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【幻の剣闘】AIKATSU:NO FRIENDS IN ROME

「へい、ダーヴィ。8/17アイカツ重大発表はもう見た?」

「ああ、見た。驚いた」

「おれもだよ」

 おれはスマホを取り出し、公式サイトにアクセスした。

「本当にローマ編を作るとはな」

ーアニメ時空ー

 いつもの日、ピュアパレットの二人はオーディションに臨み、アイカツシステムに立ち、宝石のパーネルにカードをセットした。

 ガッシューン!何重も重なった貝殻が展開され、通路が光り出す。中に入ると目の前に広がるのは紺色の宇宙。頭上にある滝から水が迸っている。背後から巨大化したカードが飛来し、滝に沿って等距離に並んだ。

 大きなヨガボールのような球体を踏み、高く跳ね上がる二人は軌道上に待機していたカードを三連ゴースルー!あいねはピンクリンク一式、みおはブルーリンク一式に着装した。クラシック!あとは滝の頂点に着地し、舞台に出るだけだが……

DOOOOOOM!!!

 轟音!空間が振動して二人はもとの軌道から逸らされた!

「ちょっ、何が起きているの!?」「みおちゃん!きゃーー!」「あいねェ!」

『アイカツシステムに異常発生!ユーザーは直ちに退避してください!』

 ココの声が空間内に鳴り響く!

「退避って言ったって」「どうすればいいか分からないよぉ!」

「「キャアアアアア!!!」」

 二人は空間の彼方へ飛ばされていく……

ーローマー

 ドサッ!アイドルバランス感覚とアイドル脚力を発揮し無事着地したあいねとみお。

「たっ……みおちゃん大丈夫!?」「うん、なんとか……しかしここは一体……?」

 周囲を見渡すと、砂、石の壁と階段、階段に並んでいる簡素な布服とローブを纏った人々、皆興奮した目で二人になんか叫んでいる。とても現代日本と思えない。

「ステージセット……じゃないよね?」訝しんだみお。

「ああん?なんだおまえら?今日は追加闘士が出るなんて聞いてないぞ。しかし妙な服着てんな」

 振り向くと、赤い髪を雑に刈り上げた、革鎧を着こんだ少女がいた。その手に持っているのは鋲付きの棍棒とバックラー、そして足元には……頭がスイカ割りのスイカのように割れて倒れている女の死体!

「「ヒッ!?」」

 アイドル直感でただ事ではないと勘付いたピュアパレット!

『さてさーて、これは意外なことが起きました!まさか空から人が落ちてくるとは、我々は神話でも目にしているのかー!?』観客席いる司会らしい小太りの男の朗とした声が場全体に響いた。「彼女らは天の召使か、それともペルシアからきた邪悪な魔法使いか?とっちでもいい!アリーナに立つ以上、やることが一つだァ!!」

「「「「KILL!KILL!KILL!KILL!KILL!」」」」

 司会に煽てられてKILLコールする観衆!

「あいね、私いますごい嫌な予感がする」「私も……」

「だとさ」

【BGM: True Survivor】(David Hasselhoff)

 赤髪女は呆れたように苦笑し、棍棒を構えなおした。

「こっちだって命かけてんだ。来ないのなら、こっから行くぜぇ!」

 ー場面転換ー

「君たち、この現世の住人ではないな?」

 みおとあいねの前の前に、かの伝説アイドル星宮いちごに似た豪壮な剣闘士、その名はストラウベリー!

ー場面転換ー

「ウォオオリヤァァァー!!!」

 投げやりで戦車の車輪を破壊し顛倒させた明日香ミライに似た女戦士、その名トゥメロン、帝国に名を馳せる「引き裂き団」を率いる恐るべきセンチュリオンの一人である。

ー場面転換ー

「私はスパルタガス、仲間は私のことブライトと呼んでいる」

 ローマの地下をめぐる地下水路で、重装備を着た女は真鍮の兜を外し、茶髪が露わになった。

「貴女が生きていた奴隷のない世界のこと、是非聞かせてほしい」

ー場面転換ー

『スカイロアー、トラスフォオオーーム!』

 地上から放たれた矢と投げやりの雨を潜りながら、空中に燃え盛る紅色の機械ドラコンは関節が回転して装甲がスライド、グヮングヮングヮングヮングヮン……見る見る内に鋼鉄巨人にトラスフォームした。KABOOOOM!爆発的着地!ローマ兵は衝撃波で飛ばされる。

『我が王女のために!ARRRRRGH!!!』

 紅蓮の巨人、スカイロアーは咆哮!兵たちが怯えているなか、流れるような金髪の女戦士は静かに次の矢を大弓のつかえた。彼女こそが「引き裂き団」もう一人のセンチュリオン、ケアレンである。

ー場面転換ー

 コロッセオ。剣闘士姿のあいねとみおが相対している。

「ずっと思わないようにしてきた。私とあいね、どっちか優れているかって」

今年、アイドル達が

「私も、同じことを思っていたよ。みおちゃん」

偶像(アイドル)の根源に辿る

「ふふっ、やはり私とあいねはベストフレンズだね」「そうだね」

アイドルがグラディエーターと呼ばれた時代 慈悲のない時代

「でも今回は、私が勝つよ、あいね」グラディウスを後ろに引き、盾を前方に推しだす歩兵の構えを取ったみお。「悪く思わないでよね」

アリーナの神になれる者は ただ一人

「そちらこそ」対してあいねは両手に持っている曲刀をクロスし、前屈みの突撃体勢を取った。「私はいつまでも引っ張られている方だと思わない方がいいよ」

アリーナでは 自分以外すべてが敵!

「「イヤーッ!」」

 キーン!交差する刃と刃!

AIKATSU:NO FRIENDS IN ROME

11月43日、全国ロードショー

ー場面転換ー

「アイカツシステムには無限の可能性が潜めている」

 ココがカメラ目線で語り出した。そのかわいい顔に影が落としている。

「妙に広い空間、幻想的な風景、物理学を反する現象、明らかなオーバーテクノロジー……それらについて考えたことないかな?もしかしてアイカツシステムは最初、何らか偉大的な目的のため作られて物だとしたら?」

 意味深の笑顔。画面がそのままフェイドアウト。

観に来たら、劇中で使われた剣闘士装備一式のカードが貰えるよ!


※以上の内容はすべて幻覚です。現実をみましょう。




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