2019-2020年アルビレックス新潟のストーブリーグを振り返ってみる。

早いもので2020年に突入し1月も上旬から中旬へ。ストーブリーグも落ち着きつつあります。我らがアルビレックスは気づいたらJ2リーグ3年目に突入し、すっかりJ2の沼にハマっている現状でございます。

トランプの大富豪ゲームのようなリーグになりつつあるJリーグ、このままJ2の沼にハマり続けて有望な選手を上のカテゴリに上納し続けるサイクルをなんとか抜け出したい。

そのためにもGMに玉乃淳氏、新監督にアルベルトプッチ氏を招聘して改革を続けるアルビレックス。今年も多くの選手と別れ、そして新しい選手たちと出会うこととなりました。果たしてスペインの風は吹くのか?

2019-2020年のストーブリーグのまとめと、ついでに雑感も書いておきます。特に加入選手には1人1人にちょっとした紹介コメントも書いたよ!

※放出と補強についてしかほぼ書いてないです。2020年の陣容についてはまた気が向いたら書きます。

放出選手

小川佳純(契約満了→未定)
チョ・ヨンチョル(契約満了→未定)
パウロン(契約満了→未定)
サムエル・サントス(契約満了→未定)
田中達也(契約満了→再契約)
広瀬健太(AC長野パルセイロ)
野澤洋輔(契約満了→引退)
平松宗(カターレ富山/レンタルから完全移籍)
戸嶋祥郎(柏レイソル)
川口尚紀(柏レイソル/レンタルから完全移籍)
レオナルド(浦和レッズ)
長谷川巧(ツエーゲン金沢/レンタル延長)
大武峻(ジュビロ磐田)
矢野貴章(契約満了→栃木SC)
渡邊凌磨(モンテディオ山形)
田口潤人(FC琉球)
加藤大(V・ファーレン長崎/期限付き移籍)

是永社長自ら『2019年は人が多すぎた』と漏らしていたこともあり大幅な人員整理が行われ、特にベテラン陣は軒並み契約満了と大鉈を振るう結果に。(1/10追記 田中達也は再契約決定)

かといって主力の選手を残せたかといえばきっちりセンターラインをぶっこ抜かれる。J2に長くいるとこうなるってことよ…。特に名実共に新潟の象徴となりつつあった戸嶋祥郎がジャイアニズムに目覚めた柏レイソルに引き抜かれたときはショックのあまり目のハイライトが消えた。

それ以外にも2019シーズンにおける得点の4割近くを挙げて得点王に輝いたレオナルドや全試合出場の大武峻の流出も痛かったが、フロント的には主力の流出に備えていたようで移籍金をしっかりとり、後釜のリストアップもしていたよう模様。0円移籍は許されない…。

同カテゴリへの放出は渡邊凌磨と大武峻に矢野貴章の3名ほどだが、アルビレックスはやたら恩返し弾(笑)を食らう印象があるので十二分に気をつけたいところ。

加入選手+ちょっとした詳細

矢村健(新潟医療福祉大学)
阿部航斗(筑波大学)
ロメロ・フランク(FC町田ゼルビア)
大本祐槻(V・ファーレン長崎)
小島亨介(大分トリニータ/期限付き)
ゴンサロ・ゴンザレス(CAフベントゥ)
田上大地(柏レイソル/期限付き)
ペドロ・マンジー(チェンナイシティFC)
ファビオ(オエスチFC/期限付き)
島田譲(V・ファーレン長崎/期限付き)

■矢村健 39
2018年9月の段階で加入が内定していたFW。新潟医療福祉大学の3年次に得点王を獲得し、4年次では3年連続のMVPとベストイレブンを獲得している。昨シーズンはチームに合流した終盤戦でベンチ入りを果たし、11/9の岐阜戦でデビュー済。
がむしゃらさと泥臭いプレーが信条。今の新潟には似たタイプこそ少ないが、FWは激戦区となることが必至のためキャンプでバチバチにアピールしてほしい。

■阿部航斗 21
新潟県新潟市出身の地元の星が新潟へ帰還。新潟U-18から筑波大学へ進学し、4年次には副将も務めユニバーシアードの代表にも選出された。恵まれた体格とコーチングに優れ、おまけに足元の技術も高い即戦力。
背番号も21番を与えられているあたり期待度は高い。正GKである大谷は勿論だが、東京五輪出場を目指す小島亨介も加入したので互いに切磋琢磨してほしいところ。

■ロメロ・フランク 24
再加入の知らせが来たときはまさに青天の霹靂だった。以前在籍していた2017年は荒っぽいプレーで自陣でファール→失点のサイクルが散見されたが、町田では主力としてキャリアハイの9得点を挙げるなど大活躍。
アウェイ町田戦で実際にプレーを見て(ついでに得点をぶちこまれて)いい選手になってるやんけ…って感動した。未だにボランチで使うには少し怖いが、インサイドハーフなら攻撃力を遺憾なく発揮できそうなのでアルベルト監督の起用法に期待。地味にスペイン語が分かる感じなので意思疎通もそつなくこなせそう。

■大本祐槻 27
新卒とロメロくらいしか加入が決まってなかった中で突如やってきたサイドのスペシャリストにして愛犬家。予想外の補強すぎてすぐにYoutubeで動画を探した。
プレースタイルとしては走力を活かした攻め上がりに定評があり、左右問わずに質の高いクロスを供給することができる。サイドバックもできるらしいが、守備はちょっと不安らしいのでウイングでの起用がメインでサイドバックはオプション程度なのかもしれない。
前所属の長崎時代は怪我などもあり試合出場が少なかったが、怪我自体は完治しているようなので新潟で存分に走り回ってほしい。

■小島亨介 22
躍進を続ける大分トリニータから期限付きでやってきたU-23日本代表でA代表経験者。東京五輪を控える中でまさかJ2の新潟に来るとは思わなかった。
阿部航斗と大谷幸輝という実力者が名を連ねる中で出場機会を掴んで五輪出場を目指したい。競争がんばれ。

■ゴンサロ・ゴンザレス
突然ウルグアイ1部からやってきた本職ボランチ。あまりに唐突の加入だったため、殆どの人が「誰…?」ってなった。映像資料が乏しいのでどのようなプレーをするのかは不透明だが、昨シーズンはイエロー11枚にレッド1枚もらっているので2020シーズンは出停3~4試合ぐらいはやってのける気がする。どうでもいい情報だが、どちらかというとゴンザレスではなくゴンサレスのほうが正確な読み方らしい。

■田上大地 50
J2を蹂躙するだけ蹂躙して昇格していった柏レイソルから加入のセンターバック。昨シーズンは7試合ほどしか出ていないので情報は若干不正確だが、元々FWだったらしいので足元の技術と攻撃センスは優れているとのこと。フィジカルにも優れており、競り合いや1対1の場面には自信がある模様。
ただし身体能力のわりにスピードタイプに弱かったり、4バックよりか3バック適正の方が高いらしいので、新潟の補強ポイントだったかといえばなんとも言えない。もしかしたら柏側から売り込みがあったのかも知れないし、アルベルト監督が3バックを導入するために獲得した可能性もある。
どちらにしろ現状センターバックは選手層が薄いので頑張ってほしい。

■ペドロ・マンジー 19
割と早い段階から新潟のインスタをフォローしていたので加入予想はされていたストライカー。長い間スペインの3~4部でプレーしており、昨シーズンはインドのチェンナイシティFCで無双していた模様。映像を見た限りプレースタイルはレオナルドに似ている気がするので、すんなりフィットする可能性は高い。海外の情報と公式の情報で身長が違うがおそらく180cmのほうが正しいのではないか。
驚異的な得点率だったのでさぞお値段が高いかと思いきや移籍金は1500万円程度だったらしいので、当たればかなり美味しい。(それでもインドリーグでは史上最高値の移籍金らしい)

■ファビオ 9
ブラジル2部で15得点を挙げた期待のホープ。J1のクラブが狙っていても全くおかしくないくらいには評価が高かった。(かなり高いらしいけど)
192cmの長身だが足元の技術も高く、しなやかな体の使い方をする。全体的にブラッシュアップした指宿みたいな印象だが、もしかしたらジョーのような選手にも近いのかも知れない。22歳と非常に若いので是非とも新潟でステップアップして世界に羽ばたいて欲しい。

■島田譲 20
似たようなタイプの加藤大と交換のような形での加入となった左利きの技巧派ボランチ。去年からプレースキックの蹴れるボランチは補強ポイントになっていたようで、琉球の上里なども狙っていたようだが結果的に島田に白羽の矢が立った。
2017シーズンは長崎の主力としてCKやFKでチャンスを演出し、多数のアシストを記録。昨シーズンは序盤こそ試合に絡んでいたが、中断期間に秋野とカイオセザールが加入すると出場機会を失った。
新潟においては重宝されるタイプなので、戦術と合致さえすれば出場機会は伸ばせるのではないかと予想。セットプレーでの得点増に貢献して欲しい。

総括

放出に関しては余剰人員を整理し、主力も移籍金を残して去っていったのでクラブ的には人員整理ができ、資金的にも余裕が出来たのではないか。とはいえ柏レイソルに戸嶋祥郎を引き抜かれたことから分かるように、J2というカテゴリに所属している以上、有力な大卒ないし高卒選手を保有し続けるのは2~3年が限度だろう。下手をしたら1年で引っこ抜かれる場合だってあり得る。長期的なチーム作りで地盤を固めるのも重要だが、早期のJ1昇格は至上命題である。

補強については日本人選手と外国籍選手で評価が少し分かれる。外国籍選手の補強についてはほぼ100点をあげても良いだろう。手薄となったボランチにゴンサロ、レオナルドの後釜にペドロ・マンジーとファビオを補強した。特にFWの2人はどちらかと心中するのはちょっと辛い印象だったのでリスクをうまく散らした補強で見事と言わざるを得ない。既存の外国籍選手たちは皆人格面に優れているので新加入外国籍選手に対して日本のサッカーや生活面のフォローはしてくれるだろう。

日本人の補強についてはうまいこと足りないポジションを補ってはいるが、ロメロフランクを除けばどの選手も前所属で確固たるレギュラーとして活躍していたわけではなく、出場機会が疎らで燻っていた印象が強い選手ばかりだ。出ていった主力選手たちの後釜として捉えるのであれば若干の不安は拭い去れない。とはいえ、どの選手も素材は良さそうなのでアルベルト監督の戦術や指導、選手同士の組み合わせによって輝く可能性は十二分にある。いつだって私は手のひらを返す準備は出来ているので大いに新潟で躍動してもらいたい。

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