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ドラマ日記『大奥』(最終回)&葉山奨之(はやましょうの)さんについて

三代将軍・家光の時代から、幕末・大政奉還にいたるまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いた傑作コミックを再ドラマ化した『大奥』の最終回。

吉宗(冨永愛さん)は、大岡忠相(MEGUMIさん)からの手紙と、村瀬(石橋蓮司さん)の死と同時に行方の分からなくなっていた没日録を受け取る。戻ってきた没日録を読んだ吉宗は、これまで隠されていた衝撃の事実を知ることに。

長女の家重(三浦透子さん)に将軍職を譲るも、引き続き大御所として老中らから意見を求められる吉宗。そんな吉宗を、大奥総取締として長年支えてきた杉下(風間俊介さん)が病に倒れ、何か報いたいと思案する吉宗。

自ら薬を飲ませるなど、甲斐甲斐しく看病する様子は、まるで長年連れ添った夫婦のよう。サプライズで吉宗が呼んだ元大奥総取締・藤波(片岡愛之助さん)を囲んでの楽しいひと時を過ごした後、吉宗や家重ら多くの者に囲まれて杉下は旅立っていきました。

百姓一揆の頻発への対策に頭を悩ませる幕府。吉宗は家重と田沼意次(當真あみさん)の想いと斬新な案に感心。そして、余命僅かな加納久通(貫地谷しほりさん)の最後の出仕の日。吉宗は没日録に記されていた秘密を、久通に確認。

久通は吉宗を将軍にするべく、吉宗の姉らを謀殺していたことを告白。久通は“一炊の夢”だったと。吉宗は「辛かったであろう、久通」と涙。後を追うように、吉宗も倒れ。生前、自分が成しえなかった赤面の撲滅を意次に託し、「滅びぬ。この国は滅びぬ」のメッセージを残し死去。

season2の登場人物を演じる鈴木杏さん、玉置玲央さん、村雨辰剛さんがサプライズ登場したりと、続編への引きも十分。よしながふみさんの傑作漫画の原作と、オリジナル部分が見事に癒合した、森下佳子さんの脚本も見事。

現代人の姿で渋谷のスクランブル交差点に冨永さんが現れる斬新な演出は、この作品のメッセージが、現代にも通じているということか。ロケ大変だったでしょうね。

「日が沈む」まさに“落日”のこの国で救世主となるのは、権力を持った既成の老害男性ではなく。といって、与党にありがちな“男性化”した女性代議士でもなく。性別を超えた、覚悟ある女性なんだろうなと。

余談:きゃりーぱみゅぱみゅさんとの結婚を発表した俳優・葉山奨之さん。朝ドラ『まれ』で主人公(土屋太鳳さん)の弟を演じたことで知られていますが、『僕たちがやりました』のマル役や、『透明なゆりかご』における妊婦の夫役などは最高でした。『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』もすごい役どころ。


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