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乾燥パスタの茹で方、塩加減のポイント ☆ パスタ・ビアンカを作りましょう

乾燥パスタの茹で方、塩加減は、パスタを美味しく仕上げる為に、
大切な調理ポイントのひとつ。

教室でも、初めての方は「家で作っていたのとは違う」「ここが、美味しいパスタのポイントですね」と、仰って頂く事も多いです。
しっかり、ポイントを押さえ、美味しくパスタを茹で上げましょう!

最後に、シンプルな「パスタ・ビアンカ(Pasta Bianca)」の作り方も、
ご紹介

ご家庭でよく使われている「ロングパスタ3種類のご紹介」「料理用語のイタリア語」もあります。

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【調理ポイント】

① 表示の「茹で時間」 の、マイナス 1分で茹でて、
  硬さの確認をしましょう!
② 粗塩を使いましょう!
③ 粗塩の量の目安は、
    パスタを茹でる熱湯に対して、約1.25%


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【茹で時間の確認】

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茹で時間は、パスタの形状によって様々、各メーカーでも異なります。

【調理ポイント➀】

まず、表示の「茹で時間」の、マイナス 1分で茹で、
硬さの確認をしましょう!

例:「茹で時間:9分」 → まずは、8分で


① 茹でたパスタは、その後、ソースと合わして煮絡ませていきます。
  その時間を考えて、茹で過ぎないようにする為です。

② 茹で上がりの目安は、ムチっと歯応え(アルデンテ)を感じる硬さ
  マイナス1分の時に、ひと口食べて、ガリガリと芯が残っていたら、
  もう30秒、もう1分と延長して、「アルデンテ」に仕上げましょう。

② 茹で時間の表示は、かなり、アバウトなメーカもあります。
  マイナス1分で茹で上げても、軟らかい時もありますし、
  時間通り茹でても、芯がガリガリ残っている場合もあります。

④ 時間の幅を持たせて表示されている場合は、
  一番、短い時間で、一度、硬さ確認をしましょう。
     例:「茹で時間:7~9分」→ まずは、7分で。

⑤ イタリアでは、パスタは、日本の白ご飯と一緒。
  アルデンテよりも、さらに硬めが好きな方もいらっしゃれば、
       軟らかめが好きな方もいらっしゃいます。
  最後は、ご自分のお好きな硬さに、仕上げるのが一番です。


☆塩について

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シチリアの粗塩(Sale grosso siciliano) ソサルト社(SOSALT)

当教室では、シチリア島の塩を使っています。
地中海の塩は、このソサルト社も含めて、塩味がまろやかで、自然の甘みのあるのが特徴です。
お料理はもちろん、パスタを茹でる時も、塩辛くなり過ぎずに、
仕上がります。

【調理ポイント②】

是非、 粗塩 (無精製、低精製) を使いましょう!

所謂、‟にがり”と呼ばれる成分・カリウム、マグネシウム、カルシウム等が含まれている粗塩は、塩のカドが少なく、まろやかな味わいです。
パスタを茹でるのに、適しています。

また、塩の味わいも、メーカーによって様々です。
日本の塩は、このシチリア(地中海)の塩と比べると、やや塩味がシャープなように思います。
お持ちの粗塩の味を確認してから、調整しましょう。


☆塩の量、塩加減について

実は、この「量」が、一番難しい…。
教室でも、初めて参加された方々は、こんなに入れるの?と、驚かれることも多いです。

粗塩の量が少ない熱湯で茹で上げると、麺に塩味が入らず、美味しいソースと合わせても、ぼんやりとした味わいに、仕上がってしまいます。

【調理ポイント③】

粗塩の量の目安は、
パスタを茹でる熱湯に対して、約1.25%

熱湯2000mlに対して、シチリアの粗塩・25gを入れました。(約1.25%)

    計量する為に、2000mlの水を量り、鍋に入れて蓋をします。
   火にかけて、沸騰してきたら、火を止め、直ぐに、粗塩で調味。
              塩を量りました。

① 普段、パスタを作る時に、毎回毎回、最初の水を計量しないですし、
  計量していても、沸騰しているのに気づかず、熱湯の量が減ったり、
  その時々で、水分量が変わってきますよね。
  使う粗塩によっても、塩味の入り方が、それぞれ違います。

  教室では、塩の「量(g)」で覚えてもらうのではなく、
  何度も、塩加減を味見し、確認して、「味」で覚えて頂いています。
  イメージは、「海水位の塩加減」。
  実際に、海水の塩分濃度(約3.5%)も入れないのですが、
  それぐらい、しっかり塩味が付いているという表現です。

  塩メーカーを変えるだけでも、味わいも、ぐっと変わります。
  個々人の好きな塩加減によっても違ってきますので、
  ひとつの目安(約1.25%)として、
  加減しながら、ここ!という粗塩の量を、探っていきましょう!

  味をみてもらい、合言葉は「うん、塩水、美味しい!」
  そこまで、粗塩を加えましょう。

 市販のパスタソースを使う時は、塩の量は、1.25%以下での調整が
  お勧めです。
  ソース自体、味が完成していて、塩味が、しっかり付いています。
  同様に、塩茹でたパスタと和えると、塩辛く仕上がる場合があります。

③ 慣れてこられたら、ソースの食材(塩味)に合わせ、塩の量を微調整。
  さらに、美味しいパスタが作れるようになります。
※ この「微調整」については、今後、掲載予定の各パスタのレシピで、
  補足説明いたします。



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【パスタを茹でましょう!】


たっぷりの熱湯を用意します。(一度、沸騰させます)

【一人分のパスタの量(目安)】
 ロングパスタ(乾)→ 50~70g          ショートパスタ(乾)→ 30~40g

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ここで、火を弱めて、(火を消しても良いです)
粗塩を加えながら、塩味を確認。
「うん!塩水、美味しい!」まで、塩味の調整をします。

沸騰した湯の火を弱める(止める)のは、
粗塩を入れた瞬間の噴きこぼれ防止の為です。

塩だけではなく、他の食材でも、沸騰した湯に入れた時、噴きこぼれた経験がある方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
火傷に気を付けて、塩味を付けていきましょう!


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塩味が決まったら、乾燥パスタを入れます。
この時も、湯が沸騰していると、熱湯が、噴きこぼれる場合があるので、
注意です。
心配な方は、火を弱めてから、乾燥パスタを加えましょう。

パスタを加えたら、強火にします。
トング等で混ぜて、パスタが全部、湯に浸かってから、茹で時間スタートです。

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茹で始めてから、最初の1~2分は、時々、パスタをほぐすように混ぜます。

入れっ放しにしておくと、鍋底にくっ付いてしまったり、
パスタ同士がくっ付いたまま、茹で上がる場合があります。
最初はもちろん、茹でてる間は、時々、混ぜましょう。
そうめんや、蕎麦を茹でる時も、同じです。


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茹で上がったら、ザルに上げて、水気をしっかり切ります。
この時、絡めるソースに、パスタの茹で汁が必要なら、茹で汁の一部(2人分で、50〜100ml程)を取っておきましょう。

お好みのソースと合わせて、出来上がりです!

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【パスタ・ビアンカ(Pasta bianca)】

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オリーブオイルとチーズのパスタ (Pasta bianca)

白い(Bianca)パスタ(Pasta)と言う意味で、
茹で立てのパスタを器に盛り、お好みで、美味しいオリーブオイル(EV)、
パルミジャーノチーズ
だけをかけた、シンプルパスタ。

お腹の調子が良くない時、体調が優れない時に、マンマが作ってくれるパスタです。
私たちの、「白粥」のようなものでしょうか。

消化が良いように、パスタを軟らかく茹で上げてくれるのも、マンマの愛情。
簡単に作れるので、もちろん、体調が良い時は、アルデンテに仕上げて、
食べてもOKです。

チーズは、ペコリーノチーズ(羊チーズ)、リコッタチーズ(フレッシュチーズ)、モッツァレッラチーズ等でも、美味しく仕上がります
お好みで、胡椒や、ハーブで香りづけしても良いですよ。

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ロングパスタ3種類のご紹介】

パスタは、種類もメーカーも様々。
是非、色々試して、ご自分のお気に入りのパスタを見つけてみて下さいね。
※ パスタについては、今後、改めて特集予定です。

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フェデリーニ(Fedelini) 
太さ:直径1.4mm 
茹で時間(cottura):6分、 固め(Al dente):4分

やや細めなので、オイル系ソース、トマトソースと相性良し

【ディチェコ社(DE CECCO)】
1886年、イタリア・アブルッツォ州で創業した老舗パスタメーカー。
イタリアではもちろん、日本でもよく流通しています。
パスタ表面に、ザラつきを持たせて、ソースを良く絡むように造られています。
高品質の小麦の風味を生かし、モチモチした食感も特徴です。


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スパゲッティ(Spaghetti) 
太さ:1.7mm
茹で時間(cottura):9分
どんなソースとも相性良い万能パスタ

バリラ社(Barilla)
1887年、イタリア・エミリア=ロマーニャ州のパルマ(Parma)で創業した老舗パスタメーカー。
現在は、イタリアの最大食品メーカーでもあり、パスタだけでなく様々な食品を作っています。
原料の硬質小麦・ディラムセモリナ粉の独自開発を行っています。
パスタの表面はツルツルしています。


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リングイネ(Linguine)  
幅3mmの楕円形の断面パスタ
茹で時間(cottura):8分
どのソースとも相性が良い万能パスタ。
特に、ジェノヴェーゼソース(バジルソース)との相性が良い

ディヴェッラ社(DIVELLA)
1890年、イタリア・プーリア州のルティリアーノ(Rutigliano)で創業した老舗パスタメーカー。
近年、日本の量販店でも、目にすることが増えました。
高品質のパスタは、風味・食感・コシが良く、また、茹で上げた後の、
アルデンテ(歯ごたえ)の維持長い、麺が伸びにくいと評価を受けています。
全粒粉を練り込んたパスタも造られています。

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【料理用語のイタリア語】

pasta  (パスタ)       cottura (料理する事、煮る事)
dente  (歯)       al dente(アルデンテ・歯ごたえのある)
acqua  (水)          bollire  (沸く、煮える)
acqua bollita (沸騰した湯)

sale fino        (精製塩)        sale grosso (粗塩)
pepe          (胡椒)       erba  (ハーブ)
formaggio  (チーズ)        parmigiano (パルミジャーノチーズ)
pecora        (羊)      pecorino     (ペコリーノチーズ)
ricotta  (リコッタチーズ)    mozzarella    (モッツァレッラチーズ)

お読み頂き、ありがとうございます。 サポート頂ければ、心強いです。