ルーザース

 泣いていたのか、目の周りにねばねばした感じが心地悪い。外は明るくなった。

 二日酔いによる頭痛を耐えながら、トイレに向かう。蒼白な顔、腫れた瞼、涙の痕、鏡に映っているおれの顔はひどい物だった。

 蛇口を捻り、がぼがぼと流れる水を眺めて、昨晩のことを思い出す。

 この間、ネットで小説を投稿し、競い合う催事があった。物書きが趣味のおれも試しに投稿したが、思いのほか褒められて、自信を付けたと同時に、他の参加者が書いた文書読んだおれは闘争心が湧き、更に書いた。

 そして昨日、結果が出た。おれの作品は入賞はおろか、佳作すら得られなかった。虚無が俺を包んだ。

 小さい頃から競争が嫌いで、スポーツも勉強もそこそこ出来ればいいと思ってきたおれが、初めて何かに夢中になって、頑張ったが、結果はこれだ。

 悔しさが湧き上がり、歯が震えて、涙が溢れでた。
 
 そうか、これが失敗という物か。
 
 おれはカミソリを手首に当てた。

(続きはER手術室で)

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