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理解を深めるためのプロセス

はじめに

最近みなさんは本を読まれていますか?私は結構久しぶりに本を読む機会が増えてきています。そのきっかけとなったのが、社内で行われている「Active Book Dialog」(以下ABD)という、一冊の本を担当を分けて読み、読んだ人が内容を発表してシェアする形式の読書会です。対象の本は「エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計」という技術書です。

この本は2011年に日本語訳の出版が行われていますが、原典はこちらで、2003年出版です。8年経っても日本語訳の需要があるというのは、内容について魅力がある、もしくは技術の変遷に依らず、開発を行う上での有用な考え方があるという事なのかもしれません。

この本、私はまだ全て読み切っていませんが、冒頭の箇所と担当の箇所のみ読んだだけで受けたファーストインプレッションは、「読みづらい」「よくわからん」という表面的なネガティブな印象でした。日本語訳が8年も経ってから登場した背景が少し垣間見えた気がしました・・・。正直、一人でこのページ数で本質を掴んでいくのは心が折れそうです。

そのため、ABD形式で読んでいけるというのは読むきっかけとしてとても良いもので、購入のハードルが一気に下がりました。

今回は自分がまとめる担当だったところに対して、いかに難解なものを理解していき、まとめて、発表するに至ったかのプロセスをまとめていきたいと思います。

1. まずざっくりと把握する

まず読もうとしている範囲のボリュームを把握します。パラパラと見て、区切りになりそうなところ(サブセクション)の個数を把握します。そうする事で読書のペースだったり、スケジュールを組みやすくします。普段から本を読まれていたり、速読が得意な方には必要ないかもしれませんが、今回はまとめの発表が予定として控えていることもあったので、計画的にやらないと、一夜漬けテスト勉強(ひどいときは浅漬けテスト勉強)状態になってしまうため、まず、ざっくりと把握する事から始めました。

2. 区切り毎にまずさらっと読む

把握した区切りまで一旦メモも取らず読みます。
この時に、「おや?」と思ったり、「よくわからないな」と思ったとしても、一旦やり過ごして一気に区切りの最後まで読んでしまいます。わからないという感情は、続きを読む気力を削いで行きます。ここでは、とりあえずわからないところはあったけど、読み切るという事を目的にします。

3. メモを取りながら読む

次は、メモを取りながら先ほどの区切りの部分を読みます。
メモは iPad Pro で、 Apple Pencil2 を使い、 GoodNote5というアプリで取りました。以下がそのメモの一部です。

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「本文を抜き出して矢印つけたり、簡単な図を書いて情報を整理する」という事を主にやりました。
ここで、まだよくわからないなと思った事は、わからないという「自分の気持ち」を書いたり、よくわからない言葉を別の言葉に置き換える事で理解できそうだと書いたり、「書籍に記載のある事実」をメインに書き、「一歩理解に必要なメモ」を書いていきました。

4. メモから要約を作成する

メモを見つつ、改めて読み直します。そして、要約を文章化していきます。
今回は、自分の個人ブログに書いていく事で、要約を作成しました。


「メモしたけど、この情報は本質ではなさそう」だとか、「特に気にしなくて良さそう」といったものを取り除いていきます。

5. 図示しながらまとめる

最後に、メモとブログを基に、スライドにまとめていきます。
ここまでくると、どういった情報が必要で、何を伝えたいかが明確になってくるので、図解する事ができます。

メモに書いていた図はそのまま使ったり、少しレイアウトを変えたりと、実際に発表する事を意識して、図を書く場所とかも検討します。
なるべく図をメインにして文字は減らす事によって、重要と受け取ったワードを目立たせる事ができます。以下がそのまとめスライドの一部です。今回は手書きスライドにしました。

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この作業をやっていて、新たな気付きもありました。
「ドメイン駆動設計は2本の足で立つ」という文章が唐突に出てきて、よく分かっていなかったのですが、「2本の足で立つ」→「目標に向かって歩く事ができる」と、言い換える事ですごく腑に落ちたこともあったので、細かくまとめるプロセスを経る事で理解が進んでいくと言えると思います。

さいごに

今回、時間をかけてわずか数ページを読みましたが、初回に読んだ時の理解と現在の理解とでは理解の深さに違いがある事を感じます。

少しずつ、できる範囲で目標を区切って頭の中を整理する事で、徐々に理解が深まっていきました。

久しぶりに読書して何かを学ぼう、勉強しようという気持ちがある方で、手書きメモが苦手でなければ、お試しください。

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