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閉店間際の御徒町の宝石屋で、5万円の結婚指輪を買った話

出会って約半年で入籍した私たちは、すべてが急に進みました。なかでも結婚指輪に関しては、かなりわちゃわちゃしていて、思い出深いので書いてみます。

結婚指輪のあるべき姿とはなんなのか...慣習と思い入れと実利のバランスとは...みたいなことを私たちなりに考えたので、もしなにかの参考になれば...!

ちなみにすべてが急だった私たち夫婦の時系列はこんな感じです。

2018.05:マッチングアプリで出会って付き合い始める
2018.10:同棲開始
2018.12:プロポーズ
2019.01:入籍
今:楽しくやっています

マッチングアプリでの婚活については、こちらの記事でも振り返ってます。

プロポーズは指輪なし

二人で初めて迎えるクリスマスイブ。普段は近所のやきとん屋で瓶ビールを飲む私たちですが、ちょっとお洒落(にネット上では見えた)フレンチを予約しました(これはこれで客層にびっくりしたのでいつかどこかで書きたいです)。

震えながら人混みでイルミネーションを眺め、同棲していた我が家に帰り、緊張した面持ちの彼が取り出したのは、漫画やドラマでよく見る、あの、パカっと開きそうな四角い箱でした。

「あれ?これ、プロポーズきちゃう...?」「どんなリアクションしよう...?」と、酔っぱらった頭で高速脳内シミュレーションしつつ、パカっと開くとそこには小さなダイヤのピアスが鎮座していました。

指輪じゃなかった!
ただのちょっと気取ったプレゼントだった!
恥ずかし!

と赤面してたところ、顔をあげたら私よりももっと赤面した彼がいて

「指輪とかこだわり強そうだから一緒に選びたかったので...」
「でも一応ダイヤは必須なのかなと思って」
「amazonでみつくろった」
「箱もamazonで、開けるとLEDが自動でつくやつにした。これすごくない?」

と、ちゃんとプロポーズしてくれました。勘違いじゃなくてよかった...。LEDのこだわり必要だったかな?

表参道で結婚指輪探しに難航。ペアであることの難しさ

年明け、二人で表参道に結婚指輪を探しにいきました。
事前にネットで評判が良さそうな何店舗かをピックアップ、googlemapにマッピングし、順に巡っていきました。

「全然ピントこない・・・!」

最初の数軒はただただこの感想でした。

結婚指輪って、24時間身につけるもの(ちなみに私は煩わしいので今となっては家の中では外していますが)。お互い本当に気に入ったものを選びたかったのですが、そこに障壁がありました。

「ペアってむずい!」

私が好きなテイスト(ガチャガチャ派手なもの、ゴールド希望)と、
彼が好きなテイスト(シンプルだけど一癖ある、プラチナ希望)の、

ペアリングがないのです。

お互いそこそここだわりが強いので、妥協はしたくない。
どちらかが妥協しても、こだわりが強いことは互いにわかっているため、妥協してもらったこともわかってしまう。
となると妥協してもらった方もいい気持ちはしない。。。

という、正解のない迷路に陥りました。

「デザイナーは一緒だから、ある意味ペアです!」

もはや指輪なんている...?早くビール飲みたい...。

ぐらいに投げやりになっていた何軒目か。お互い好きなデザインに出会えました。でも、別々のブランド、別々のショーケースに入っている...

お店の中を何周もグルグル廻って、一緒に探してくれる店員さんにももはや申し訳ない気持ちになり、このモヤモヤを正直に言ってしまおうと、

「私はこれで、彼はこれが好きなんですけど...」とお伝えしました。

すると、

「実はこれ、デザイナーさんが一緒なんですよ!」
「素材もどちらもプラチナとゴールドで、これはある意味ペアです!」

と謎理論で背中を押してくれました。

もはや本当かどうかなんて確かめる気もありません。それが優しい嘘でもいいんです。ある意味ペアだって!ペアならいいじゃん!とだいぶテンションが上がりました。

とはいえ、まだ一回目のショップ巡り。本当にこれがベストな選択なのかお互いに自信がなく、今決めるのはやめよう、とそのお店を後にしました。

ハリー・●●●ストンでも質屋に持って行ったら二束三文の衝撃

お互い、そこそこ自分のことは自分で決めてきた、決定力はある人間だと自負していました。なのに、結婚指輪となるとこんなに決定打にかけるのってなんでだろう。。

そもそも、世の中のカップルは、どうやって結婚指輪を選んでいるんだろう...???

論点の整理もできないまま、いたずらに時間ばかりが過ぎていきました。わからない領域過ぎて、考えることを放棄していたという方が正しいです。

気づけば、入籍を予定していた一年に何回かしかない縁起の良い日まで、あと一週間足らず...。デッドラインが迫ってきている...!

ふと、友人たちの飲み会で、結婚指輪の話になったことを思い出しました。

とっても高価でとっても素敵な結婚指輪をしていた友人が、夫婦の縁を解消することになった際、指輪を捨てることもできず、とりあえず質屋に査定に行ったところ、購入価格の100分の1ぐらいにしかならなかった話。

それを聞いた結婚を控えた友人が「指輪の価値なんて石にしかないんだから、俺は石を探しに今度御徒町に行く予定だ」と持論を披露した話。

「とりあえず、御徒町に行ってみるか」

論点の整理はできてないかったけど、わらにもすがる思いで、アクションプランは決まりました。

妥協の指輪を買いに行ったはずなのに、妥協できない私たち。

週末の御徒町。次の週末には区役所に婚姻届を出すことが決まっています。

購入するならこの週末がラストチャンス。

とはいえ、結婚指輪というものは、新品を大事にする文化らしく(誰かが試着したものはダメ)、ちゃんとしたものを購入しようとすると、購入決定してから作っていただける(刻印とかも入れてもらえる)ので、1-2ヶ月はかかるということは、表参道での市場調査からわかっていました。

御徒町に行ったとき、想定していたゴールとしては

・入籍日用にとりあえずの既製品を購入し、ちゃんとしたのは時間をかけて選ぶ
・とりあえずなので予算はできるだけ安く

でした。

でも、「とりあえず」「安くていい」と言いつつも、初めて購入する結婚指輪。妥協の指輪でいいと頭ではわかっていつつ、いざモノを目の前にすると妥協がなかなか難しい...

「ちょっと太さが気に入らない」
「ちょっとデザインが気に入らない」
「サイズがジャストフィットじゃない」
「とりあえずにしては値段が張る」

何店舗廻ったのか思い出せないほど、たくさんの指輪を吟味しましたが、なかなか、これだ!というものに出会えませんでした。

入籍日には指輪が欲しいという旦那の熱意が閉店間際ダッシュ生んだ

「もう諦めようよ(疲れたし)」
「気に入らない指輪を買ってもお金もったいない」
「来週末の入籍日には指輪なくてもいいじゃん」
「またゆっくり表参道に見に行こう」

私の提案に、夫も納得し、二人で御徒町の中華料理屋で慰労会をすることにしました。全品300円台の良心的でうまい店です。

ビールに餃子をつまみつつ、今日の思い出を話していたら...

「やっぱり、入籍の瞬間に指輪はあるべきだ!」
「あの店は閉店まで後5分あるから走ったら間に合う!」

途端に彼が熱を帯びて語り始めました。

あの店、というのは、300円中華屋から100mぐらいの宝石店で、両手に計10個ぐらいごっつい宝石の指輪をはめている、商売上手なお姉さまがいるお店です。

「もっとシンプルなのないですか?」と聞いたら、
「外国人に人気なのはこれ。ごついし金だからね

と、金のどシンプルな「甲丸リング」を勧めてくれたお姉さまです。

あれこれラッパーかな?というぐらいにはごつい金ピカリングだったので、令和の結婚にこれはないだろうと思っていたのですが、デザイン性に妥協するぐらいなら、ただの金の輪っかのがアリかも、とは二人で話しはしていました。でも、流石にギャグかな?という風貌で。。

夫「ねえ、あの金ピカのやつ買ってきていい?」
私「むしろあれくらいダサい方が面白いからそうしよう!」

ビールのアルコールと、大陸の風を感じる大味の中華料理に背中を押されて、悪ノリちっくに意見が合致しました。

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本気ダッシュで駆け込んで買ってきた指輪。予算は二つで5万以内。

「なんかこのドタバタがいい思い出になったよね」

2人でひと仕事を終えた後のビールはしこたま旨かったです。

結局結婚指輪は2セット買いました。

そんなこんなで入籍日には無事金ピカ甲丸リングを身につけ、婚姻届を出しに行けました。

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その後改めて表参道のお店に行き、「ブランドは違うしペアでもないけどデザイナーが一緒だからギリセーフ」の指輪を購入。私たちの手元には、今2セットの結婚指輪があります。

このドタバタ劇から一年半。一度も後悔したことはないので、なんだかんだいい意思決定だったのかなと思っています。

初めての経験って、意思決定の精度上げるのむずいというか無理ゲーなので、気が済むまでバタバタしてみてよかったです。






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