宅森昭吉(景気探検家・エコノミスト)

三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。 さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さく…

宅森昭吉(景気探検家・エコノミスト)

三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。 さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。 23年4月からフリー。景気探検家として活動。 現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。

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3月『景気ウォッチャー調査』では、「外国人orインバウンド」「賃上げ」などが景況感にプラス要因だが、「価格or物価」などはマイナス要因。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年4月9日)―

3月『景気ウォッチャー調査』。現状判断DIは49.8と前月差1.5ポイント低下。但し、原数値でみると、現状判断DIは前月差2.1ポイント上昇の52.4。  3月の『景気ウォッチャー調査』では、現状判断DI(季節調整値)は49.8と、2月から1. 5ポイント低下しました。14カ月ぶりに景気判断の分岐点50を下回りました。また、先行き判断DI(季節調整値)は51.2で2月から1.8ポイント低下と、5カ月ぶりに前月を下回わりました。3月は全国的に肌寒い日が多く、春物商戦が盛り上が

    • 3月貿易統計・通関収支差は3カ月ぶりの黒字に。3月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は上昇率若干鈍化か―日本の主要経済指標予測(2024年4月5日)

      3月貿易統計・通関収支差は+4,500億円程度と3カ月ぶりの黒字を予測。(4月17日発表)  3月28日に発表された2月貿易統計確報によると、輸出金額は8兆2,492億円、前年同月比+7.8%で3カ月連続の増加、輸入金額は8兆6,270億円、前年同月比+0.5%で11カ月ぶりの増加となりました。輸出と輸入の差引額は▲3,778億円と2カ月連続の赤字になりました、前年同月比は▲59.3%で赤字幅縮小になりました。  前年同月比でみて、輸出では、自動車、自動車の部分品、プラ

      • JRA売得金伸び率鈍化、3月29日開花の東京の桜や、大谷選手・開幕8試合連続ノーアーチなどは、基調は悪くないが一時的要因による景気動向指数の基調判断2カ月連続悪化と同じく、人々の景況感の判断を過度に慎重化にする?―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年4月3日)―

        24年のJRAの売得金、年初からの累計前年比は増加続くが、3月はもたついた展開に。  JRA売得金の23年前年比は+0.7%で12年連続増加になりました。緩やかながら景気拡張局面が続いていたことと整合的な数字でになりました。景気が良く収入が伸び、懐具合が良い時は競馬の売得金も伸びるようです。平成・令和の 34 年間(平成元年・1989 年~令和 5 年・2023 年)での名目 GDP 前年比と売得金前年比の相関係数は 0.71です。  24年のJRA売得金・年初からの累計

        • 3月国内企業物価指数・前年同月比は2カ月連続して前月より上昇率が高まると予測。2月機械受注(除船電民需)の前月比は2カ月ぶりの増加を予測―日本の主要経済指標予測(2024年4月1日)

          3月国内企業物価指数・前年同月比は+0.9%程度と2月の+0.6%から上昇率が高まると予測。(4月10日発表)  2月の国内企業物価指数・前年同月比は+0.6%になりました。21年3月からエネルギー価格高騰や円安を背景に36カ月連続前年同月比プラスが続いています。前年同月比は22年12月の+10.6%をピークにして23年12月+0.2%・24年1月の+0.2%まで鈍化傾向でしたが、2月は伸び率が0.4ポイント上昇し、14カ月ぶりに前月を上回りました。  政府が23年2月か

        3月『景気ウォッチャー調査』では、「外国人orインバウンド」「賃上げ」などが景況感にプラス要因だが、「価格or物価」などはマイナス要因。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年4月9日)―

        • 3月貿易統計・通関収支差は3カ月ぶりの黒字に。3月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は上昇率若干鈍化か―日本の主要経済指標予測(2024年4月5日)

        • JRA売得金伸び率鈍化、3月29日開花の東京の桜や、大谷選手・開幕8試合連続ノーアーチなどは、基調は悪くないが一時的要因による景気動向指数の基調判断2カ月連続悪化と同じく、人々の景況感の判断を過度に慎重化にする?―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年4月3日)―

        • 3月国内企業物価指数・前年同月比は2カ月連続して前月より上昇率が高まると予測。2月機械受注(除船電民需)の前月比は2カ月ぶりの増加を予測―日本の主要経済指標予測(2024年4月1日)

          2月家計調査・実質消費支出・前年同月比は12カ月連続で減少か。2月景気動向指数・速報値・一致CIは、2カ月連続前月差低下に。景気の基調判断は「下方への局面変化」に下方修正。―日本の主要経済指標予測(2024年3月29日)―

          2月家計調査・二人以上世帯・実質消費支出の前年同月比は1月から減少率が縮小するものの、12カ月連続減少になると予測(4月5日発表) 1月の家計調査・二人以上世帯・実質消費支出の前年同月比は前年同月比で▲6.3%と11か月連続の減少になりました。    私立中学校、私立高校などの「授業料等」(受験料を含む)は実質・前年同月比+40.2%と増加しました。医科診療代が新型コロナ医療費の全額公費支援から一部自己負担への変更による影響などもあり、医科診療代・歯科診療代などの「保

          2月家計調査・実質消費支出・前年同月比は12カ月連続で減少か。2月景気動向指数・速報値・一致CIは、2カ月連続前月差低下に。景気の基調判断は「下方への局面変化」に下方修正。―日本の主要経済指標予測(2024年3月29日)―

          大相撲春場所懸賞・4場所連続前年比増加。開花が遅れている東京の桜や、大相撲で尊富士の新入幕優勝は、現在の景気動向指数の基調判断と整合的?―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年3月26日)―

          東京の桜の開花、今年はかなり遅い開花に。3月20日以前の開花のような景気局面と明確な関係はなし。  3月26日は、東京は冷たい雨で、寒の戻りとなりました。但し、厚手のコートが必要な日は今シーズンこれで最後とも言われています。東京の標本木である靖国神社の桜は、昨年は観測史上最も早い3月14日に開花し、22日には満開になっていました。今年は桜の開花がかなり遅れています。「日本気象協会」によると、3月19日時点の開花予想は3月24日でした。平年の開花日も24日です。テレビ報道によ

          大相撲春場所懸賞・4場所連続前年比増加。開花が遅れている東京の桜や、大相撲で尊富士の新入幕優勝は、現在の景気動向指数の基調判断と整合的?―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年3月26日)―

          2月鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月比上昇か? 2月商業販売額・小売業の前年同月比は1月と同程度の伸び率を予測―日本の主要経済指標予測(2024年3月21日)―

          2月鉱工業生産指数の関連指標のうち、景気ウォッチャー調査・製造業DI、製造工業生産予測指数などは前月比上昇を示唆。実質輸出、ロイター短観などは低下示唆(3月29日発表)  2月29日に発表された1月の鉱工業生産指数・速報値は、12月までの上昇の反動に加えて、工場稼働停止などの影響を受けて自動車工業を中心に、輸送機械工業(除.自動車工業)以外の全15業種中14業種が低下したことから、前月比▲7.5%と2か月ぶりに低下しました。なお▲7.5%という前月比での低下幅は、新型コロナ

          2月鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月比上昇か? 2月商業販売額・小売業の前年同月比は1月と同程度の伸び率を予測―日本の主要経済指標予測(2024年3月21日)―

          4月1日発表の日銀短観3月調査・大企業・業況判断DIは、製造業は4期ぶり悪化、非製造業は8期連続改善と、明暗分かれそう。―日本の主要経済指標予測(2024年3月21日)―

          日銀短観3月調査、大企業・製造業・業況判断DI+10程度と、12月調査(新ベース)+13から低下。大企業・非製造業・業況判断DI+34程度と、12月調査(新ベース)+32から上昇か。  日銀短観3月調査では、大企業・製造業の業況判断DIは不正のため稼働停止となった一部の自動車会社の影響などでの悪化が見込まれ、+10程度と12月調査(調査対象企業の定例見直しによる新ベース)+13から3ポイント程度悪化すると予測しました。予測通りなら4期ぶりの悪化になります。  また、大企

          4月1日発表の日銀短観3月調査・大企業・業況判断DIは、製造業は4期ぶり悪化、非製造業は8期連続改善と、明暗分かれそう。―日本の主要経済指標予測(2024年3月21日)―

          2月の自殺者数・暫定値は前年同月比▲14.3%と4カ月連続前年同月比減少。2月の完全失業率は2.4%程度と1月と同水準を予測。2月有効求人倍率は1月から若干上昇を予測。―日本の主要経済指標予測(2024 年3月18日)―

          2月有効求人倍率は1.28倍程度と1月の1.27倍からの上昇を予測(3月29日発表)  3月1日に発表された1月の有効求人倍率は1.27倍で、季節調整替えの影響もあり、3カ月連続で同じ水準になりました。正社員の有効求人倍率(季節調整値)は1.00倍で12月と同水準となりました。  有効求人倍率などの指標は、厚生労働省からハローワークにおける求人・求職・就職の状況をとりまとめたものが毎月公表されています。有効求人倍率の 1.00 倍は有効求人数と有効求職者数が同じであること

          2月の自殺者数・暫定値は前年同月比▲14.3%と4カ月連続前年同月比減少。2月の完全失業率は2.4%程度と1月と同水準を予測。2月有効求人倍率は1月から若干上昇を予測。―日本の主要経済指標予測(2024 年3月18日)―

          2月『景気ウォッチャー調査』で全国及び北陸の「地震or震災」先行き判断DIはともに60台。先行き判断で「価格or物価」は依然として足を引っ張るが、「外国人orインバウンド」「株(株価)」「賃上げ」などが先行きの景況感にプラス寄与。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年3月11日)―

          2月『景気ウォッチャー調査』。現状判断DIは51.3と前月差1.1ポイント上昇。北陸の現状判断DIは50.5と前月差9.2ポイント上昇。  2月の『景気ウォッチャー調査』では、現状判断DI(季節調整値)は51.3と、1月から1.1ポイント上昇しました。1月は能登半島地震や、不正のため稼働停止となった一部自動車工業の影響などで4カ月ぶりに悪化していました。なお、2月までで13カ月連続で景気判断の分岐点50を上回っています。  24年2月調査で、内閣府が調査結果に示された景

          2月『景気ウォッチャー調査』で全国及び北陸の「地震or震災」先行き判断DIはともに60台。先行き判断で「価格or物価」は依然として足を引っ張るが、「外国人orインバウンド」「株(株価)」「賃上げ」などが先行きの景況感にプラス寄与。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年3月11日)―

          2月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.7%程度へ、電気・ガス価格激変緩和効果一巡で1月の+2.0%から上昇―日本の主要経済指標予測(2024年3月8日)―

          2月貿易統計・通関収支差は▲8,700億円程度と2カ月連続の赤字を予測。(3月21日発表)  2月28日に発表された1月貿易統計確報によると、輸出金額は7兆3,328億円、前年同月比+11.9%で2カ月連続の増加、輸入金額は9兆931億円、前年同月比▲9.6%で10カ月連続の減少となりました。輸出と輸入の差引額は▲1兆7,603億円と2カ月ぶりの赤字になりました、前年同月比は▲49.8%で赤字幅縮小になりました。  前年同月比でみて、輸出では、自動車、半導体等製造装置、

          2月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.7%程度へ、電気・ガス価格激変緩和効果一巡で1月の+2.0%から上昇―日本の主要経済指標予測(2024年3月8日)―

          2月国内企業物価指数・前年同月比は1月より上昇率を高めると予測。1月機械受注(除船電民需)の前月比は2カ月連続の増加を予測―日本の主要経済指標予測(2024年3月5日)―

          2月国内企業物価指数・前年同月比は+0.5%程度と、電気・ガス価格激変緩和対策効果一巡などで1月の+0.2%から上昇率高めるか。(3月12日発表)  1月の国内企業物価指数・前年同月比は+0.2%になりました。21年3月からエネルギー価格高騰や円安を背景に35カ月連続前年同月比プラスが続いていますが、22年12月の+10.6%をピークにして前年同月比は鈍化傾向です。飲食料品、輸送用機器などをはじめ、原材料やエネルギーなどのコスト上昇を転嫁する動きが引き続きみられていますが、

          2月国内企業物価指数・前年同月比は1月より上昇率を高めると予測。1月機械受注(除船電民需)の前月比は2カ月連続の増加を予測―日本の主要経済指標予測(2024年3月5日)―

          10~12月期実質GDP第2次速報値はプラス成長に転じるか。10~12月期法人企業統計の設備投資が大幅に前期比プラス寄与と予測。ソフトウエアも上方修正要因に。―日本経済の主要経済指標予測(2024年3月4日)―

          10~12月期法人企業統計・設備投資(除くソフトウェア)前年同期比+11.7%、季節調整済み前期比+8.0%増加  10~12月期の法人企業統計調査の全産業(金融業・保険業を除くベース)の設備投資(ソフトウェア投資額を除くベース)の前年同期比は+11.7%と、7~9月期の前年同期比+1.7%から10.0ポイントと大幅に伸び率を高め、11四半期連続の増加になりました。7~9月期で前年同期比+5.6%の増加だった製造業は、7~9月期では同+20.1%へと14.5ポイント増加率が

          10~12月期実質GDP第2次速報値はプラス成長に転じるか。10~12月期法人企業統計の設備投資が大幅に前期比プラス寄与と予測。ソフトウエアも上方修正要因に。―日本経済の主要経済指標予測(2024年3月4日)―

          24年1月の訪日外客数は19年1月比でほぼ同数に。観光地の観光客数・前年同月比はまちまちだが、コロナ禍前を上回るところも。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年3月4日)―

          24年の訪日外客数は、3,188.2万人と過去最高だった19年の実績を上回りそう。24年1月は19年比▲0.0%。  1月の訪日外客数は、2,688,100人となった。能登半島地震発生後、東アジアを中心に訪日旅行への影響が一部見られたものの、前年同月比では+79.5%の増加となり、また19年1月2,689,339人との比較では▲0.0%(▲0.046%)とほぼ同数を記録しました。なお、訪日外客数は23年10月に19年比+0.8%と、単月で新型コロナウイルス禍前の水準を初めて

          24年1月の訪日外客数は19年1月比でほぼ同数に。観光地の観光客数・前年同月比はまちまちだが、コロナ禍前を上回るところも。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年3月4日)―

          1月家計調査・実質消費支出・前年同月比は11カ月連続減少か。 1月景気動向指数では先行CI・一致CIとも前月差マイナスを予測。 ―日本の主要経済指標予測(2024年3月1日)―

          1月家計調査・二人以上世帯・実質消費支出の前年同月比は12月から減少率が拡大し、11カ月連続減少になると予測(3月8日発表)  12月の家計調査・二人以上世帯・実質消費支出の前年同月比は前年同月比で▲2.5%と10か月連続の減少になりました。     外出した人が増加したことや物価上昇などによる内食需要の縮小傾向の中、飲酒代・喫茶代などの「外食」が実質・前年同月比+8.9%増加しました。インフルエンザ患者の増加の影響などで、他の入院料、医科診療代など「保健医療サービス」が

          1月家計調査・実質消費支出・前年同月比は11カ月連続減少か。 1月景気動向指数では先行CI・一致CIとも前月差マイナスを予測。 ―日本の主要経済指標予測(2024年3月1日)―

          1月景気動向指数・速報値・一致CIは、鉱工業生産指数などの大幅低下で、前月差マイナスに転じ、景気の基調判断は10カ月ぶりに「足踏み」に下方修正か。―日本の主要経済指標予測(2024年2月29日)―

          1月景気動向指数・速報値・一致CIは前月差▲3.2程度のマイナスと暫定的に予測、3カ月移動平均の前月差の3カ月累計のマイナス幅は基準の▲1.16を超えるか。(3月8日発表)  景気動向指数の基調判断は、23年4月改定値で景気拡張の可能性が高いことを示す「改善」に、それまでの景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す「足踏み」から、上方修正されました。その後5月~12月では速報値、改定値とも「改善」になり9カ月連続「改善」となっています。  景気動向指数

          1月景気動向指数・速報値・一致CIは、鉱工業生産指数などの大幅低下で、前月差マイナスに転じ、景気の基調判断は10カ月ぶりに「足踏み」に下方修正か。―日本の主要経済指標予測(2024年2月29日)―