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南国プリンを応援したい!宮崎県都農町、緊急作戦会議。

都農町、ふるさと納税2年間の停止。街の経済に大打撃。

1月14日、総務省から発表されたニュース「宮崎県都農町、ふるさと納税自治体から指定の取り消し」。理由は、街の1つの事業者が、国の基準を超える経費で牛肉を調達していた規定違反により、全事業者を巻き込む形で、ふるさと納税の停止が発表されました。

宮崎県の都農町は、昨年の2020年の寄付額は82億円、全国5位の寄付を集めていました。指定取り消しの影響は図りしれず・・・。誠意を持って良いものを届けてきた事業者までもが、苦しい状況に立たされています。

もちろん、ふるさと納税などに依存することなく、地域が自立して自ら稼ぐ仕組みを模索しなくてはならないのは事実です。しかし、ふるさと納税を入り口に、都農町の食材や商品の魅力を知っていただき、その後のファン化に繋げていこうと、多くの事業者は努力を続けてきました。

都農町の会社、株式会社 南国CBFも、大きな販路を失ってしまった事業者のひとつです。地元の素材をふんだんに使い、宮崎県の新たな定番スイーツとしてじわじわと人気を集めていた『南国プリン』の販売を行っている会社で、売り上げの多くがふるさと納税での販売でした。

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宮崎の魅力を商品に乗せて、これまで街を盛り上げてくれた『南国プリン』。私たちが運営する「まちづくりホステルALA」でも、何か力になれることはないかと考え、【南国プリン応援プロジェクト】を立ち上げることにしました。


南国プリン、ひたむきなプリン。

レトロなテイストの可愛らしいパッケージに、色とりどりのジュレとプリンがギュッと詰まった瓶。宮崎の魅力を伝えたいという想いで作られたプリンは、青空や太陽など、南国の景色を果実で表現しています。

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「自分たちの誇れる地元の食材で、何かを作りたい」

今から10年ほど会社のオーナーである河野当将(たいすけ)さんは、そんな想いを胸にいただき、カフェをはじめたりなど、地域の食と向き合ってきました。その後、都農町を苦しめた口蹄疫(家畜がかかる病気)でダメージを受けた畜産農家の人との出会いもあり、「牛乳」をブランディングしていくことに。都農町の牛乳をたっぷり使った【プリン】の開発に乗り出しました。

POPで軽やかなみた見た目とは裏腹に、南国プリンが作られるまでには、とても濃密なストーリーがあります。

素材はほぼ全て天然のものにこだわり、バニラビーンズは6万円/1kg程もする最高級のマダガスカル産のものを使用。主原料である牛乳は、プリンを作る朝、農家さんの元へ生乳を受け取りにいき、工場で1度目の殺菌しそれをすぐに焼いているそう。殺菌するたびに風味が飛んでしまうのを、自ら鮮度を保つ努力をすることで、解決したそうです。

そのため、濃厚なのにスッと後味が消えるプリンを実現できたそうです。実際に食べてみると、驚くほどにクリーミー!それでいて、しつこすぎないので、何個でも食べれてしまいそうな美味しさです。

オンラインコミュニティ「まりづくりカレッジ」で、緊急ブレスト会。

現在の私たちの取り組みのひとつに、オンラインコミュニティ「まちづくりカレッジ」があります。「まちづくりカレッジ」とは、まちづくり会社イツノマのリアルなプロジェクトに参加し、実際にアイデアを出し実施していく「まちづくり実践型オンラインコミュニティ」です。

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都農町に住んでいる人も、住んでいない人も日々刻々と進む都農町のまちづくりに参画し、そのプロセスに関わっていくことを目的としています。

現在、60名ほどの人たちが実際にコミュニティに参加しており、実際に現地のまちづくりに関わって頂いています。時にはオンラインを飛び出して、都農町のイベントの運営など現地でお手伝いいただくことも!

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南国プリンをはじめ、地域産業はまちづくりにとってもなくてはならない存在です。都農町のこれから、南国プリンのこれからを考えるべく、南国プリンを販売する会社のオーナー 河野さんにもご参加いただき、まちづくりカレッジのメンバーと緊急会議を開きました。

南国プリンへ。都農町へ。がんばれ!を送りたい

1月の夜。全国各地から、都農町のピンチを聞きつけて、コミュニティのメンバーがオンライン会議へと参加をしてくれました。

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河野さんから、商品の魅力や特徴、いまの状況をお聞きしながら、今後どういったアクションができるか?実際にアイデアを出し合いました。

「まだまだ県内需要を取りにいけるのではないか」「見た目がPOPで可愛いのでTikTokと相性が良さそう」「アパレル等、プリン以外のタッチポイントを増やすのはどうか」「こだわりの詰まったプリン。生産背景を知ってもらうこと自体がコンテンツになるのでは」

など・・・多くの意見が出てきました。オーナーの河野さんも、参加者が真剣に熱くディスカッションをする様子を見て「ひとつひとつ、(今日出た意見を)全部考えていきたい」と語ってくれました。

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実際にアイデアとして上がった、「TikTokでの情報発信」については都農町にスタディーツアーで訪れた、立教大学の学生たちに実際に企画案を考えてもらいました。(今後、南国プリンの河野さんに実際に提案を行いアクションにつなげていきたいと考えています。)

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今回の会議でもっとも重要だと感じたのが、「都農町が、本当に困っている」とお伝えできたことでした。南国プリンをはじめとする、都農町の多くの事業者人たちが、厳しい状況にあること。そんな街の人たちのSOSを知っただけでも、何かを選ぶ時は都農町のものを選ぼう、友人へのギフトには南国プリンを贈ろう...そんな風に、少しのアクションを変えることができます。

早速コミュニティメンバーが、南国プリンをネットで続々と注文。

顔の見える誰かが困っていた時に、何か少しでも力になりたくなる。

まちづくりをする上で、地道かも知れないけれど、離れた方達ともつながりを増やしていき、少しずつ都農町のことや都農町で作られた商品や食材のことを知ってもらうこと。そんなゆるやかなつながりが、いざという時にとても力になってくれることを実感した1日でした。

日本全国の地域が、順番に同じような課題に直面する

2020年度、日本のふるさと納税の寄付総額は約6725億円で、過去最高を記録しました。ふるさと納税は、地域と消費者を結ぶ良いツールでもありますが、国の施策への依存が高まり、諸刃の剣であることも事実です。

「ふるさと納税」だけに頼らない、新たな街のあり方を考えること。

それは、もしかしたら日本全国の地域が、ゆくゆくは直面するかもしれない課題です。

コロナ化でリアルな場での消費やコミュニケーションから、しなやかにオンラインに移行できた企業やお店が強かったように、地域でも、"依存先"を増やし、いざという時に、SOSを届けられる人たちを増やしておくことが大切だと感じます。

「明日から突然、ふるさと納税などの大きな販路を失ってしまう」というのは、どこの地域や会社でも起こり得ることです。

私たちが暮らす都農町は、一歩先に、厳しい現実と向き合うことになりました。少しでも都農町の未来、みなさんが住む街のこれからを考えてみたいと感じた方は、ぜひ、まちづくりカレッジや、私たちの運営するまちづくりホステルALAでの取り組みをのぞいてみていただけると幸いです。

もし、参加するまでには・・・という方も、都農町が困っている、ということを知っていただき、お買い物の際に都農町のものを選んで頂いたり、南国プリンをお取り寄せ頂くなど、小さな応援をしていただけると、とても嬉しいです。

そんな遠く離れたみなさんの小さなアクションが、地域にいる私たちの大きな力になります・・・!



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