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春に想う

 清少納言は、春は夜明けごろがいいと言い、中国の詩人、蘇軾(そしょく)は、春の宵の一刻は、千金に値する、と言う。 
 寒く厳しい冬を過ごす地域では、どの春もいいのだろう。春の日差しは、氷を融かすだけでなく凍えた心もとかしてくれる。
 新コロナで、みんなでわいわい言いながら、呑みながらの花見は、できなかった。だが、京都の友人から、名所の桜に音楽を合わせた映像が贈られてきた。
 こんな時だからこそ。
 心に桜色の明かりが灯って、ろうそくのような涙が流れ、落ちた。
 今、春。

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