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「介護離職」という日本の大きな課題と向き合う。家族だけでの介護は選択肢の最後に、遠距離介護の普及を

年末、親戚の息子さんから秋田で介護施設を経営する私に「相談に乗ってほしい」という連絡が届いた。静岡に住む母親(70歳代後半女性)が、脳梗塞で倒れてしまったらしい。

左半身麻痺の後遺症が残り、リハビリ後は自宅へ戻ったが、移動は車椅子でトイレへの介助も必要な状態だった。介護区分は要介護4。コミュニケーションはしっかりとれ、自身の想いも伝えられる。介護者は80代の夫のみ。子どもは2人いるが、首都圏で生活している。週2回のデイサービス、夫の用事があるときはショートステイを利用していた。

そのような生活をしていることは親戚伝えに聞いていたが、年末にとうとう介護者が体調を崩し、東京に住む息子さんが定期的に行き、介護するようになったらしい。

息子さんからの電話では、「母が『お父さん(介護者)にもこれ以上、迷惑をかけれないから生まれ故郷の秋田に行き、あなたの施設に入りたい』と言っている。正直、私自身も仕事があり、ずっと静岡にはいられない。父の体調のことを考えてもこれ以上は限界かも。私が秋田に行くので、ぜひ相談にのってほしい」ということを言われた。その後、父親や母親ともコミュニケーションをとりながら、現在進行形で今後について話を進めている。

10%の企業で発生する「介護離職」にどう向き合うか

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(秋田県で「ショートステイ輪」や「ショートステイ縁」、認知症対応型通所デイサービス「ゆいまーるの家」などの介護施設を経営しています!)

今回のように、身内が急に介護を必要としたとき、どうしていいか分からなくなる人は多いだろう。身近に詳しい人や経験者がいない限り、こうなってしまうのは仕方がない。

そんなときにまず優先してほしいのは、とにかく近くに相談できるコミュニティや人を作り、自分の不安をできるだけ減らすことだ。ギリギリまで抱え込み、明日どうなるかわからない状態で相談をされても、施設や行政がすぐ対応するのは難しい。

私自身も、介護者自身が精神的にまいってしまい、共倒れするケースを見てきた。今回の場合も、父親がもし倒れたりしたら、息子さんが仕事を辞めて、2人の介護をしなければいけなくなる。そのとき新しい仕事はすぐ見つかるか、金銭面でのやりくりはどうするか、自身のメンタルケアはどうすべきか。特に「介護離職」が与える影響は大きいと考えられる。

東京商工リサーチが全国の企業を対象に実施したアンケートによると、「過去1年間(2018年9月~2019年8月)に介護を理由とした離職者が発生しましたか?」という質問に対して。「ある」と答えた企業が666社(10.1%)、「ない」は5495社(83.9%)となった。すでに10%の会社で介護離職が発生しており、今後この問題はより顕在化してくるだろう。

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介護離職という点において、身近に相談できるコミュニティや人がいない場合は、外部のサービスを利用するという選択肢も生まれている。個人的に注目しているのが、N.K.Cナーシング コア コーポレーション社が提供する「わたしの看護婦さん」というサービスだ。

わたしの看護婦さんでは、「病院・外出付き添いサービス」や「訪問サービス」「エンジェルサービス(終末期の付き添い)」など、医療福祉の専門家ならではのケアを提供している。提供地域は限られているが、こうしたサービスが利用できるという選択肢があると、遠方で暮らす両親の様子が気になるけれどすぐに帰れないという状況になっても安心だ。

介護施設で提供できるサービスは、その範囲や時間が定められているため限定的となってしまう。わたしの看護婦さんにはこのような縛りがないため、多様なニーズに応えることができる。保険外となるため、自費で全額負担するとなると利用するハードルは高くなるかもしれないが、介護離職という課題に向き合ううえで今後必要なサービスとなるだろう。

個人的には「家族だけで介護をすること」は、選択肢の最後に置くべきと考えている。先ほども記したように、家族が共倒れしてしまうという可能性が高くなるからだ。遠距離にいたとしても周囲の人々や外部のサービスの助けを得ながら、個々のキャリアを大切にするためには何が必要になるのか。今回の相談をきっかけに考えたいと思い、noteで発信を始めた。

今後も「介護離職」や「未来の介護のカタチ」について、noteを通して考えていく予定だ。読んでくださった方々にも意見やアイデアがあれば、ぜひ教えてもらえると嬉しい。

あきた創生マネジメントでは、Sketter福祉留学仕事旅行社といったサービスを通して介護や地域づくりを気軽に体験できる機会を作っています。興味のある方は、ぜひ各ページからお問い合わせください!

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感謝感謝です(^人^)
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株式会社あきた創生マネジメント代表取締役。秋田県でこれからのカイゴのあり方の模索している経営者です! ビジョン「オモイ」に寄り添い「イキル」を共に創り「アカシ」を繋ぐ     2020年スローガン 多様性が生きるチーム創り https://rin-sousei.com/