見出し画像

ロックバンド「鴉(からす)」のベーシストに開館直前のミルハスを案内してもらった。あきた芸術劇場 開館準備事務所 古谷優貴

広報紙「あきたびじょん2022年5・6月号」
ミルハス いよいよ6月に開館!

あきた芸術劇場 ミルハス
あのロックバンドのベーシストも
開館準備に携わっていた!

いよいよ6月に開館が迫った「あきた芸術劇場 ミルハス」。

樺細工、川連漆器、曲げわっぱなどの伝統工芸に携わる方から、クラシックやミュージカル関係者など、多くの人の思いと技術が集約されたミルハス。ロック界からは、「鴉(からす)」のベーシスト、古谷優貴さんが開館準備に携わっています。

今回のあきたびじょんBreakでは、古谷さんにミルハスの魅力や、ロックバンド「鴉」で活動することになったきっかけなどを取材しました。

画像19

《名前》古谷 優貴(ふるや ゆうき)
《年齢》31歳
《出身》秋田県横手市
《経歴》大学卒業後、「一般財団法人 秋田県総合公社」に就職。その傍らでロックバンド「鴉」のベース担当としても活動中。2020年からは、あきた芸術劇場開館準備事務所の勤務となり、アーティストならではの目線で施設管理やイベント企画などを行う。

あきた芸術劇場 ミルハスとは?

画像21

昭和から平成まで続いた「秋田県民会館」と「秋田市文化会館」の機能を併せ持つ文化施設で、千秋公園(秋田市)に隣接する秋田県民会館跡地に建てられた。約2000人収容可能な大ホールと、約800人収容可能な中ホールが隣り合わせになっているのが特徴。

<あきた芸術劇場 ミルハス 今後のスケジュール>
・2022年6月5日(日):開館記念式典
 1部: セレモニー、由利高校民謡部による記念公演
 2部:本県出身の佐々木新平氏の指揮による「大いなる秋田」記念演奏
   (県吹奏楽連盟、県合唱連盟)
・9月23日(金・祝):グランドオープン記念特別公演
 新日本フィルハーモニー交響楽団(東京)
 指揮者:井上道義氏
 ピアニスト:小山実稚恵氏
 によるクラシックコンサート

※6月開館後は、練習室などが使用可能となりますが、大・中・小ホールは、9月グランドオープン後まで使用できません。

画像19

― 開館準備事務所の一員として、どんな思いで開館準備に携わっていますか?

僕は、主に施設の予約受付やイベントの企画運営の業務を担当していますが、「この規模の文化施設がオープンする」ということは50年に一度あるかないかくらいのことなので、責任の重大さを感じています。

ミルハスは秋田の文化や芸術の拠点施設になるので、県民の皆さんに利活用してもらえるよう、サポートしていきたいと思っています。

画像21

― 「鴉」のベーシストの視点から見て、興味を持ったホールはありますか?

ブラックを基調としている中ホールを初めて見た時は、大きめのライブハウスのような印象を受けました。自分たちもここでライブをしてみたいなぁ...。大ホール、中ホールともに舞台と座席の距離が近くて、2階席からでも臨場感を味わえるのが特徴ですね。

画像21

<中ホール 約800席>

― 大ホールのステージや客席もかなり大きく感じましたが、特徴を教えてください。

大ホールはポップス系音楽興行、吹奏楽の大会、クラシック、歌舞伎、オペラ、ミュージカル等、幅広い演目に対応できるホールになっています。周りにある壁は、秋田杉を使用した木レンガとなっていて、表面の凹凸が適度に音を拡散し反射させることで、響きのあるホールとなっています。これまで秋田にはこんなに大きいホールがなかったので、初めて見た時は圧倒されました。

画像4

<大ホール 約2000席>


画像20

<大ホールの内壁>


画像19

<朱色をベースとした座席は千秋公園の桜をイメージしている>


画像20
画像19

<多くの座席は「秋田竿燈まつり」の提灯に見えませんか?>


画像16

― 舞台上にも壁がありますね。

舞台上の左右と天井には「音響反射板」というものがあって、クラシックなどの音響効果を高めたいシーンで展開します。生演奏をする際に、通常の舞台だと天井や舞台袖に音が拡散して豊かな響きが得られないのですが、天井や左右に反射板を設置することで、客席へ楽器の響きを届けることができるんです。

画像6

<音響反射板が開閉する様子は大迫力で釘付けになる>

そのほかにもオペラやミュージカルに適した「オーケストラピット」という、客席面よりも一段低くした演奏スポットをつくることも可能です。このように多機能さを持ち合わせている施設でもあるので、上演できる演目の幅も広いと思います。

― ここは何という場所ですか?

ホールとの入り口を結ぶ通路、「ホワイエ」という場所です。大ホールと中ホールの外側の壁には、曲げわっぱ、樺細工、川連漆器を組み合わせたデザインが施されています。

画像9

<曲げわっぱの円形デザイン>


画像11

<組子細工の四角形デザイン>


画像20

<ホワイエの窓からは開放的な景色が見渡せる>

あきた芸術劇場 ミルハスの施設案内はこちらをチェックしてください。

いつかこの場所でライブを

「鴉」が2010年にリリースした『巣立ち』は、社会派人気漫画『闇金ウシジマくん』の実写版ドラマシリーズ主題歌に抜擢され、現在でもなお"「鴉」の代表曲"としてファンから愛され続けています。そんな大人気ロックバンドメンバーの古谷さんは、どのような思いを抱いて活動しているのでしょうか。

― 古谷さんがバンドを始めたきっかけは?

中学生の頃、友達の影響で「X JAPAN」を好きになって、それからギターが欲しくなったり、ロックバンドへの憧れが強くなったのがきっかけですね。高校時代には友達と一緒にバンドを組んで、地元のライブに参加していました。

― 高校卒業後もバンドを続けていた?

秋田大学に進学し、軽音楽サークルでバンドを組んでライブをしていました。卒業後は県総合公社に就職して、休日は趣味でバンドを組んで音楽活動を続けていました。

「鴉」のメンバー・千葉周太(ちば しゅうた)さんは実は大学の先輩で、元々活動していたバンドへも千葉さんの紹介で加入したんです。そのご縁もあって「鴉」のベース担当が脱退するという話になった時、誘いを受けて加入することになりました。「鴉」は、僕が中学生の頃からメジャーデビューをしていたので、誘いを受けた時はとても驚きましたね。

画像17

<2019年にベース担当として正式加入した>

― 憧れの「鴉」のメンバーになって、思うことは?

デビューから10年以上続く「鴉」に途中参加だったので、最初の頃は常に緊張していました(笑)。2年くらい経った今になって、ようやく慣れてきましたね。これからはワンマンライブもあるので、県外のファンに会えるのを楽しみにしています!

<鴉 ライブ情報>
・鴉ワンマンライブ「画面から場面へ」
 【日程】2022年5月16日(月)
 【場所】下北沢SHELTER(東京都)
・男鹿ナマハゲロックフェスティバル(ONRF)
 【日程】2022年7月30日(土)〜31日(日)
 【場所】男鹿市船川港内特設ステージ

画像18

― 鴉のメンバーとして、今後の目標を教えてください。

鴉は「秋田を拠点としながら全国で活動するロックバンド」です。コロナ禍は思うようにライブをできませんでしたが、今後は多くの人にライブを見てもらえるよう頑張りたいです。

県外でライブをする際は、グッズ販売を兼ねて県内のお店とコラボしたお菓子を販売しています。それがきっかけで「秋田に遊びに来ました!」というファンもいらっしゃるので、これからもいろんな形で秋田に貢献できたらなと思います。

気軽に立ち寄れる場所にしたい

画像14

― ミルハスの開館を楽しみにしている皆さんに向けて、メッセージをお願いします。

グランドオープン後は、コンサートやイベントを続々と実施する予定です。ミルハスは景色を見渡せるエントランスロビーや、軽食を楽しめるレストラン、演奏の練習をしたい方向けの練習室があったりと、催し物がなくても気軽に立ち寄れるような施設になっていますので、多くの方々にお越しいただければと思います。

― 秋田を拠点とする「鴉」のライブを行う姿も、ミルハスで見てみたいです!

「鴉」のメンバーとして、開館事務所の職員として、ミルハスから秋田や芸術の魅力を伝えていけたらなと思います。

画像3

【あきた芸術劇場 ミルハス】
《住所》秋田県秋田市千秋明徳町2-52
《HP》https://akiat.jp/

 [聞き手:じゃんご / 秋田ブロガー兼YouTuber] https://dochaku.com