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すてきな言い訳

人から放たれる言葉にはその人の感性や性格が宿るので、人の口癖や言葉の使い方に耳を澄ませることがとても好きだ。

ある人は肯定の言葉を、ある人は否定の言葉を、ある人は受容の言葉を口癖としてよく使う。

さいきん私がよく一緒にいる人は、やたらと「言い訳」という言葉を使うことにふと気付いた。そして、その「言い訳」という言葉の使い方がとてもすてきだなと思ったので、ここに記してみたいなと思う。


「言い訳」というと、たとえば仕事で失敗したときや誰かとの約束を破ってしまったときなど、自分の後ろめたい行為をごまかして正当化するための、なんだか嫌らしいネガティブなイメージを私は持っていた。

けれどその人は(自分では気づいているのかわからないけれど)、しばしば「言い訳」という言葉をポジティブな意味で使う。

「会いたい人に会うための、仕事は"言い訳"なんだよね」「出張に行ったときに好きな場所ができることは、その場所にまた帰りたいと思う"言い訳"になるからいいよね」。

そんなことを、一緒に話しているとよく耳にする。そしてその度に、私は「ポジティブでいいなあ」と思うのである。

その人は、私が今まで出会ってきたどんな人よりも、ポジティブで、自由で、流れるように生きていて、その感性がすごいなあと思うし尊敬もしている。そしてそんな彼の話を聞いていると、いかに自分が先入観の中で生きているのかということを思い知らされる。


言い訳。辞書で引くと、「自分の言動を正当化するために事情を説明すること」とある。

いつの間に、その「正当化する自分の言動」はネガティブなものでないといけないと決めつけていたんだろう。いつの間に、言い訳という言葉がマイナスな印象になっていたんだろう。自分の持つ先入観とやらの存在に気付き、ふと自分のことをしょうもないな、と思ってみたりする。

後ろめたい行為をごまかすための言い訳ではなく、自分がいいと思う行為をするための言い訳が人生の中にたくさんあることは、なんて豊かなことなんだろう、と、あらためて気づかされる。

自分にとってポジティブな行動をするための「言い訳」は、とっても素敵なこと。そんなことを思う、月曜日の夜なのでした。


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92年生まれ。京都からのらりくらり東京へ。サイボウズで働きながら、フリーランスの編集者・ライターとしても活動しています。ほぼ日の塾2期生 / 編集ライター養成講座35期生
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