係を深掘りする箇所があったり、ミキ以外の成瀬の理解者を出したりしても良かったのではないだろうか。

『First Love 初恋』ではそういう化学反応があらゆる箇所で見られたので、本作でも同じようなことを期待してしまったのではないかもしれない。

期待をしすぎたのかもしれない

先に書いたように、僕は本作を本当に楽しみにしていた。

良い意味で予想を裏切るような展開がNetflixドラマは多いから、今回もそういうものを見せてくれると思っていた。

が、今回は悪い意味で予想を裏切られてしまった気がした。

どんなオチなら納得できたのだろうか。

たとえば成瀬がミキともっと向き合うシーンを見せてくれたら、変わったかもしれないと思う。

成瀬の葛藤をもっと見せて欲しかったなぁと。

YouTubeやFilmarksのコメント欄を見ると、本当に賛否両論といった感じ。

寒い季節になったので、もう一度『First Love 初恋』でも観るかなぁ。

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