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サハンが面白い!-中国BL小説&アニメ「人渣反派自救系統」「穿書自救指南」見どころ&あらすじ-

ご無沙汰しております、あこです。すっかり中華沼にはまってしまい、原作小説を読む→創作を読むという生活を送っており、ブログを書くことから遠ざかっておりました。そんな私が久しぶりにお勧めしたいのは、中国BL小説とそれが3Dアニメになった「人渣反派自救系統(通称:サハン)」です。

中国BL小説がアニメとかドラマになるときにほぼほぼ行われる”ブロマンス改名”により、この小説も例外に漏れずそうなっております。アニメは「穿书自救指南 Scumbag System」というタイトルでYouTubeで見ることができます!

アニメはすごく中途半端なところで終わっているので、基本は原作ベースでお話していきたいと思います。

※アニメはインドネシア語字幕を自動翻訳で視聴、原作は途中から中国語を自動翻訳で読んだため理解が不十分なところがあるかもしれません。間違いがありましたら教えていただけるとありがたいです。

あらすじと視聴方法

あらすじ:時は現代。主人公の沈垣(シェン・ユアン)は大人気エロハーレム小説「狂傲仙魔途(きょうごうせんまと)」を愛読していた。長い間読んで来たこの小説の結末に納得いかなかった沈垣は、不満をネット上に書き連ねて憤慨。その時に食べていた肉まん(らしきもの)を喉に詰まらせて死んでしまった。死にゆく中で聞こえて来たのはGoogle翻訳のような機械的な音声…「YOU CAN YOU UP, NO CAN NO BB.(文句があるなら自分でやってみろ、そうでないなら口を挟むな)」という声。その言葉とともに、目が覚めると愛読小説「狂傲仙魔途」の世界へと転生していた。あろうことか沈垣が転生したのはこの小説の悪役である「沈清秋(シェン・チンチュウ)」。3000人のハーレムを従える主人公「洛冰河(ルオ・ビンハ)」に最終的に両手両足を切り落とされダルマ状態にされ、拷問されてしまう運命にあったのだ!この主人公の闇堕ちを回避し、自身が拷問される運命から逃れるため、”沈清秋”へと生まれ変わった”沈垣”がシステムから出される試練をクリアしていく。

超雑にあらすじを言うと「自分の拷問を免れるためエロハーレム小説主人公の闇堕ちを回避しようとしたら、主人公に愛されてBL展開になっちゃった!」という感じ。設定からしてガッツリ心を掴まれてしまう…。

【概要】

中国耽美(BL)小説「人渣反派自救系统」が原作。人気小説「魔道祖師」と同じ墨香銅臭作。残念ながら日本語版はまだ未発刊。台湾版は書籍(上・中・下巻)として日本でも紀伊国屋書店などで購入可能。韓国版はWEB小説として読むことができます。その他、タイ、ベトナム、ミャンマー版有。

日本では有志で翻訳してくださっている方がいます。各種条件を満たしていると読ませていただけます。この方の翻訳がめちゃくちゃ面白い!この翻訳のおかげでハマったと言っても過言ではない…。(本当にありがとうございます)途中からは自動翻訳で読みました。

【視聴方法】

YouTube:3Dアニメ「穿书自救指南 Scumbag System」第1期全10話×約20分。EP5まで外部字幕サイト”youtube external community cc”にて日本語字幕を付けてくださっています。(見方はこちらのブログ参照)来年2022年に第2期が配信される予定。

WeTV:要VPNで日本語字幕もついていませんが、WeTVでも見ることができます。

↓1話の視聴はこちらから

押さえておくべき主要登場人物

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出典:穿书自救指南官方微博

沈清秋(シェン・チンチュウ)/ 師尊(シズン)

蒼穹山派、清静峰の峰主。沈垣(シェン・ユアン)が生まれ変わったハーレム小説「狂傲仙魔途(きょうごうせんまと)」の悪役。原作では若さも才能もかっこよさも全て兼ね備えた洛冰河(ルオ・ビンハ)に嫉妬し、虐待の限りを尽くして虐げていたため、闇堕ちした洛冰河に復讐で両手両足を切り落とされる。

沈垣が生まれ変わってからは、なんとか最後に受ける酷い仕打ちを回避しようと、洛冰河にできる限り優しく接する。沈垣がとてもいい奴なので、生まれ変わった沈清秋は人を思いやれる善人。キャラ崩壊しないようにポーカーフェイスを装っているが、心の中はいつも激しいオタク早口突っ込みで溢れている。魔物オタクなので、原作に出てくる魔物のことをかなり把握している。

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出典:穿书自救指南官方微博

洛冰河(ルオ・ビンハ)

原作『狂傲仙魔途(きょうごうせんまと)』の主人公であり、文章で表現しきれないほどのイケメン。魔族と人間のハーフだが、幼少期に実の親に捨てられ養母に育てられるも貧乏な生活を送っていた。原作では闇堕ちした後、魔界から人界(修真界)に戻って来たときに、自分に対して酷いことをした者たちすべてに報復していく。その美しい顔で原作では3000人の女性を虜にし、巨大ハーレムを築いていた。

沈垣が転生して出会ったのは14才の洛冰河。自分が魔族と人間のハーフということも知らず、幼い時はとても素直で一生懸命。キュルキュルのお目目で師尊である沈清秋の心をバッチリつかむ。急に優しくなった師尊に最初は疑いの目を向けていたが、その優しさに触れるうちに尊敬だけではない気持ちも抱くようになる。

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出典:腾讯视频 YouTube

柳清歌(リュウ・チングー)

蒼穹山派、百戦峰の峰主。原作では沈清秋と犬猿の仲。修行中に気が暴走して死にかけていたところを、それに乗じて沈清秋が殺害した。転生後の世界での沈清秋はそれを助け、原作とは違う友好的な関係を築き始める。戦いが好きなツンデレキャラ。助けられてからは絶対に沈清秋のことが好きで、沈清秋が危機に陥ると必ず現れて助けるマン。私の中では「ヤナギセイカ」呼びしている。

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出典:腾讯视频 YouTube

岳清源(ユエ・チンユアン)

蒼穹山派の掌門であり、穹頂峰の峰主。沈清秋の師兄でもある。原作では岳清源も沈清秋に殺されている。優しく思いやりのあるキャラで、沈垣もなぜ沈清秋が岳清源を殺してしまったのか理解できない。いつも沈清秋の味方でいてくれる。冷静に大局を見ることができる。

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出典:腾讯视频 YouTube

明帆(ミンファン)

沈清秋の弟子。原作では沈清秋と一緒に洛冰河をいじめ抜いていたため、闇堕ちした洛冰河に殺される。同じ弟子である寧嬰嬰のことを気に入っているので、寧嬰嬰に気に入られている洛冰河が死ぬほど嫌い。

転生後の世界では師尊と親しくなっていく洛冰河にモヤモヤしている。

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出典:腾讯视频 YouTube

寧嬰嬰(ニンインイン)

沈清秋の弟子。原作では沈清秋が気に入っているが、本人は洛冰河が好きで、後々洛冰河のハーレムに最初に入る女性。ちょっとおつむが弱めなので、悪気なく地雷を踏みまくって余計洛冰河がいじめられる原因を作ったり、トラブルを起こしまくったりしている。

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出典:腾讯视频 YouTube

漠北君(モーベイジュン)

純血魔族で洛冰河の右腕として活躍することになる。原作では最後の方に出てくるはずだったが、転生後の世界では仙盟大会のときに現れる。いつも洛冰河が望めば現れてくる神出鬼没な魔族。

他にも後半に行くにつれ登場人物が増えていきますが、とりあえずはこの辺で…。洛冰河のハーレムに入るはずだった女性はたくさん出てきますが、実は私も良く分かってません(笑)。

こちらの小説も公式でカップルが決まっており、攻め受けも固定でリバや他カップリング厳禁だそうです。公式CPは洛冰河×沈清秋漠北君×尚清華の二組です。(尚清華の人物紹介は書いておりません…多大なるネタバレを含みそうで…)

複雑な世界観

中国の時代劇ものでは必ずちょっとひっかかってしまう独特の世界観。サハンも初めてだと理解しづらい用語などが出てくると思います。

サハンは『仙侠モノ』に分類されます。人界(人間が住む世界)、魔界(魔物が住む世界。洛冰河や漠北君など)、修真界(修行して仙人を目指している人たち)の3つが世を形成しており、人界と魔界は裏表の世界でつながっている…という描写があります。

修真界の中でも沈清秋が所属しているのは『蒼穹山派』の”清静峰”というところ。色々出てきますが、基本は沈清秋の「清静峰」と柳清歌の「百戦峰」、岳清源の「穹頂峰」が分かっていれば(多分)大丈夫。中盤から他の宗派も出てきます。宗派の下に峰があるという感じです。

【剣のこと】

武侠モノも仙侠モノも、それぞれの人が持つ剣に名前がついていて、特別な意味合いを持つようです。この物語では沈清秋の「修雅剣」、岳清源の「玄粛剣」、崖落ち後の洛冰河が持つ「心魔剣」がよく出てきます。

洛冰河の愛と執着が凄まじい

ゲームや物語の世界に入ったりタイムスリップしたりという話はたくさんありますが、それにBLを絡めてるのが面白い。原作ではハーレム3000人作っちゃうくらいのスペックと性欲の持ち主である主人公が、たった一人の男性(師尊)を愛し執着していく…。

洛冰河の愛がですね…重い!生まれながらにして不幸な境遇で、ずっとつらい思いをしてきた洛冰河が初めて人の優しさに触れたのが師尊。尊敬の念がいつしか恋へと変わっていく途中で、一度絶望の淵に追いやられます。さらにそこからは師尊に対する執着が増していくんだけど、その執着が普通にヤバい!(笑)

目には目を歯には歯をタイプの洛冰河は、やることもなかなかゲスいけど心はピュア初恋感があるのがアンバランスで応援したくなっちゃう。

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出典:腾讯视频 YouTube

師尊のためにお粥作って胃袋掴んでキラキラした目で見つめる洛冰河。師尊がいつ目覚めるか分からないからって1時間おきにお粥作るってさ…それを愛と呼ばず何と呼ぶ…。

主人公が劇中でRPGをやっている感じ

ちょいちょい系統(システム)が出てきて、沈清秋に注意をしたりポイントを与えたりクエストを与えたりしてきます。新しい登場人物が出てくるたびにシステムが起動して人物紹介をしてくれるので分かりやすい。

最初の頃は、原作の沈清秋がしそうにないことをすると、システムから『OOC(Out of Character)』という警告が出てB格ポイント(沈清秋のかっこよさポイントみたいなもの?)が減らされます。洛冰河に微笑みかけるだけでB格ポイントが減らされるという非情さ。一定のB格ポイントを集めるとロックが解除されて自分の好きなようにキャラを演じることができるようになります。

この”B格ポイント”と洛冰河に関するポイント”爽快度ポイント”がなくなるとゲームオーバー。現世で死んでしまっているので、この小説の世界でも死んでしまうと沈垣にとっては本当の【死】になってしまうので、沈垣は必死でミッションをクリアしつつ、洛冰河に恨みを買わないようにしていくわけです。

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出典:腾讯视频 YouTube

↑忘れたころに現れてくるシステム君。

システムと言い合いしている沈清秋が面白いんだ、これが。辛いシーンでもシステムに早口で突っ込みを入れていくので、それほど悲壮感を感じずに済みます。表面上は落ち着いた大人の師尊を演じているんだけど、心のなかが荒れまくっているのが面白くて、小説もサクサク読み進んでしまいます。

柳清歌がいい

これは完全に個人的な好みになりますが、原作では沈清秋と敵対している柳清歌が、沈清秋に命を救われてから絶対的な味方になってくれるのがたまらない。しかも性格がきつくて素直じゃないのに、「君、沈清秋のこと好きでしょ?(恋愛的な意味ではなく)」と思える場面がちらほら…。

犬猿の仲だったはずなのに仲良くなってるもんだから、洛冰河から誤解されて敵視されているところも含めて愛おしい。

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出典:腾讯视频 YouTube

こういうキャラいいですよね。まだアニメではそこまで絡んでいないけど、原作でその「沈清秋好き」が感じられる場面まで読み進めると、好きになること間違いなしなキャラです。「ヤナギセイカぁーーーー!!!!」って応援したくなりますよ(笑)。

まとめ:日本で展開して欲しい

この作品、信じられないことに何一つとして日本で展開されていないんです!なのにpixivとかを漁ると二次創作がけっこうあります。Twitterでもファンを公言している方をけっこう見かけるので、ぜひ原作の日本語版を出版して欲しい!(もし出版社の方が読まれてたらよろしくお願いいたします)

ラジドラとか…アニメとか…公式で日本語字幕付いたものが見たい。そしてぜひドラマ化もして欲しいなぁ。洛冰河の少年時代と大人になってからをどうするのか?問題とか、日月露華芝のところどうするのか?とか色々問題はあるでしょうけど、ぜひぜひぜひぜひ実写化お願いいたします!

原作は番外編がエッチらしいですが、まだそこまでは読めてません。二次創作と絡めて?という話を小耳にはさんだので、魔翻訳で最後まで頑張って読みたいと思います!

※トップの画像は穿书自救指南官方微博より引用させていただきました。

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