見出し画像

「わたしをどうして磨いたの」(詩)

わたしをどうして磨いたの
あの不格好な黒髪は
あの星屑にもなれない小さな火は
黄昏を越えて先へ行ってしまった

さよならも 聞けなかった
懐かしさも ひしゃげ曲がる
うつくしい紐を掛けた
ひとまとまりの偽りよ

わたしをどうして磨いたの
意義ではなく意思でもなく
生きるを振りほどく無様な後ろ姿が
愛を呼んだのに

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?