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20200523「真っ白なワンピース」

真っ白なワンピースを着ました。
人生で初めてでした。

「白いワンピースなんて着れない」
と感じたことのある女性は、どれくらいいるんだろう。
私の体感、生きてきた人生の周りにいる人たちに限った私調べの調査によれば、7割くらいなんじゃないかと思う。
勝手に7割にしたのは、私が遠い夢物語を語るように「一度でいいから真っ白なワンピースを着てみたい、というか似合う女の子になりたかった」という話をすると、高確率で「わかる」または「白を着る勇気はないよね~」と言われたような気がするからだ。
「着ればいいじゃん」と言ってきたのは記憶の限り2人。
いやそもそも何人にこの話をしてんだって話ですけど。

幼稚園からずっと平均より身体的に大きかった。だからというわけでもないんだが、いわゆる可愛らしい格好にはあまり憧れたことはない。小学校4年生くらいまでは、むしろスカートをはきたくなかった。
加えて、年が近い弟がいたからか、どちらかと言えば男勝りな性格で、興味があるものも男友達と共通していることが多かった。(野球、ハイパーヨーヨー、ミニ四駆、デジモン、えとせとら)
だから間違っても「私だって可愛い服を着たかった!」とか「もっと女の子扱いしてほしかった!」とか言うつもりはないのだけれど、漠然と「白いワンピース」には憧れていて、けれども買ってとせがむ勇気はないまま大人になって、白いワンピースくらい買える財力を手にしてからもう随分経つのに未だに買ったことはなかった。

嘘だ。
社会人になってすぐに、一着買った。
でも、それだけで着る勇気はやっぱりなくて、緑のパーカーを着たりスキニーを履いたりした。夏の素材で真夏には一枚で着られるものだったと思うんだけど、写真見返しても春頃着てることがほとんどなんですよね。羽織ってごまかしたかった(何を?)んだと思う。
そのワンピースみたいなチュニックみたいな、あの時の私にしてはめちゃめちゃ勇気を出して購入したワンピースは、誰かに会えば「珍しい」と言われて、別に今考えればそれは非難されていたわけではないのだろうけれど、「そうだよねどう考えたってキャラじゃないよね似合わないもんな」と勝手に委縮してすぐに着なくなってしまった。

キャラってなんだ。
らしさってなんだ。

いやいいんだ、人間誰しも多少なりとも「こうありたい」と思う理想像はきっと持っていて、自分のなりたいキャラとからしさだったらいいと思うんだ。
でもなんだ、なんていうか、いやお前ずっと漠然と白いワンピースに憧れてるんだろ他人なんか気にせずとっておきを一枚くらい買って堂々と袖を通しなよ30歳にもなってとか何ですか法律で白いワンピースは何歳までしか着ちゃダメとか決まってるんですか「ぽくない」というのは何か他人に迷惑をかけるんですか!?!?!?!?!?

と、突然強気になったので今年買ってみたのです。
何だったんだろう。
色んなものが吹っ切れたターンだった、2019年下半期。

で、素敵だな~でも似合わないかもしれないな~キャラじゃないしな~とずっとうじうじしながらもチェックしていたfoufouさんのね、白ワンピをね、ぽちったわけでしてね。

吹っ切れたと見せかけて「似合わなかったらどうしよ~~~~」という、似合わなかったら何がどうなるんですか?何の心配ですか?何がどうしようなんですか?とつっこみたくなるようなうじうじした私もまだ存在してたんですけど「染め直しできる」っていうところに安心して全力で通販戦争に赴きました。この期に及んで逃げ道を作る。

3月?だったかな?
無事、届いたんですよ。
段ボールから出すときのわくわく感ったら。
最近の通販で一番テンション上がってたと思う。
でね、
袖を通してね、



びっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっくりするくらい似合わなかったのよ。



いや違う、違うんだ、顔がそもそも可愛くないと思っているとかどうみたって私は白石麻衣ちゃんではないからそもそも白いワンピースが似合うわけがなかったとかそういう卑屈な話じゃないんだ聞いてくれ。

遡ること2月下旬。コロナが流行り始めたけどギリギリ外出自粛ムードではないような自粛し始めてる人もいるようなそんな時期。
あたい、秋田を出てからも秋田でお世話になってたお姉さんに髪を切って貰ってたんだけども、そのお姉さんが一旦お仕事をお辞めになられていて、1年?2年?くらい美容室難民になってたのね。だからあんまりこう…、しばらくは手を入れなくてもいいワンレン黒髪ロング的な髪型だったし、強制的な断髪イベントこと異動があったから(異動まで伸ばして異動決まったら思い出と共に髪をばっさり切るというのを社会人になってからずっと繰り返している)ショートにバッサリしたものの無難な感じで適当にまとめられる髪型にしてもらってたのよ。
ところがさ、お姉さん美容師として復活したって言うじゃないですか!
もうルンルンで髪を切ってもらいに行くじゃないですか!(@宮城)
あっ、そういえば異動して今の部署は最早金髪もオッケー★っていうところだった染めよう!

「久しぶり~~~!染めたいとは聞いたけどどんな色にします?どんな髪型にします?」
「髪型は任せる!色は染めたいけど元箇所に呼び出された時にごまかせる程度がよくて(チキン)、でも強めにして!強い女がいい!」
「強め!?わかった!」

っていう、信頼できるお姉さんに久々に任せられることが嬉しくてわけわからんオーダーした結果、強めな髪型だったんすわ。いやそんな金髪とかじゃないけど、こう、なんというか、おしとやかな感じとか清楚な感じではない系。後輩に「元ヤン感が増しましたね!」って言われる系。私は「進藤ヒカル」って呼んでた。そんな感じの髪色と髪型。
念のため補足しておくと元ヤンではないからそもそも増すという概念はない。

いやしかしちょっとほんとにびっくりするくらい似合わなかったんすわ。
正しくは、びっくりするくらい想定外の感じになったんすわ。
幼いころから漠然と憧れていた真っ白なワンピースを着た女子、
とは、
大分違う感じの仕上がりになったんですね!!!!!!!!!!

これはせめて髪が伸びるまで待って、括れるようになってからにしよう、とその時固く誓いました。
春先に着たかったから、今年はもう無理かなって諦めて、来年かなあ、なんて思ってたんですけど。

ここ数日寒いじゃんね!?
いける!髪も良い感じに伸びた!

と、いうわけで晴れて白いワンピース一枚で軽やかに飛び出しました。
仕事の関係で、ちょっとだけの外出で、ただ電車に乗って人にあって、真っすぐ帰って来たんだけど。



すっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっごい楽しかった。



誰と出かけるでもなし、顔には大きいマスクをつけていて、ただ真っすぐ電車に乗って外に出るだけだったけど。
ほとんど閉まっているお店の大きなガラスに全身が映って。
真っ白でくるっとしたら広がるくらい長くて布がたっぷりのワンピース。
「おばあちゃん!」と母親から言われるくらい猫背なはずなのに、ちょっと笑っちゃうくらい良い姿勢の女が映ってた。
foufouさんのワンピースがそもそもそれはそれは好みの形でめちゃめちゃに可愛いということが大前提なんだけど、

私可愛いなって思った。

可愛い、素敵じゃん!今日の私イケてるよ!どういうわけかすっぴんで過ごしてたらめちゃめちゃに荒れたから今日も今日とてメイクしてないけど素敵!ルンルン!

ファッションの力って偉大だよね。
かなしいかな、日本人にありがちな自分の容姿に自信がないというあれそれ、私も例に漏れることなく当てはまるし、これに関しては掘り下げたら間違いなくかさぶたを剥ぐどころかドリルで抉るくらいなんで色々省きますけど、ファッションについて私は「人前に出るのに恥ずかしくないようにするためのアイテム」と思っている傾向があって、「自分を可愛く、綺麗にするため」の服選びをあまりしたことがなかったんですが、

いやーーーーーーーーーーーーーーーーー素敵じゃん!?!?!?!?

真っ白ワンピを着ている私、強い。
小さい頃からの憧れを身に纏った私、強い。
強い髪型にせずとも、強い。
今なら勝てる。(?)

せっかく白ワンピースを着るからと思って、ぽいとかぽくないとか関係なく、好きなように好きなものを身に纏った。
HTHREEさんのローファー。
sevinc8さんの真っ赤なバッグ。
ふらっと寄った雑貨屋さんで見つけたお気に入りのピアス。

楽しかったな。
ただ電車に乗って人に渡すもの渡して帰ってきただけなんだけど。
え!?
宣言解除になって、会いたい人に会って美味しいごはん食べて見たいもの見たりしたらもっともっと楽しくなるじゃん!?

すごい。
ファッションってすごいな。
おしゃれっていい。
おしゃれって楽しいじゃん!!!!!
着物は楽しんでるんだけどね、普段着着物とはいえ、やっぱり着物はちょっと特別で違うと思ってたけど、一緒だね!!!洋服も和服も一緒だね!!!楽しいね!!!
私なんかがおしゃれしたところで…とかいううじうじくんとは今日でおさらばだ!!!
可愛いよ私!!!

foufouさんありがとう。
間違いなく何かが変わった一日でした。

噂に違わぬ着るのも脱ぐのも面倒な仕様だったけど(笑)、それを上回る可愛さと楽しさだったのでたくさん着ます。

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