見出し画像

「母という私を見る」(詩)

母は
くっきりと
さようなら
と言う人だった

愛していると
言わない代わりのように
星を見上げては
なんてうつくしい日々といった

母は私を想ったが
私は私を思っていた
母はそれで十全といい
私はあまりに不全と言った

あなたが手を振るのを見て
私がさよならのことを考えられなかったのは
だから母の所為だ
と言ったら母は、
にやりと笑うのだろう

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?