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アクチュアリーの仕事をしていた人が保険営業のITサポートに飛び込んだ話

初めまして、山本と申します。初投稿です!
2020年より、インシュアテックスタートアップのhokanに入社し、カスタマーサクセスと言われるユーザーサポートのお仕事に従事しています。
このnoteでは、私が今この仕事をするまでの経緯、そして今どんな課題にぶち当たりどのようなことを考えているか、お伝えしていきたいと思います。

明治安田生命への入社

実は、hokanは私にとって3社目になりますが、社会人となって最初に新卒で入社したのは明治安田生命でした。大学で経済学部に所属しながらも数学を使った仕事に興味があった私は、保険の商品設計やリスク管理といった業務を担う数理専門職である「アクチュアリー」という役職を目指すために生命保険会社に入社したのです。この時、今のhokanでの仕事のように営業現場へのサポートに全力を尽くす働き方は、想像すらしていませんでした。

とはいえ、実は明治安田生命ではどのような役職を目指すかにかかわらず、新卒職員は必ず入社後間も無く1ヶ月間の団体保険営業研修を受けることになります。

地獄の団体保険営業研修

私にとっては地獄でした。
研修が始まる前、華々しい成果を出すべく意気揚々と担当地域の熊本に渡りました。東京の研修場で同期とロールプレイを練習し、話法もしっかりと暗記していたので、きっとうまくいくだろうと信じ切っていました。
しかし、社会人の厳しさを知ったというべきか、保険営業の難しさを知ったというべきか、現場ではあらゆる困難が立ちはだかっていました。団体保険営業は、既にご契約いただいている団体のお客様の社員の方々へ更新のお勧めをしにいく活動ですが、そこで直面したのは、お客様の冷ややかな反応、遠隔地まで訪問しても不在で会えないお客様、迫りくる期限と日次ノルマ、続出する申込書の不備、朝から晩まで動き回る体力的な辛さ。1日2本だけの船に乗って離島に行ったり、消防車に乗せてもらって移動したり、お昼を食べる時間もなくて5kgほど痩せたり、といろいろな経験をしました。
今でも思い出しますが、この当時まで人生でこれ以上に厳しい経験をしたことはなかったです。

収益管理部での仕事

研修から戻った後は、そこから4年間にわたり、アクチュアリーや会計士の方々が集結する本社の収益管理部という部署に配属され働きました。そこでは、会計の全社統括業務、責任準備金等の財務分析、数理システムのプログラム検証など、大量のエクセルファイルや計算ソフトと睨めっこしながら「ザ・本社」的な仕事をずっとやってきました。
文系学部出身のためアクチュアリーとしてではなく一般採用で入社した私は、アクチュアリーとして活躍する同期に追いつくため、周囲より働き周囲より勉強することに没頭していました。
今でも同じですが、当時より生命保険会社の採用では、営業キャリアと事務キャリアに分かれており、私は営業研修のあとは極端に事務的なキャリアを歩み始めたのだと思います。

唯一のお客様業務

しかしながら、収益管理部での仕事の中にもたった1つだけ、お客様に関わる業務がありました。お客様の前納された保険料の残高を算定する仕事です。

本来はシステムで自動計算ができますが、前納の状態で他商品に転換したり、前納した後にさらに前納したりと、お客様の様々な状況に応じてシステムで計算しきれないシーンを、手作業の計算でカバーするのです。その計算結果に基づき、請求や解約の場合などは前納保険料の返金を行います。
本社的な見方とは思いますが、正直に言うととても難しかったです。前納保険料の約束する利率がある年を境にして変化していたり、現場から受領した情報に不備があったり。しかし「お客様にお返しするお金は絶対に1円でも間違えてはならない」、これが収益管理部の使命でした。
この業務は、私のチームの中で常に優先度最上位にあたる仕事でした。どの業務よりも最優先で、締切厳守で100%の自信を持って正確に回答する。ここだけが、私の学ぶことができた「現場の厳しさ」だったと思います。

hokanに入社して感じていること

その後、もっと業界全体に対して力を発揮できる仕事がしたいと思い、戦略コンサルティング会社に転職し、その後スタートアップであるhokanに入社しました。
今、ユーザーサポートの仕事をしながら実感していることは、「いかに自分は知らないか」ということです。自分のやってきた仕事に胸を張れる部分ももちろんありますが、保険会社としての収益性とか健全性とか、といった視点で見ていた世界と、今見ている世界はかなり違います。
募集人の皆様にとって顧客管理システムはどのようでないと使いにくいのか、事務担当の皆様は日々どのようにして現場をサポートされているのか、管理者の皆様はどのようなデータや分析手法を求めているのか。日々お客様にご相談いただきながら、社内外で知見を収集し、私自信も全力で勉強しています。

これから頑張りたいこと

誠に恐縮ながらカスタマーサクセス部門の立ち上げ責任者と言う立場で仕事をさせていただいておりますが、今の自分に何ができるか、どんな価値をお客様に届けられるかをいつも考えています。

その中で自分なりに、2つの視点が重要だなと最近は考えています。
1つ目に、お客様の声をしっかりと伺うこと。当たり前ですが、「ユーザーセントリック」そのものを体現していきたいです。勉強させていただいている立場としても当たり前ですね。毎週物凄い量のご質問とご要望をいただいております。システムの機能として実現できるものは全てではありませんが、少しでもお客様が気になられたこと、変えたいと感じられていることを、アンテナを伸ばしてしっかりキャッチしていきたいです。
2つ目に、強い顧客管理システムを作ること。強い代理店の営業組織をサポートするためにシステムやデータのあるべき姿をリサーチしていきたいです。まだまだ不勉強ですが、海外の事例なども含めて最新のインサイトを収集し製品に反映していくことを心がけたいと思っております。

戦略コンサルティング会社で仕事をしてきたので、ご相談を受けつつ提案していくことにはそれなりの自信があります。これからもしっかりとサポートしていきます!

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