ビタミンCについて①

先日、長女が熱で寝込みました。僕が別の病院で当直をしていたときでした。家内の実家で過ごしていた夜に、家内が、氷枕的な保冷剤みたいなものを交換していたそうです。
翌朝、「なにこれ~」と叫び声が聞こえたそうで、家内の母が「どうしたん?」と聞くと、氷枕だったはずのものが、赤い塊に・・・慌てて娘の頭も確認したようですが、出血はない。



家内が夜、暗い中、冷凍庫から取り出して長女の頭の下に置いたものは、、、


冷凍していたタン(もちろん真空パック)


でした。

そのあと、長女の頭が解凍したタンをみんなで美味しくいただきました。

さて、本日は、最近よく質問されるビタミンCについてお話しします。

ビタミンCは、以前は、ときどきテレビやネットなどでとりだたされましたが、経済効果がないためか最近はあまり聞かなくなりました。
ビタミンCについて3回に分けてお話しさせていただきます。

本日のテーマ

  1. ビタミンCとは?

  2. ビタミンCの過不足による影響

を説明させていただきます。第2回目は、ビタミンCが多く含まれるものや効果的に摂取する調理法について、第3回目は、ビタミンCを用いた治療法や治療の副作用?についてお話しします。

1.ビタミンCとは?

ビタミンCは化学名をアスコルビン酸(ascorbic acid)といいます。欠乏による壊血病を防ぐ酸「抗(anti-)壊血病(scorbutic)の酸(acid)」に由来します。

ビタミンには水に溶けやすく熱で分解されやすい水溶性ビタミン9種類(B群8種類、C)と、水に溶けにくく体内に蓄積されやすい脂溶性ビタミン4種類(A、D、E、K)があります。ビタミンCは水に溶けやすく熱に分解されやすいため、調理法には限りがあります。

さらに、ビタミンCは酵素によって処理しきれない活性酸素の働きを抑える作用を持つ、抗酸化ビタミンでもあります。本来、人間の身体は酵素によって活性酸素を抑える働きが備わっていますが、加齢によって体内でつくられる酵素の量は減っていきます。年齢を重ねていくごとに、ビタミンCの抗酸化ビタミンとしての働きが重要になってくるのです。

加えて、ビタミンCは過酸化脂質の生成を抑える働きも持っています。過酸化脂質は、コレステロールや中性脂肪が活性酸素で酸化したもので、細胞内に悪い影響を与え、動脈硬化やがんの原因になるといわれています。したがって、ビタミンCを摂取して過酸化脂質の増加を防ぐことが大切なのです。

ただし、重要なのは、人間はビタミンCを体内でつくることができないという点です。哺乳動物の多くは、体内でブドウ糖からビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がなく、ビタミンCを体内でつくることができません。

そのため、まずは食事を中心に、ときにはサプリメントや栄養補助食品、医薬品などからビタミンCを摂取する必要があることを、忘れないようにしましょう

2.ビタミンCの過不足による影響

ビタミンCが不足すると倦怠感や疲労感、気力低下といった症状が現れるといわれています。

また不足が深刻化なると、「壊血病」という病気を発症する恐れがあります。

壊血病はコラーゲンの合成ができなくなることにより血管がもろくなり、血が出やすくなる病気です。

皮膚の下や歯茎からの出血、貧血の他、疲労感やイライラ、筋肉の減少、呼吸困難、心臓の障害といった症状が現れ、顔色が悪くなることもあります。

ビタミンC不足は食生活に偏りがあり野菜や果物の摂取が少ない方の他、アルコール依存症や薬物依存症のある方に多く見られます。

また喫煙や受動喫煙を習慣的にしている方は非喫煙者よりもビタミンCの必要性が高まるといわれているため、ビタミンC不足のリスクが高いといえるでしょう。

一方、通常の食事をしていてビタミンCの過剰摂取による健康への害が生じたという報告は確認されていません。

ただしサプリメントによる過剰摂取では吐き気や下痢、腹痛が見られる場合があるため要注意です。

また腎臓の機能が低下していると尿路結石ができやすくなるといわれています。

以上、ビタミンCの基礎的な知見について説明させていただきました。
次回は、ビタミンCの摂取方法(多く含まれるものと、取り入れる際の注意)についてお話しします。
では、また。

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