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20200109「好きな食べ物苦手な食べ物」

好きな食べ物はカレーと冷やし中華、嫌いな食べ物もとい苦手な食べ物は食べ慣れていないもの。

人間の味覚など、所詮は「食べ慣れているか否か」で好き嫌いを判断しているのではないかと思い始めたのは、長年嫌いな食べ物として君臨していたものを食べられるようになった時だった。

「いつもの味」って安心しません?

料理研究家の方にめちゃめちゃ怒られそうなことを書いていますがこのまま勢いに乗って長年思っていたことを書いていきます。

私の母親は、好き嫌いをすることに厳しい人で、当然その母親は家庭内ヒエラルキーのトップに君臨をしており、逆らうなど言語道断だと思っていた。幼馴染曰く「こねぎちゃんが小学生の頃に思い詰めた顔で『うちのお母さん、本当に怖い。困る』って言ってたの忘れられない」という程度には、幼い頃から母親が怖かった。怒鳴ったりするタイプの人ではなかったし、勉強をしろと言うような人でもなかったけれど、とにかく「躾」が厳しかったように思う。
どういうわけか弟や妹は平気で逆らったり口答えしたりするんですけど。
なんで下の子ってあんなに強いの?

話が逸れました。
とにかく厳しい母親だったので、「好き嫌い」という概念が私の中にはあまりなく、出されたら食べる、とにかく食べる、残すなど言語道断、で生きて来た。
が、幼少期から長らく嫌いな食べ物として名を馳せていたものがある。
セロリだ。

忘れもしない、幼稚園で何故か野菜スティックを食べる機会があって、大根だと思って食べたら不思議な味がした食べ物。
我が家は、母親がセロリが嫌いだったので(子どもにはあんなに厳しかったのに自分は嫌いだったとは衝撃である)食卓に並んだことがなかった。だから、私は体内に取り入れたことのない味に心底驚いて拒絶反応を示したのである。あれを口に入れた時の衝撃は筆舌に尽くしがたい。とにかく衝撃だった。

以来、嫌いな食べ物はセロリ一択だったのだが、中学生くらいで仲間入りを果たした食べ物がある。
日本人が大好きな「生魚」である。

これにも、セロリ同様明確に「嫌だ」と思った時の記憶がある。

私には、年の離れた妹がいる。というか、間には弟が2人いる。
母親は躾に厳しい人で、必然的に小さい弟や妹に生活の軸が持っていかれるので、中学の定期テスト期間に入るまでは夜8時には就寝していたし、テレビは一週間に30分しか見てはいけなかったし、生魚は食べてはいけなかった。
いや幼子が生魚を食べてはいけないのかどうかは知らないんですけど。
それがある日、中学だか小学校高学年だったある時に、突然私とひとつ年下の弟だけが生魚を食すことが許された。
そう、SASHIMIデビューである。

両親や祖父母が食べる刺身を羨ましいと思っていたらしい弟が、嬉々として口に運ぶのを、信じられない気持ちで見ていた。
いや煮るか焼くかして。
魚は煮るか焼くかしてから出して!!!!!

よくわからないが恐らくは刺身や納豆に初めて出会う外国人はこういう気持ちになるのではないかと思う。「いつもの状態」ではないことに、拒否反応を示してしまったのだ。
そうして、肉よりも魚が好きな小学生だった私、まさかの嫌いな食べ物に「刺身」が加わることになりました。

が、時は流れて社会人。
縁あって、というか会社の命令により、秋田県へ行くことになった私。
海なし県埼玉で生まれ育った私、嫌いな食べ物「セロリと刺身」でも迫害されることなく生きてきたわけですけれど。
海の幸が取れる秋田県、これでもかというくらい刺身が出てくる。
いや居酒屋の御通しとか、ランチの小鉢的なものでかなりの確率で刺身が現れる。しかも、同じく関東から赴任した同期や先人たる先輩方は、刺身が新鮮でおいしくてしかも安いことにいたく感動する。

いや生魚食べられませんとか言えなくありません?
最初の職場では言ったけど。

あと、刺身が食べられないと料理が足りなかったりする。困る。お腹は空くし、日本酒を水みたいに飲む秋田県民とは違ってめためたに酒に弱い私は酒の席で食べ物を胃袋に入れないという選択肢はない。

ので、しぶしぶ食べるようになった。
そうしたら、3年目くらいで刺身を食べられるようになった。
\コネギモン、進化~!/
(デジモンの映画見に行かなきゃ)

ちなみについでのように、大体時期を同じくしてセロリも食べられるようになった。
会社の研修所で、「裏の庭でセロリ栽培してんじゃないか?」というくらいセロリスープが出たことがあって、とにもかくにもセロリが嫌いだけれど、残すのはもっと嫌な私、1か月研修所に缶詰にされてセロリスープを摂取していたら大丈夫になった。
\コネギモン、進化~!/
(選ばれし子どもたちが大人になるってどういうことなんでしょうか)

この経験から導き出された解はひとつ、私は「慣れない食べ物=家庭であまり出なかったものが苦手」なだけである。

そうと気づけば心置きなく苦手宣言をする!
カリフラワー(ブロッコリーが白くなったみたいだから)
ピンクグレープフルーツ(ピンク…?)
アロエ(えっなにあの形…)
タン(舌…?)
ズッキーニ(熟れすぎたきゅうりみたい…)
パプリカ(ピーマンが大きくなって色が変わった…)
等々。枚挙にいとまがない。当たり前である。

ちなみに、想像さえしなかったような、他に類を見ないものは平気である。
うにとか。
なまことか。
カキとか。
白子とか。
きくらげとか。
山菜とか。
美味しいよね。

出てきたら食べるけれど、「慣れないもの」は苦手である。それでも出てきたら食べるのは、残すことが出来ないから。母親の罪(?)は大きい。

そしてこれの裏を返せば、「慣れたもの」が一番おいしいと思うのではないかと仮説を立てた。いやもちろん高級レストランで食べるとうもろこしのスープは絶品ですけど。でもクノール美味しいじゃん。で、一番好きなコーヒーはドトールのアメリカン。バイトをしていてとにかくよく飲んだから。未だに一番好き。
「安心できるもの」の中にも順位はあるので、カレーと冷やし中華が今のところトップを独走しているけれど。

要は安心できる味が好きで、未知の味や見た目には身構えてしまうのだ。
実に本能で生きている女らしいまとめである。

いやそう思いません?

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