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7月4日 老害とひとくくりにするのは難しい。

7月4日ですね。

今日はアメリカ独立記念日です。
アメリカでもかつての独立が祝われることでしょう。
おめでたい日。

ところが、今、アメリカ大統領選挙に向けて、どうにもアメリカの意気が上がっていないように見えます。
前大統領のトランプ氏と現バイデン大統領の争いで集約されていますが、全く新鮮味がないのです。二人とも経験者である上に、老齢というのが残念です。

残念というと怒られてしまいます。が、こればかりは否定できない部分です。

問題は、なぜ他の若手が立候補しようとしないのか、という問題に帰結します。

もちろんそこにはアメリカの政党政治の問題や、各州で選挙人に投票する選挙システムに依存するためなのでしょう。
実際、立候補を取り下げた方が何人もいましたから。

ただ、それだけではない気がします。
私は、その理由を今の複雑に利害が絡む社会で国をまとめるには、経験が重視されるからだろうと思っています。

いくらその政治家が優秀であっても、個人的な能力に優れていても、今の社会は複雑すぎる。もう、一個人で責任を負うにはリスクがありすぎる。

利害が絡む問題をまとめるには、経験が求められます。また、年長者の言うことになんとなく従ってしまう人の本性にも影響されるのでしょう。
だからこそ、他の若い方が立候補しても、勝ち目がないと辞退してしまうのではないかと考えています。


ただ、この問題、自分に置き換えると複雑な気分です。
なぜなら、経験が物事を進める力になることを実感として知ってしまっているからです。

今の弊社はたくさんの案件を抱えています。
これほどまでの案件を捌くには、一つ一つの案件に深くコミットしていられません。
ただ、経験ゆえに、こういう案件だからこういう構成、という指針は見えます。だからこそ指示していけます。

今の私には案件を実装する時間がほぼなくなっていますが、時間がなくても、経験値を活かせば即座の実装が可能です。
経験を蓄積した技術者ではなくても、案件や実装の数を絞って、時間をじっくり与えてあげれば、ある程度は進めることが可能です。

ただ、同時に複数の案件を任せてしまうと、一つ一つの案件に対する調査や理解を深める時間が必要になってしまうため、たちまちパンクします。
また、メンバーごとのスキルや経験を度外視して、きた案件を次々とメンバーに振っていくやり方では、案件過多でパンクして不平が出てきます。
この調整は本当に難しい。


だからこそ、経験の力は無視できないと考えます。

私自身で経験を蓄積しているため、案件の概要もすぐに把握できます。自分の経験に照らし合わせて案件の規模を把握し、メンバーに振ることができます。
しかも、実装に携わらなくて良いので、調整役、割り当て役として、案件に携われてしまうのです。

この調整能力は、政治家にはまさに求められる資質であり、さらに経験があればあるほどその能力が発揮できます。
ここにアメリカ大統領候補が老齢の方になりがちな理由があり、わが国でも政治家の高齢化が叫ばれてる原因があると思います。
そう考えると、オバマ大統領がどれほどすごい人だったかが分かりますね。


この問題を私に置き換えてみます。
私が考えておかなければならないリスクとは、案件の実装能力が既に失われていることに気づかず、実装もやろうと思えばやれるという誤った前提のまま、調整役として権力を振るうことです。

私の場合、オーナー経営者ですから、ますますそのリスクの罠に陥る可能性が高いです。
こうなると、いわゆる老害の問題です。

今、私自身に経験の力があることは自覚しています。その結果、調整役に回ることも増えています。
まだ、実装も可能だと思っています。

あとは、実装能力の衰えをどこでいつ判断するか。
この判断を間違えると私自身が老害になってしまいます。

いつでもやれると思ったまま、調整役が長くなっていくにつれ、実装能力が失われているのに権力をふるうようにはなりたくない。

が、それに気づかない方は相当多いように思います。
これ、わかっていても是正は難しいと思っています。

今回のアメリカ大統領選をきっかけに思ったことです。

ありがとうございます。 弊社としても皆様のお役に立てるよう、今後も活動を行っていこうと思います。