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女優ノート『麻生久美子さん』

気になる女優さんの出演作についての覚え書き「女優ノート」。今回は、2021年春ドラマ『あのときキスしておけば』に出演する麻生久美子さん。

アイドル志望で芸能界入りした麻生さん。1998年に今村昌平監督『カンゾー先生』のヒロインに大抜擢され、各映画賞を受賞。その後、黒沢清監督『回路』(2001年)や行定勲監督作『贅沢な骨』(2001年)などに主演。

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順調に見えて、実は女優引退を考えていた頃、転機となった作品が『時効警察』(2006年)。オダギリジョーさんの相棒役としてコミカルな演技を見せ、新たな魅力を開花。シリーズ化されるほどの人気作品となりました。

時効が成立した事件を、趣味で捜査する総武署時効管理課の霧山(オダギリジョーさん)と、交通課の三日月(麻生さん)の活躍を描いた新感覚コメディ・ミステリー。

その後も、『チェイス〜国税査察官〜』(2010年)『泣くな、はらちゃん』(2013年)『奇跡の人』(2016年)『dele』(2018年)など、麻生さんがヒロインを務めたドラマは名作になりがち説。

その説の作品として挙げたいのが、『この声をきみに』(2017年)。朗読教室が舞台のラブストーリで、麻生さんは教室の講師役。毎回、朗読シーンが素晴しく、主役の竹野内豊さんや柴田恭兵さんらの声に痺れます。最終回、竹野内さんが麻生さんに決めセリフ。傑作です。

家族に捨てられた偏屈な数学講師(竹野内さん)が、人生を変えるために訪ねた小さな朗読教室。謎多き女先生(麻生さん)や個性的なクラスメイトとともに、レッスンが始まる。今、静かなブームの朗読教室を舞台に、さえない男の奮闘をユーモアたっぷりに描く。

最後は、野木亜紀子さんのオリジナル脚本『MIU404』(2020年)。麻生さんは、男性社会の象徴・警察の中で戦う機動捜査隊の隊長役。『時効警察』の三日月役から隔世の感。現代の日本社会の闇にも鋭く迫った傑作。野木作品の『アンナチュラル』とのコラボも楽しかったなあ。

新設された“第4機捜”の隊員として招集された志摩(星野源さん)だったが、とある人事トラブルからバディとなる隊員が見つからないという事態に。やむを得ず、候補段階で落としていた奥多摩の交番勤務員・伊吹(綾野剛さん)を招集し、バディを組むよう命じられる。


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