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決済についての個人的ざっくり話

はじめまして。
heyで STORES 決済 のPMをしている片桐です。

ここでは決済市場ってどういう感じのものなの。みたいなのを個人的見解をもとに書いていきます。決済業界あまり馴染みがないという人になんとなーくの大枠の話になります。

決済事業者って地味だし、ただ中継してるだけでしょ、って感じですよね。そもそも何やってるか分かんないです。
そんな人に決済事業について興味を持ってもらえればと思っています。

同じ決済PMの永嶋さんも記事をアップしているので、そちらも読んでいただければ幸いです。

# キャッシュレスの状況

普段現金使ってますか。

日本のキャッシュレス比率は29%だと言われています。
世界一位は韓国の90%、アメリカは50%前後です。

でも、キャッシュレスって現金を使わないことを表すならおかしいのではと思っています。
一番お金のかかる家賃ってほとんどの人は口座引き落としじゃないでしょうか。

例えば手取り30万の人が9万円の家賃のところに住んでたとします。これでもうキャッシュレス比率30%を超えてます。

# 現金って使われてないんじゃないの

ほんとに支出の7割も現金使っているのでしょうか。

BtoBの世界では現金払いなどもうほぼ無いですよね。
個人でも家賃、光熱費、通信費、Netflix、Amazonなど現金払いは少ないのではないでしょうか。

実際に可処分所得に対して現金を使わない比率というのは30%以上どころか50~60%を超えているはずです。

つまり広い意味でいえばすでに大部分で現金を使っていないのです。

# なぜ日本はキャッシュレス比率が低いのか

ではなぜ日本はキャッシュレス比率が低いと言われているのでしょうか。

この29%とは民間消費最終支出におけるクレカ、電子マネー、QR決済等の比率です。つまり普段の個人のお買い物での非現金利用率です。(家賃は除かれているのです)

キャッシュレス比率が低い理由はかんたんにいうと「現金で困らないから」になります。

お財布にお金がなかったらコンビニで引き出すことができます。
財布を持ち歩いていても盗まれることも無いです。
紛失してしまったとしても日本では91%の確率で財布は戻ってくるらしいです。スマホの紛失返却率も60%を超えています。

偽札のリスクも少ないですね。
日本の偽札利用率と比べるとアメリカでは500倍、イギリスでは1,600倍程度になります。

お店からしても消費者が現金持っている、偽札少ない、ならカード払い対応する必要がないって感じですね。

カード払いを受け付けると決済手数料が取られるのも大きな理由です。キャッシュレスを取り入れることでお客さんが増えたり、売上集計などコスト削減できる側面もあるのですが。

そして国の政策の差も大きいです。海外の事例とかはしらべてみると面白いので興味があればぜひ。(キャッシュレス払いのレシートには宝くじ番号が付与される国もあります)

他にもさまざまな事情でキャッシュレスの普及が海外に比べて遅れをとっています。

# 低いとはいえキャッシュレス比率は30%程度

でも、日本のキャッシュレス比率は低いとはいえ30%程度。
売上の3割はキャッシュレスです。3割のニーズを無視するというのは難しいですね。

そのためにかんたんにはじめられる決済サービスとしてお店のお商売を支援をする必要があるのです。

そしてキャッシュレスを推進することで経済を効率化し、成長させ、データドリブン社会を実現ごにょごにょという難しい話もあるのでしょうが、単純に消費者としてどこでもスマホでピッっとお会計が安全にできたら楽ですよね。

そういった経済の活性化、消費者の利便性、お店のデジタル化の為には必ずキャッシュレスが必要ということになります。

わたしたちはこういった、消費者側、事業者側、国側の課題に向けて取り組んでいます。

# 決済事業者ってどんな状況なの

キャッシュレスはすでにコモデティ化してしまっています。

最初はキャッシュレス自体に価値があったのにあたりまえになってしまったという感じです。
ティッシュや飲料水などは単純に価格だけで選んだりしますよね。牛丼屋さんなどもコモデティ化の例としてよくでます。

価格競争でしか価値を見いだせない状態です。

Netflixならオリジナル作品が豊富だし、AmazonPrimeならレンタル作品があるし、dアニメならアニメ作品豊富、とかあるはずの価格以外の差別化要因が無くなっている状態です。

お店さん側からするとキャッシュレスを導入する際にどの事業者を選ぼうとも「手数料率」以外に違いないじゃん、なら安いとこでいいや、となってしまうのです。

# 決済事業者に未来はあるのか

いまは低価格競争に突入している状態じゃないかなと思っています。

反面、最近のあたらしい便利なサービスはキャッシュレス×〇〇で生み出されてきています。

動画配信 × キャッシュレス = Netflix
ショッピングモール × キャッシュレス = Amazon
フリマ × キャッシュレス = メルカリ

などです。
サービスに支払いが伴うのは当たり前なのでキャッシュレスを結びつけるのは少し強引ではありますが。

しかし、 STORES 決済 の市場は「対面」の市場です。
実店舗での決済市場です。

オンラインとオフラインの融合が難しいのですが、実店舗前提の身近なサービスにもキャッシュレス×〇〇が生み出されています。

予約 × キャッシュレス = Hotpeppar
Webサイト × キャッシュレス = Shopify
宅配 × キャッシュレス = Uber

そもそもサービスは対価として決済行為が必要なので必ず決済×サービスの組み合わせで成り立ちます。
この「決済」部分がすべてキャッシュレスへ置き換わるところに対面決済事業者の未来があるんじゃないかと思っています。

基本的に脱現金の流れが止まる、ということはありえないので必ずキャッシュレス×サービスで商習慣が変わるはずです。
サービスと決済が分断されている対面取引市場から、サービスの中に決済が溶け込むというイメージですかね。

Suicaは決済がアクションに溶け込んだ良い例ではないかなと思っています。

いままでは、切符を買う→改札を通る、が電車に乗るため必要でした。
決済→サービス受給、の流れです。

Suicaによって「改札を通る」のアクションに決済が溶け込みました。「改札を通る=決済」となったわけです。
決済とサービス受給が1つになり、リアルタイムへ変化したわけです。

こういった、サービス受給のアクションの中に決済が溶け込んでいくのではないかなと思っています。

飲食店であれば、お会計ボタンを押す→店員さんがくる→決済する、というのが「お会計ボタンを押す=決済されている」みたいな感じですかね。

対面決済市場はこのようなあたらしい取り組みがたくさんできる業界になるんじゃないかなと思っています。

# 決済はどうなるのか

決済行為自体なくなるのが個人的には到達点だと思っています。
無人レジなんかは近いものがあります。

お店で商品を見て、選択して、持ったまま店を出る、決済されている。というのがキャッシュレスのゴールだと思っています。

そこまでに、非接触(タッチ)、セルフレジなど決済行為の変化や決済タイミングの変化などの変革期を経てたどり着くのではないでしょうか。
暗号資産、生体認証、VRの技術なんかも決済と融合してきたら面白そうです。

こういったあたらしい技術と決済を結びつけていけるのも決済事業者として楽しい部分です。

これから業界の変化、あたらしい決済体験、にむけてやることがたくさんあるのです。

# おわり

ということで、決済事業に興味を持ってもらえればなというお話でした。
そして、STORES 決済 はPMを募集中です。いっしょにあたらしい決済体験、つくりましょう。















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