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noriaki_wada
ドラマ日記『35歳の少女』（初回）
10歳の少女が25年後に目を覚ましたら、絵に描いたような理想の家族は崩壊。意識を取り戻したことは幸か不幸か。初回から容赦ない遊川和彦さんの脚本でした。
『○○妻』以来、5年ぶりに柴咲コウさんが、遊川さんと再タッグを組んだ本作。柴咲さんは、事故による25年間の昏睡状態から目覚めた女性・望美（中身は少女）を演じています。
娘の回復を待ちづけた母・多恵（鈴木保奈美さん）、事故をきっかけに多恵と離婚し、新たな家庭を持っている進次（田中哲司）、目覚めた姉に複雑な心境の妹・愛美（橋本愛さん）。
円満そうな家族も、たった一つの出来事で暗転。25年後にはバラバラになっていた家族は、昔の家族を偽装し、望美の退院祝いをするのですが、同級生だった結人（坂口健太郎）の登場で、あっけなく現状が露呈。
結人のセリフ「今はお前が夢見てたような未来じゃねーんだよ。温暖化やら差別やら原発やら、一杯問題があんのに、そういう物には目をつぶって、皆自分が得する事ばっかり考えてんだよ」。これが本作のテーマなんでしょう。25年前の心を持った望美の登場で、周囲がどう変わっていくのか。
柴咲さんの10歳らしい号泣演技もよかったですが、坂口さんのワイルド＆ダークな雰囲気も新鮮。一番よかったのは、長年の介護で笑顔が消えた多恵役の鈴木さん。久々のはまり役かも。望美が目覚める直前の、もう限界といった演技・演出は、自殺か介護殺人を仄めかしてたんでしょうか。
連ドラ初回は、その後の視聴継続判断をする最重要回ですが、そんな視聴者への忖度はせず、重たくてヒリヒリとする第1話。脱落者も少なくないとは思いますが、しばらくは見ていきます。
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