見出し画像

都市部の空き家に固有の問題【接道2m】

都市部の空き家に固有の問題で、売却したいけど売却できない土地というのがあります。この問題の土地の多くが接道義務を満たしていないため、建築不可なので売却できないというものです。

接道義務とは

「都市計画区域内」では道路に2m以上接していない土地に建築物を建てることができないとうものです。代表的なのは旗竿状の土地です。下記サイトが接道義務について詳しくまとめているので、リンクを貼っておきます。

https://www.nomu.com/house/study/17.html

ここでのポイントは、この接道義務があるのは都市計画区域「内」ということなので、都市計画区域「外」に接道義務はありません。よって都市部に固有の問題ということになるのです。

接道問題の解決方法

先ずは隣地を買うことができれば良いのですが、タイミングよく売りに出ていることはまずありません。根気よく時機を待つか、接道2mとなるよう一部のみ隣地を売ってもらえるか交渉するなどです。

それから古い土地であれば隣地との境界がはっきりしていないこともあります。なので、話し合いの上、境界の確定を行った結果、実は2m確保できていたということもあります。

ただ、このような土地に係る交渉は個人同士で行えば必ず話はこじれますので、こういった交渉に長けた不動産業者に入ってもらうのが一番です。

接道義務の緩和規定

もう一つの解決方法は、この接道義務についての緩和規定が適用できないか行政庁に確認してみるということです。接道義務は建築基準法第42条で規定されているのですが、同第43条に「特定行政庁が認めて建築審査会の同意を得た場合」建築を許可するとなっています。では、どういった場合許可がでるのか、それは各自治体によって基準が定められており、土地ごとに審査されるので、その都度確認しないと分かりません。

大掛かりな緩和規定としては、阪神・淡路大震災のときに震災から3年以内に着工する建替えのみ許可された例があります。横浜市でも平成30年に第43条の規定を見直し、一部建築審査会の同意不要となっています。

では、接道義務の緩和についての相談はどこにするかといいますと、各市区町村の建築指導課などになります。一般の人の相談も受け付けていますが、かなり専門的な知識が必要なので、専門家に依頼する方がよいと思います。こういった相談の多くの人は不動産業者にすると思いますが、接道義務は建築基準法で定められているので、建築設計事務所などに相談した方が間違いありません。建築設計事務所では建築物を建てる際に建築確認申請を行うので、建築基準法関連の法規チェックは専門家でもあります。

接道する道路にも規定はある

また、接道義務というと土地が道路に2m接道しているだけでなく、接道している道路が「建築基準法で定められている」道路でなくてはなりません。建築基準法の道路とは公道、私道に関わらず、建築基準法で定められている基準に適合しているかどうか検査、認定されている必要があります。稀に基準に適合していても、道路を作った際申請せず認定されていない道路というものあるので、注意が必要です。国道・県道だからといっても建築基準法の道路とは限りません。市区町村で道路台帳というものがあるので、認定されている道路かどうかは台帳で確認できます。

最後の手段はリノベーション

これらの手段で解決できない場合、最後の選択肢は残っている既存の建物をリノベーションして使用するか更地にするかということになります。しかしリノベーションしても、おそらく売却はできないでしょう。なので、賃貸として貸し出すか、ご自身で住むかになります。

都市部の空き家問題は根が深い

更地にする場合は、再建築ができないのでよくよく考える必要があります。また、更地にすると固定資産税が上がることもあるので、このあたりを見極める必要もあります。だから、今後住む予定のない建物でも、そのまま残す場合があります。自治体は補助金などを出して、管理不十分な空き家の撤去を勧めています。でも、撤去する方が負担が大きくなるならばなかなかすすまないでしょう。都市部の空き家の問題は根が深いのです。


空き家の活用についての無料の相談を受けています。

https://akiya.color-dw.com/




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?