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退職代行を利用した話

この記事は、謎解きクラスタによる謎以外 Advent Calendar 2021の一環で書いてます。

はじめまして。akkycomと申します。

簡単に自己紹介すると、会社員の傍ら副業で謎制作を”していた”者(※)です。※現在はお休み中
なぜお休みかというと、今年の11月に本業の会社を転職して今ちょっぴり余裕が無いからです。
そしてその転職の際に昨今流行りの「退職代行」を利用したので退職を考えている人向けに記事を書いてみることにしました。

※※※注意※※※
結末から書くと実際に利用したうえで「退職代行を利用してよかった!」と思ってる人の体験記事になります。
「お世話になったのに円満に退職しないとはけしからん!」とか「退職交渉くらい自分でしろよ」などの意見の方はこの後は読まずにそっ閉じすることをお勧めします。


1.退職代行とは

退職代行とは、労働者本人に代わって弁護士や代行業者が会社に退職の意思を伝えるサービスです。退職代行サービスを運営している母体は大きく「民間業者」「労働組合」「弁護士事務所」に分かれており、それぞれ対応範囲や費用が違います。
詳しくはこことか検索すれば幾つかサイトがヒットするのでご自身でご確認ください。

2.前提(退職の経緯)

私が退職代行を利用した理由ですが、主に退職の時期(有休消化)についてです。退職自体が揉めていたということではありませんでした。

退職自体は退職代行利用前に10月末で了承を得ており、厳密には有休をすべて消化するために退職代行を利用した形です。

私が退職の意思を会社に伝えたのは8月下旬。その時点で次の転職先は決まっており、転職先からは約2か月後の11月入社を求められていました。そのため、9月末に最終出勤・10月末退職したい旨を8月下旬に会社に伝えました。退職までは2か月以上、最終出勤から見ても1か月以上前の申し出です。自社の規則では(※民法と同じく)2週間前に退職を申し出ればいいことになっているので十分すぎる期間でした。

有休消化が揉めた経緯ですが、私のいた職場がいわゆる多重受けの構造で自社は「三次受け」の立場なことに起因しています。

クライアント:A社一次受け:B社二次受け:C社三次受け:D社(自社)といった形です。このような場合、まず私は自社であるD社に退職の意思を告げます。そしてD社からC社にそれを伝え、C社からB社に伝え、B社からA社に伝えて最終的に退職が決定する、という流れになります。ただし、その場合、それぞれの過程で「要員が一人減ります」だけ伝えるのではなく「要員が一人減るけど、これこれこんな感じの体制を組むから業務に支障ありませんよ」という必要がありますので、すぐにA社まで伝わるわけではなく。過去辞めた人を見ても退職までに3、4か月かかっていました。

そこらへんをすっとばしてやめようとすると自社だけでなくA社~C社も巻き込んで説得されることになり、それ全部相手取って交渉するのはしんどいな、ということで退職代行を利用することにしました。

揉めるなら会社に一番ダメージを与える形で辞めようとか、やる気無かったから引継ぎとかやらずにフェードアウトしようとかそんなこと思ってないですよ。

3.実行1か月前

ここからは時系列で書きます。

まず8月下旬に自社(D社)に「10/31に退職、有休が20日ほど残ってるので10月はすべて有休にして最終出社は9/30にしたい」と伝えました。
そこからしばらくは自身で交渉していましたが、過去の前例からもこのスケジュールでは無理そうだな、と思っていたので裏で円満退職できなかったように色々準備を進めていました。

具体的には
①退職代行業者の選定
②身辺整理
③退職交渉の記録
です。

①はネットで評判を調べたり実際に手続きの相談をしたりしました。
退職代行を専門にしている業者はLINEなどで気軽に相談できるところが多いと思います。
私は後腐れなくやめたかったので(民間業者ではなく)弁護士事務所に依頼することにしました。
いくつか話をうかがった上で、クチコミなどでも悪い評判の少ないM法律事務所に依頼することに決定。

②については職場に置いてある私物を持ち帰ったり、逆に会社から貸与している物は(返却の手間を減らせるように)会社の引き出しに置いてきたり、会社のPCから不要なデータを消したりなど。

③は最終的に使うことはありませんが揉めた時用です。
なるべくメール等を使ったり、電話や上司・役員との面談ではこっそり通話を録音したりしていました。

また、退職理由は「給料安いので一年前から転職活動してました。あははは」というのは伏せて「親戚の紹介で別の会社に行くことにしました」と伝えました。
会社からは転職先も聞かれましたが、揉めた時のために転職先とは別の会社名を回答。

4.実行3日前~実行前日

その後、役員とも面談などして10/31退職は決定しましたが肝心の「最終出勤は9/30で10月は有休消化」については得られぬまま9月下旬になりまし た。
怪しいな、と思っていた矢先、9月下旬にC社の人に呼ばれ退職日を10/31から11/30にできないか?と慰留をかけられました。
それは難しい旨お伝えしつつ有休消化の件について自社(D社)から聞いているか?確認したところ、特に聞いてないとのこと。
そして自社(D社)の上司に確認したら「有休の件は特にC社には伝えていない。現場で調整して業務に支障がないようにとるように。お前の退職のためにみんな頑張っているんだからお前も協力しろよ(意訳)」との回答。

これが最終的に退職代行の決意となりました。
この回答をもらってすぐに事前に相談していたM法律事務所に正式依頼しました。
M法律事務所所長と15分程度電話で会話し最終確認後、申し込み手続きに。

退職代行を専門にやってる業者はどこも即時で対応できるようになっています。
この時点で9/29だったと思いますが、①契約書をネットプリント→記載・捺印した契約書を写真に撮ってLINEで送付。②弁護士費用を振込し、振込した画面のスクリーンショットをLINEで送付。③会社名や会社の連絡先等伝えて手続き完了、10/1朝から退職交渉を開始してもらうこととなりました。

なお、家族には退職代行を使う旨は話していなかったので「本人や家族への連絡、自宅の訪問は連絡しないように」依頼してもらうことにしました。

5.実行当日(10/1)

朝イチにM法律事務所よりLINEで退職代行を開始した旨連絡がありました。会社からの電話や自宅訪問は特になし。その後退職関係の書類が郵送されてきて、退職届等提出。希望通り有休全消化して退職しました。

なお、夕方くらいに会社のポータルサイトで上司の予定を見ると、翌営業日の予定が「C社訪問」となっていました。

おそらく謝罪に行ったのでしょう。大変ですね。あっはっは。

6.使った感想

退職代行を使った感想ですが本当に良かったです。
有休全消化できたことももちろんですが、最終出勤までの間も後任育成などをする必要もなく、しっかりリフレッシュして現職をスタートすることができました。

また、上記では割愛しましたがタイミング悪く私が退職代行を使う数日前に、同僚がコロナ濃厚接種がらみで自宅待機となり現場の人員が一時的に減となり抜けるのはかなり厳しい状態でした。
(C社の人に慰留をかけられた際に「●●さんもいないから10/1から抜けられると業務が回らない」とはっきり言われていました)

仮に自分で交渉して有休全消化の承諾を得ていても直前で数日の出勤は依頼されていたかもしれませんし、その場合人情的にも断りづらい状況でした。そのような事態を回避できた意味でも退職代行を使ったのは正解でした。

ちなみに、過去に自社を突然退職しようとして上司が自宅までやってきた、などの話を聞いていたので最初はドキドキしましたが、上記の通り訪問や電話もありませんでした。

以下は強いてし言うなら…というデメリットは以下です。

①お金がかかる
これは当然といえば当然ですが…私の場合、法律事務所に頼んで約5万円でした。これが高いか安いかは個人差あると思いますが、日給1万円として5日分です。私のようなケースでなくても、次の会社が決まって辞める場合などでは有給消化しきれないケースはあり得ると思っています。
それを考えると退職代行を利用することで5日以上余分に有休を勝ち取れればお得なのかと思います。

②家族などに連絡がいく可能性がある
上記のとおり家族などに連絡がいかないように代行業者に依頼してもらいましたが、法的拘束力は無いので会社から家族に連絡がいってしまうかもしれません。(調べた感じ連絡がいく可能性は低いようです)

③(人によっては)罪悪感に悩まされるかも
退職するにしても、仲の良い同僚やお客さんなど一人くらいはいると思います。急に辞めることで罪悪感を感じるかもしれません。
それもあって私の場合、最初から「最終出勤は9月末で10月は有休消化」で交渉していました。残された人のことを考えるとちょっぴり胸が痛まないこともないですが、正当な申し出をしていたのにちゃんと調整しなかった自社の上司が悪いと基本的には思っています。

退職代行についていろいろ意見はあるかもしれませんが、個人的には餅は餅屋の考え方で良いと思っています。
めんどうだな、大変だなと思ったら部屋の掃除をダスキンに依頼する感覚で退職代行も気軽に利用できる世界になってほしいなって思います。

7.一方、その頃…

こうして私はHAPPYになりましたが同僚の中には私が退職すること自体知らなかった人もいます。
その人からすると「昨日まで普通に仕事していた人が突然消えた」ということになります。

最終出勤の9/30当日は10/1付で異動になる人が別れの挨拶に来たりしていました。それを見ながら同僚と「あ~俺も明日から来なくていいですかね」「そうですね~俺もそうしますわ」みたいな軽口を叩いていましたが、本当に来なくなるとは想像していなかったと思います。
ちょっとしたトラウマですね。

このようなことはどこでも起こり得る話です。

現在、私はとある事務センターでの責任者をやっていますが、うちのセンターでも因果応報で同じことが起こるかもしれません。

これについての明確な答えは出ていませんが、そのようなことが起きた時のために、誰かが突然いなくなってもいいように業務が属人化したりしないようにするのは大事かなぁと思います。

あなたの同僚、部下、委託先のメンバ…一部の人しか精通していない業務は無いですか?
今一度振り返ってみると良いかもしれません。

なお、私は日ごろから自分のやってた業務などの情報は周りに共有していたので他の人が実際できるかどうかはともかくとして「引継ぎは不要」と言える状態でしたので一切引継ぎはしていません。

8.最後に

ここまで、謎解きクラスタによる謎以外 Advent Calendar 2021の「謎解き以外の趣味を語り合おう」という趣旨をガン無視しているので最後に趣味の話を書きます!

こんな感じで8月下旬には退職を決めていてやる気がなかったので、2回目のワクチンを打った時に副反応が出たことにして会社サボって推しのライブに行っていました!
その推しがこのミオヤマザキです!
セルフプロデュースでマヂヤミ彼女という脱出系アプリの制作などもしているアーティストなので謎解きクラスタなら聞いたことあるかもしれません。
12/24にLIVEもあります!みんなも会社サボったりして行こう!

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