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APPLE BREAD

こんにちは。
群馬県桐生市でTHE BAKERYというパン屋をやっております。オーナー  /  シェフの阿久津です。
このnoteはお店としての情報発信ではなく個人的なブログとしてお店のパンの背景にあるストーリーなどSNSに載せきらない部分まで掘り下げて不定期で綴っていこうと思っています。
レシピも公開していくのでご興味ありましたらフォローしてください。

APPLE BREAD

第一回目はこの秋からTHE BAKERYで出している「アップルブレッド」の作り方を紹介します。

毎年この時期に作っているショソン・オ・ポム(アップルパイ)。
100kg近くのりんごを剥くのでかなりの量の皮がでるわけですが、なにかで活かせないものかと常々考えていました。
ネットで検索すると色々レシピも出てくるので時間を見つけて試してみるのですが、お店に出してお金を頂けるレベルのものはできなくて。。。
しばらく考えずに放っておいたのですが、りんごの木を見ながら生産者さんと話をしていると、引き継いだ食材を大切に使わなくてはいけないなぁ~と改めて思ったりもするわけでね。(そんな気持ちを維持する為に現場に足を運んでいるのかもしれません)
フレイバーティーとか、スペキュロスとか、黒糖蒸しパンとか、過去に頭の片隅に置き去りになっていたいくつかの「このテイストいいな」を引っ張り出して、毎週焼いている「バナナブレッド」をベースに組み立てました。
アイデアなんて経験値の組み合わせでしかなくて、無から新しい何かを生み出す事など私のような凡人にはできません。
開き直って大胆にパクるのは恥ずかしいので(恥ずかしくない人もいるようですが)、バレないように少しづつパクってほんの少し加えた自分らしさによって自尊心を保っているのです。
「そ、その部分はパクりかもしんねーけど俺のエッセンスもちょっと入ってるしっ!」
てね。


では作り方です。

アップルブレッドの配合(パウンド型1個分)

A:りんごの皮(紅玉)・・・150g
  *北欧のブラウンシュガー・・・80g
  *はちみつ・・・6g
  *塩・・・1.2g

B:ニシノカオリT60(平和製粉)・・・40g
      鶴のゆめ(星野物産)・・・8g
      ベーキングパウダー・・・3.6g
   シナモンパウダー・・・0.6g
   ジンジャーパウダー・・・0.6g
  
 全卵・・・1個
 ひまわり油・・・20g
 くるみ(ローストしておく)・・・20g
 白ごま・・・適量
  

まず、Aの材料を容器に入れ密閉してひと晩常温に置いておきます。
すると砂糖や塩の浸透圧によってりんごの皮の水分が出てきています。
これをブレンダーにかけます。(りんごは紅玉でなくても大丈夫ですよー)

ブレンダー

こんな感じに。(大きな皮が残っていると食感が悪くなるのでしっかりめにかけてください。)

Bの材料は全て一緒にふるいにかけておきます。
ニシノカオリT60」は中力粉、フランスパン用粉と呼ばれている他の小麦粉で代用できます。
鶴のゆめ」は他の強力粉で代用できます。
2種類の粉のブレンドによってタンパク質量を調整しケーキとパンの中間のような独特のムギュっとした食感を表現しています。

そして全卵を泡立てます。

たまご

もったりとするまで泡立てます。
そこにAの材料を投入して混ざったらBも入れて混ぜます。
パウンドケーキなんかは粉を入れたら極力グルテンが出ないようにヘラなどで優しく混ぜますが、このアップルブレッドはある程度グルテンを形成したいのでそのままホイッパーでしっかり混ぜていきます。

全体が混ざり、粉気がなくなったらひまわり油を入れます。
ここからはゴムヘラに持ち替えサクッと混ぜます。
最後にクルミを入れて全体に混ざったら終了。

おわり

この時点ではあまり美味しそうでは無いですね。。。

これを型に入れてゴマをふりかけて180℃のオーブンで45分間焼いていきます。
型に油を塗るか、ベーキングペーパーか何か敷いておくと取り出しやすいです。
上にかけるのはゴマでなくてもオートミールとかナッツなどお好みでアレンジしてください。何も無しでももちろん大丈夫ですが、上の部分を口に入れた時にフワッと何かしら違うフレイバーがあった方が飽きずに食べられるかなと思います。

タイマーがなったら真ん中に竹串などを刺して液状の生地がついてこなければ焼けています。
同じ温度設定でもオーブンの機種によって実際の温度や熱の入り方が違うので焦げてしまうようなら温度を下げたり、生焼けなら温度を上げるか時間を延ばすなど調整してみてください。

焼きあがり

スパイスの香るお菓子ってこの時期なんだかワクワクしますよね~
温かい紅茶と一緒にホッとひと息つきましょう。
美味しくてゴミも減って「わたし良いことした感」のおまけ付きです。
少し幸せになれそうでしょ。

りんごを食べて皮がでたら作ってみてください。(冷凍しておいた皮でも大丈夫です)
「りんごは皮ごとかじる派」はそれがベストかと。
ゴミとして捨てられるだけだったリンゴの皮がたくさん幸せに変わったら嬉しいです。​

ぐろさり

レシピの * 印のついた材料はTHE BAKERY店頭でもお買い求め頂けます。

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